Kathmandu Journal

東日本大震災の被災者の方たちの復興を祈って

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 ICG(International Crisis Group)が昨日、ネパールの和平プロセスを分析した最新レポートを公表した。政権交替にいたるプロセスから現在の危機の背景まで、詳細が書かれていて実に面白い。“オタク的”な読み方をすると、一連のICGレポートの面白さは、本文よりも“欄外”にある。今回のレポートも同様。興味のある方は、53ページにのぼるレポートをダウンロードして読むことをお勧めしたい。時間のない方は、http://www.crisisgroup.org/home/index.cfm?id=6269&l=1 でサマリーをご覧ください。

 さて、ICGも指摘しているように、ネパールの和平プロセスは「崩壊の危機」に瀕している。ネパール軍の“政治化”やインドの政治干渉もその原因の一部だが、最も大きな原因は政党間の不信である。マオイストと与党連合の22党のあいだの溝がどれだけ深いかという現実を見ると、カタワル参謀長の問題など、大した問題ではなかったのだと思う。2005年11月以来の“合意の政治”が徹底的に壊れるきっかけとなったのは、昨年の選挙で、予想に反してマオイストが大勝したことにある。とくに、ネパール会議派と統一共産党の行動の背後には、マオイストに対する脅威と嫉妬がひそんでいる。一方、大勝したマオイストは、これが自身の真の実力であると誤解して、負けた側を蔑み、傲慢な態度をあからさまにした。これでは、合意の政治がうまくいくはずもない。

 制憲議会内に設置された各種委員会のなかで、最も重要な憲法委員会の委員長を選ぶ選挙が17日に行われることになっているが、与党連合は共通の候補者を立てることを決めた。マオイストはバブラム・バッタライを立候補させることを以前から明らかにしているが、これで、バッタライが委員長に選ばれる可能性はなくなった。憲法委員会の委員長はマダヴ・クマール・ネパールが務めていたが、ネパールが首相になったときに辞任をしてから空席になっていた。選挙に負けたために議員ではなかったネパールを憲法委員会委員長に推したのは、当時首相だったプラチャンダである。そのために、統一共産党の議員の一人が辞任をし、空席になった議員の席にネパールがついたという経緯があった。しかし、そんな“義理”は過去のことなのだろう。与党連合は何としてもマオイストを委員長にすることを阻止することにした。与党とマオイストの溝はますます広がることになるだろう。

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