Kathmandu Journal

東日本大震災の被災者の方たちの復興を祈って

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 暑い毎日が続いている。すでに、あちこちで深刻な水不足のようだが、幸運なことに、我が家はなぜか、これまで水の供給が途絶えたことがない。大臣公邸と同じパイプだからと、近所の人が言っていたが、大臣公邸とそれほど近いわけでもなく、本当なのかどうか今ひとつわからない。近くにホテルが二つあるためか(使用量がオーバーするためだろうと思うが、これも真相はわからない)、局地的な停電はしょっちゅうあるのだが、インバーターをつけてから、とりあえずはパソコンだけはいつでも使えるようになったので、大分安心して仕事ができるようになった。

 明日は「ロクタントラ・ディボース(民主化記念日)」。2年前のこの日夜、19日間の「4月革命」のあと、ギャネンドラ国王はテレビ放送を通じて「主権を国民に返す」と宣言をした。あれから、もう2年もたつのかと思うと、改めて感慨深い。当時はもちろん、まだマオイストは表に出てきていなかったのだが、毎日デモが続くなか、知り合いのマオイストがしょっちゅう、携帯電話に電話をかけてきた。後で知ったことだが、人民解放軍の1個大隊はカトマンズの近辺にいて、デモ隊に混じっていたらしい。運動が始まる直前に、ロルパで会ったマオイストが、カトマンズ盆地周辺にいることを知って驚いたこともあった。

 マオイストの武装闘争の直接の目的は、state power(ラージ・サッタ)を占拠することだった。(そのため、最近書いたレポートのタイトルを『Seeking State Power』とした。)当時は、まさか、マオイストが2年後に本当に国家権力を掌握することになるとは考えもしなかった。しかし、彼らは選挙という最も平和的・民主的なプロセスを通じて、本当にstate powerを手につかんでしまったのだ。これも一種の革命だろう。

 国王はどうやら、すぐには王宮を出て行く意思がないようだ。複数の週刊紙によると、マオイストの「制憲議会開催前に王宮を出て行くように」という呼びかけにもかかわらず、国王は新憲法が公布されるまでは「王制は廃止されていない」と解釈して、王宮にとどまるつもりだという。ここまできても、この方はまだ王制が維持されるという期待をもっているのだろうか。何と言ったらよいのか、言葉もない。

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 比例代表の結果も、明日までに出そろいそうである。すべての結果が出たあと、21日以内に制憲議会の最初の会議が開かれることになっているが、暫定憲法の不完全な表記のために、さまざまな問題が起こりそうな気配がすでにしている。「共和制の実施」について、すでにさまざまな解釈の仕方が出ていることは前にも書いたが、マオイストが主張している「大統領」について、暫定憲法には条項がないために、この問題をどう解決するかも問題となっている。それどころか、マオイストが過半数をとらなかったために、どの政党が政府を作るのかについても、実は不透明であると指摘する法律家もいる。マオイストが圧倒的多数の議席をとっているために、マオイストが政府作成のイニシアティブをとることに関しては、他党からも今のところ疑問の声はあがっていないが、ネパール会議派と統一共産党が入閣を拒否した場合、マオイストはどういう政府を作るのだろうか。

 投票日の直前に、スルケットで統一共産党の立候補者が殺害されるという事件があったが、犠牲者の妻が代わりに立候補し、見事、当選した。小選挙区では、同党で唯一の女性の当選者である。2003年に亡くなった故マダン・バンダリ書記長の妻ビデャヤ・バンダリ(今回の選挙で落選)など、ネパールでも夫が亡くなると、妻が選挙区を継いで当選するケースが多い。ちなみに、今回のスルケットの事件では、立候補者は自身の警備官を務めていた警官の発砲で死亡したと報道されている。ロルパの事件と同様に、非常に疑わしい事件である。被疑者の警官はすでに拘束下にあると伝えられているが、警察は詳細を明らかにしていない。

 スルケットの事件と同じ日に、ダン郡ラマヒで起こった武装警察隊の発砲でマオイストのYCLメンバー7人が死亡した事件では、Kantipur紙などの当初の報道とは異なり、クム・バハドゥル・カドカを警備していた武装警察側が一方的に発砲したと目撃者が証言している。Kantipur紙は明らかな誤報をしながらも、これを訂正する記事さえ掲載していない。ネパールの最大日刊紙も、落ちたものだと思う。1999年の総選挙のときにも、似たような事件で統一共産党の活動家3人を殺害したカドカは、さすがに、今回の事件で政治生命が終わりとなるだろう。

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