Kathmandu Journal

東日本大震災の被災者の方たちの復興を祈って

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 カトマンズのナヤ・バス・パークは今日、投票のために故郷に帰る大勢の地方出身者で、「ダサイン祭の前のような賑わいだった」そうである。確かに、日中外出したときには、カトマンズ市内の道路は普段よりも車の数が少なく、アサンやラトナ・パークも人通りが少なかった。タライの工場でも、今日から労働者に休みを与えたところが多いと報道されている。

 先日乗ったタクシーの運転手に、どの党に投票するか聞いたら「もちろん、マオイストだ」と答えていた。「俺たちのために何かしてくれるのは、マオイストしかいない」からだそうである。投票日には、実家があるヌワコット郡に帰って投票をするといっていたが、この運転手は自分の選挙区で誰が立候補しているのかは知らなかった。カトマンズ盆地も、私がよく行くラプティでも、交通業界にはマオイストの支持者が多い。マオイストの思想を支持しているわけではなく、マオイストが最も活発に彼らの要求に応えてくれるからである。労働組合でも同じことが言える。

 テレビのニュースでは、今回、カーター・センターの選挙監視団を率いるジミー・カーター元大統領の動向を頻繁に報道している。今日は、コイララ首相やプラチャンダ党首と会見をしたようだ。外国の監視団はともかく、ネパール人の監視団には、政党関係者が大勢含まれていることが密かに問題になっている。こんなことで、正確な監視ができるのだろうか。

 マオイストのYCLが関連したニュースが今日も複数伝えられている。アルガカンチでは、昨夜、ネパール会議派の立候補者らが襲われた。昨日、3大左翼系政党の「互いを攻撃しない」合意が公表されたせいだろうか、マオイストが襲った政党はほとんどがネパール会議派だったようだ。一方、ダディン郡郡庁所在地では、ネパール会議派と統一共産党が昨夜から今朝にかけて衝突し、同地では今朝10時から午後2時まで外出禁止令が出された。

 UMLの“機関紙”Dristiは、作家のカゲンドラ・サングラウラが、マオイストの選挙集会の演説で、UML批判をしていることが、かなり気に入らないらしく、今日発売の同紙は、サングラウラがまるで、金をもらってマオイスト支持をしているかのような中傷記事を掲載していた。サングラウラがどういう人物であるかは、何よりも読者が一番よく知っている。マオイストの機関紙も、かなりあからさまなUML中傷記事を掲載しているが、Dristiの記事は、それよりもさらに程度の低いものだ。「第一政党になる」と自信たっぷりに公言しているわりには、品がなさすぎる。勝つ自信があるのであれば、もっと余裕たっぷりな態度を見せてほしいものだ。
 

 

選挙戦の最終日

 今日は選挙戦最終日。終日、どこに行っても、政党のモーターバイク・ラリーや街頭集会があちこちで見られた。最後に誰の集会を見に行こうと迷ったのだが、今日は午後、カトマンズ5区から立候補しているネパール会議派のナラハリ・アチャルヤの選挙集会を見に行くことにした。マハラジガンジで開かれた集会には、政治学者のクリシュナ・カナルや、昨日のプラチャンダの集会でも演説をした作家のカゲンドラ・サングラウラ、そして、学生リーダーのガガン・タパが来ていた。

 アチャルヤが今回注目されているのは、政党を超えて、さまざまな市民活動家が彼を当選させようと応援しているためだ。ネパール会議派内の“過激派”として知られてきたアチャルヤは、マオイストが武装闘争を始める前から制憲議会の開催を主張し、そして、2001年の王宮事件のときに、勇敢に王制批判をして、コイララ首相から党スポークスマンの役職を奪われたこともあった。汚職とは無縁の数少ない政治家で、一環して共和制を主張してきたアチャルヤを、カゲンドラ・サングラウラは、「ネパール会議派の240人の(小選挙区の)立候補者のなかで、汚点がまったくない唯一の人物」と絶賛をしていた。

 左翼系とはいえ、どの政党にも属さないサングラウラは、アチャルヤの選挙区で投票をしてきたが、民主化後4回の選挙のうち、3回は統一共産党に、1回はネパール会議派のダマン・ナス・ドゥンガナに投票したことを明らかにし、今回、なぜ統一共産党に票を入れずに、アチャルヤに投票するのか、ユーモアをまじえて明確に説明していた。理由は、統一共産党は国王政府に入閣したが、アチャルヤが一貫して共和制を主張してきたこと。そして、彼が嘘を言わない、汚職をしないまれな政治家であるからだ。

 昨日のキルティプルの集会でもそうだったが、サングラウラは今、最も厳しく統一共産党を批判している。アチャルヤの選挙区からはUMLの幹部であるイシュワル・ポカレルが立候補しているが、大臣を経験したポカレルは、汚職に絡んでも疑惑がささやかれた政治家である。この選挙区では、ポカレルを落選させるために、マオイストもアチャルヤに投票すると聞いたが、どこまで真実なのかはわからない。

 アチャルヤの演説を聴いていると、彼の性格がよく現れていた。他党や他の立候補者の悪口は一切言わないという、ネパールでは稀な演説だった。彼の選挙区からは、王制支持をはっきりと打ち出している国民民主党ネパールの党首カマル・タパも立候補している。どんな結果がでるのか、楽しみな選挙区の一つである。 

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