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比例代表の開票も進んでいる。午後9時のBBCラジオのニュースによると、今のところ、マオイストが約31%、統一共産党が約23%、ネパール会議派が約22%の票を獲得している。小選挙区240議席でのマオイストの過半数獲得はほぼ確実になったが、全601議席の過半数をとるには、比例代表で少なくとも40%を得票しないといけない。そのため、単独過半数をとることは困難と見られている。いずれにしても、制憲議会では憲法に関するさまざまな条項を決めるには3分の2以上の賛同が必要となるため、マオイスト単独で可決することは不可能ということになる。
今の暫定憲法によると、制憲議会の最初の議会が開催されるとともに、自動的に連邦共和制が実施されることになるが、しかし、そのプロセスが不明確であるために、本当に初日に共和制になるのか、という疑問の声があちこちからあがっている。マオイスト側の解釈の仕方は「議会初日に投票もなしに、連邦共和制になることを宣言して共和制に意向する」(バブラム・バッタライ)ということになるが、その動議を誰がだすのか、まず初日には議長を決めたり、大統領を誰にするのか(そもそも大統領を置くことになるのかも含めて)話し合う必要があるのではないかという疑問も専門家のなかから出てきている。
同時に、国王はいつナラヤンヒティ王宮を出て行くことになるのかということにも注目が集まりだした。ギャネンドラ国王は選挙の前後に声明を出すなど、いまだに自分の立場を理解していないのでは、と思わせるような態度をとっているが、共和制になったら、当然、王宮から出て行かなければならない。しかし、今のところ、そんな気配はまったくないのである。ここに至っても、まだ、何らかの形で王制が残るなどと考えているのだろうか。
2006年4月の民主化運動のあとに、インドとコイララ、国王のあいだで王制を残すという密約(口約束)がされたことを示唆する発言を国王が某メディアにして、話題にあったことがあったが、国王はこの約束を今でも藁にもすがる思いで思い出しているのだろうか。この密約にマオイスト(プラチャンダ党首)も関わったなどという噂があるが、それはおそらく真実ではない。当時のマオイスト内部の事情を少しでも知っている人間であれば、たとえ、プラチャンダ党首であれ、王制を残すなどという約束をしたとはとても、考えられない。密約は、おそらく、当時、カトマンズを訪問していたサウス・ブロックのメッセンジャーとコイララ、国王が直接会ってしたものである。これに統一共産党のリーダーも関わっていたのかどうかさえも不明である。いずれにしても、その直後の展開を見れば、どんな愚かな人間にもこの密約が反故にされたことくらい容易に理解できるはずである。
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