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カトマンズではそれほど大きなニュースにはならなかったが、この10日間ほどのあいだに、マデシ武装勢力のコマンダーやリーダー4人が、相次いで警察に殺された。ニュースでは「encounter」により、つまり、偶然出会って相手が武器をもっていたために殺害したと伝えられたが、事実は異なることをプラシャンタ・ジャーが今日のNelali Timesで暴露している。この記事をぜひ読んでいただきたい(http://www.nepalitimes.com.np/issue/2009/07/24/PlainSpeaking/16149)。
ジャーの記事によると、少なくとも4人のうち1人はインド側のビハールで警察に拘束されたあと、ネパール側の警察に引き渡され、その後に殺害されている。これは、マオイストが武装闘争を始めたあと、警察や軍が頻繁に使ったのとまったく同じ“手”である。マオイスト、あるいは、その疑いがある者(ほとんどのケースは実はこちら)を拘束し、拘束下で殺害したあとに、メディアには「encounter(交戦)により死亡」と伝えるのである。これはもちろん違法な殺害にあたるわけだが、こうしたケースに関わった警官や軍の人間が罰せられることはほとんどない。
これまで私は長いこと、ロルパやルクムでいかにマオイストが生まれ、そして拡大してきたかに関する調査をしてきたが、こうした国側の治安機関による違法殺害(マオイストだけでなく、多くの場合は一般人だった)がマオイストの支持者を増やす原因となっていることは明らかだ。“掃討作戦”の名の下に、一般人や非武装のマオイストを捕まえて殺害する国側の行為は、人々の心のなかの反国家感情を深めるばかりで、紛争の解決にはならない。
和平プロセスの最中にある現政府が、当時とまったく同じことをしていることを知り驚くばかりである。マオイストの紛争時にもこうした官憲による違法殺害を行ったのは、統一共産党やネパール会議派の政府だった。つまり、彼らの考えは、当時とまったく変わっていないということになる。政治家とは、過去から学ぶことをまったく知らない人たちなのだとあらためて思う。
昨日、インドの新聞が、インド政府がネパールに対する軍事援助の再開にゴーサインをだしたと報道した。今日の日刊紙ナンヤパトリカは、ネパール首相が8月にニューデリーを訪問したさいに、武器と弾薬を持って帰るとする記事を掲載している。ここまでくると、「バンダリ国防大臣はネパールの歴史上最も愚かな大臣である」と非難するだけではすまない。そのレベルを超えて、統一共産党は国の歴史に残る大きな過ちを起こすことになる。昨日も書いたが、和平協定に明らかに反する武器輸入をこの政府が行ったら、和平プロセスは間違いなく崩壊するだろう。
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