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マオイストの中央委員会は昨日、和平プロセスにも影響するいくつか重要な決定をした。一つは、軍統合を憲法制定プロセスと同時に進めること。「新憲法が完成するまでは、人民解放軍を解体しない」と明確には言っていないが、この決定が意味するところはそうだと解釈できる。これは、コイララ党首やK.P.オリ、そして、ガッチャダール副首相の「マオイスト軍は国軍に統合されるべきではない」という発言に対する反応、あるいは措置であるともとれる。政党間の不信が強まるなかで、しかも、野党という不利な立場ですぐに統合、あるいはリハビリに応じることは、政党としての弱体化にもつながると考えたのだろう。
もう一つは、新憲法を通じて「人民共和制」を確立するという戦略の決定である。彼らがいうところの人民共和制が何を意味するのか、私にはまだ理解できないが、この確立のために民主化運動の準備を始めることも決定している。中央委員会議では、これらの方針案はプラチャンダ案として提出され、キラン派もこれに合意する形で決定された。メディアで取りざたされていた党内の対立は、とりあえず回避された形で決定されている。
まず懸念されるのは、軍統合の問題である。新憲法が期限内に制定される可能性が低いと見られている状況のなか、マオイスト軍がいつまで駐屯地にとどまることができるのか、疑問が残る。彼らは早期統合を求めているが、党側は彼らの心情にどう答えるのか。他党リーダーがマオイスト軍の国軍への統合に反対を唱え続けているなかで、マオイストと統合反対派の溝がますます深まる可能性が高い。「人民共和制方針」の決定は、ネパール会議派やインドのマオイストに対する疑いをますます深めることになるだろう。
マオイストの動向は、和平プロセスの軸からどんどん離れているように見えるが、ネパール会議派や統一共産党のマオイストに対する態度にも、その原因がある。政党間の不信・疑いを埋める試みを今始めないと、和平プロセスは本当に崩壊することになるだろう。
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