Kathmandu Journal

東日本大震災の被災者の方たちの復興を祈って

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  マオイストの第6回拡大会議が昨日終わった。6000人を超える党員が集まり、予定の5日間を2日間延長して議論をしたにもかかわらず、何も決まらず、そして、3派の溝はますます深まる結果となった。議長であるプラチャンダの党内での権威と力が激減したこと、そして、プラチャンダとバブラム・バッタライ、キランことモハン・バイデャのあいだの思想の違いが、もはや議論では埋まらないほどに大きくなったことを確認した会議だった。
 
 さまざまな報道から見ると、1週間続いた会議で際立っていたことは以下の点である。まず、プラチャンダを批判する党員が極めて多かったこと。バッタライとキランがその方針案文書のなかで、議長を厳しく批判したことは以前のブログで書いたが、他の党員、プラチャンダ支持者のなかからさえも、議長の“親族びいき”とあいまいなイデオロギーに対して批判が噴出した。大半がプラチャンダ支持者であると言われていたマオイスト軍のコマンダーの50人が意見を明らかにしたが、このうち約半数がプラチャンダ批判をしたそうである。
 
 今後の方針についても、「和平と憲法制定を最優先とする。それがかなわなかった場合、人民反乱を始める」という、これまで同様のあいまいな方針が決まっただけである。言葉ではキラン案をとったが、行動ではバッタライ案をとるという、これまでのやり方を、プラチャンダは今回も繰り返したことになる。首相になるための野心をかなえるためには、とりあえず、党内からの批判をかわさなければならない。そのための暫定的な措置である。昨日の会議後の記者会見で、プラチャンダは「党の団結を維持した」とコメントしたが、これも付け焼刃的なもので、内情はバッタライとキランとの対立は改善したどころか、ますます深まったというのが事実である。
 
 今回の会議のもう1つのポイントは、「プラチャンダがどんなに批判されようと、党首務められるのは彼しかいない」という党内外の見方に変化が現れたことである。キランは会議中、明確に自身が党を率いる意思と能力があることを表明。バッタライは明言はしなかったものの、党を率いるのは、党のイデオロギーを提示した人であるべきという考えにのっとって、自身が党を率いることを示唆している。バッタライは19年間開催されていない党総会の早期開催を求めたが、その目的には、もちろん、議長席に挑戦する意図も含まれている。
 
 注目の的となっている軍統合問題についても、何も決まらなかった。マオイスト軍のコマンダーの大半は、宿営地に長期間“閉じ込められている”ことを不満として、この問題に関する党の明確な見解を早く決めるよう求めたという。「反乱(街頭運動)」の方針は、キラン派を言い含めるためのもの。マオイストが和平を憲法制定の方針を捨てることはない。しかし、今回の会議を見ていると、「それでもマオイストは党分裂をしない」という、これまでの見方を変えなければならないなと思う。
 先週末はルンビニに行ってきた。昨年同様、チベット仏教サキャ派の僧院で開かれた祈祷会で、お経の海に浸ってきた。留守中、議会で一騒動あった。議会場のなかで、マオイスト議員が本予算案を提出しようとしたパンデ財務大臣に殴りかかり、予算案の文書が入った鞄を壊して文書を破った。この明らかな暴力行為は、当然のことながら、他党から強い批判の的となっている。議会内での暴力を目の前にして、何の措置をとることもしなかったネムバン議長に対する批判の声もある。
 
 マオイストの第6回拡大会議が、昨日からゴルカ郡パルンタール村で始まった。昨日は開会式で、今日から3人のリーダーが出した方針案に関する話し合いが始まった。今日はバブラム・バッタライとモハン・バイデャヤ2人の副議長が自身の提案書に関する説明を行い、明日、プラチャンダが説明をしたあとに議論に入ることになっている。今日自身の方針案を提示した副議長2人は、議長であるプラチャンダの指導力について強く批判をしたと報道されている。
 
 会議には約6000人の党員が参加しているが、マオイスト軍のコマンダー約1200人を参加させていることを他政党が一斉に批判している。会議に参加したメンバーは軍統合の対象からはずすべきだという声までもあがっている。
 
 19日のマオイスト議員による“暴力事件”のあと、議会は閉会となった。そのため、首相選挙の行方も不透明となっている。ネパール首相は週末からトラ保護の国際会議に出席するためにロシアに行っており、マオイストのリーダーは少なくとも25日まではゴルカに滞在する。つまり、問題解決のための話し合いは、今週末まで棚上げということである。
 
 ゴルカの拡大会議では、プラチャンダ派がバイデャヤ派と組んで、バッタライ派の孤立化を計っているという報道もある。和平プロセスの継続を主張するバッタライ派が少数派になるということは、すなわち、和平プロセスの危機をさらに深める可能性につながる。昨日の開会式でプラチャンダが演説をしたあと、拍手がなかったという報道もあった。今晩放送されたFMラジオを聴いていたら、元マオイスト中央委員のムマラム・カナルが「プラチャンダは党を分裂させても、自身が権力を掌握しようと試みるだろう」と話していた。この会議は和平プロセスにとっても、マオイストにとっても、今後を決める重要な会議となりそうだ。
 
 主要3政党のあいだで、首相をローテーションで務めることで話し合いが進んでいるそうだ。最初にネパール会議派が、次にマオイスト、最後に、つまり憲法制定後最初の総選挙のときには統一共産党が首相を務めるという段取りだそうである。ローテーションの期間についてなど具体的なことは決まっていない。今日の3党会議で決定の可能性高しと見られていたが、会議は「時間が足らず」に結論が出ずに終わった。21日からマオイストの拡大会議が始まるが、1週間続くと言われている会議が終わるまで3党会議は延期となった。
 
 ネパール首相はトラの国際会議でロシアに行くそうである。マオイストも首相も国政以外のことで多忙のようだ。彼らの都合で、明日、“急いで”憲法を改正して本予算が認可されることになったが、そのために大統領権限を利用することに関して、ネムバン国会議長が「議会の権限が弱くなった」と強く反発している。憲法改正には少なくとも1週間かかるが、拡大会議が迫っているために、「強い大統領」の存在に反対をしてきたマオイスト自身が、大統領権限を利用して1日で憲法改正することに合意した。何とも矛盾する行為である。
 
 今回の拡大会議では、マオイスト党内の派閥抗争がこれまでになく表面化しそうだ。今日のKantipurFMのインタビューでは、バブラム・バッタライがプラチャンダを批判していた。プラチャンダは今回の会議で議論されることになっている提案書のなかで、キランとの関係については「闘争(サンガルサ)よりも統一(エカタ)の関係だった」としているのに対して、バッタライとの関係は「統一よりも闘争の関係だった」と書いている。現在のマオイストの政治方針は2005年のチェンバン会議の決定に基づくものだが、この方針はバッタライが提唱した方針である。さらにさかのぼると、制憲議会により新憲法を作るという現在の和平プロセスの方針は、2001年の総会でバッタライが提唱したものである。今回も、バッタライはこれまでの方針に沿って和平プロセスを完成させて、新憲法を制定すべきと主張している。3人のなかで最も現実的な方針である。さて、どんな決定をすることになるのだろうか。
 
 最高裁がネムバン国会議長に対して、議長権限を利用して、結果の出ない無意味な首相選挙を止めて、別のプロセスに移るよう指示をだした。これに従う形で、昨日予定されていた17回目の首相選挙は中止になった。というか、19日に延期になった。次にどうするかは決まっていない。「別のプロセスに移る」を、ネパール会議派は唯一の立候補者である同党の「ラム・チャンドラ・パウデルを新首相として宣言する」と解釈し、これを議会に要請。一方、マオイストと統一共産党を含む8政党は、これに対抗する形で、今日になって議会に法改正をして選挙を止め、新しいプロセスで首相を選出することを求める動きに出た。
 
 一方、カティク月の最終日である今日、暫定予算の期限が切れることになっており、早急に本予算案が認可されなかった場合、深刻な財政危機になるのではと懸念されていたが、主要3党は暫定政権でも本予算案を提出できるように暫定憲法を改正することで合意した。19日に開かれる議会で、予算案が提出されることになっている。これまでマオイストは「首相が辞任したあとの暫定政権には本予算案を提出する権限はない」と主張してきたが、最後に譲歩をしたことになる。
 
 新憲法制定の期限は残すこと、あと半年のみ。この大事な時期にネパール首相は来週、トラ保護の会議に出席するためにロシアに行くそうである。21日からマオイスト第6回拡大会議が始まるが、会議は1週間続くそうだ。つまり、この期間、政治は動かないということ。この国のリーダーたちには、「締め切り」の概念がまったくない。というか、締め切り日になって、ようやく動きだすのが当たり前のようになっている。
 11月21日からゴルカでマオイストの中央委員会拡大会議が開かれる。この会議ではプラチャンダ議長とキラン副議長、バブラム・バッタライ副議長の3人のリーダーが作成した文書について議論されることになっている。党本部はこの文書が外部に漏れないように、かなり神経を使っていた。先日の中央委員会議では、メンバーに文書を渡さずに、読んで聞かせたほどである。ところが、日刊紙Nagarikが3人の極秘文書を手に入れて、一昨日から今日にかけて連日、文書の内容を一面で報道した。
 
 一昨日はプラチャンダが書いた文書の内容を、昨日はキランとバブラム・バッタライの文書を、そして今日は3つの文書を総合して記事を書いていたが、やはり興味深いのは昨日のキランとバッタライの文書の内容である。この記事を読むと、党本部、つまりプラチャンダがなぜに、これほどこれらの文書が外に漏れるのを嫌がったかがよくわかる。つまり、2人の副議長はプラチャンダを非常に手厳しく批判しているのである。
 
 2人は党本部、つまり議長が不透明な方法で何千万ルピーもの金をもうけたこと。党本部が違法な商売、密輸、汚職をする人を保護して党内にブルジョア階級を作り出したこと。党内の財政が不透明であることに関して、主な責任は議長にあると非難しただけでなく、議長自身が党内に派閥を作り、自身を批判する人を「党を分裂させようとしている」と逆批判したことを明らかにしている。
 
 さらに、キランは自身が作成した文書のなかで、レーニンの言葉を引用して「右派日和見主義者よりも、中道日和見主義者のほうが“恐るべき”“有害な”存在である」とも書いている。バッタライは党内で「ダッチンパンティ(右派)」と批判されているが、中道日和見主義者とはつまりプラチャンダのことである。キランは革命のためには、バッタライよりもプラチャンダが「危険な存在だ」としているのである。
 
 ゴルカで開かれる拡大会議には、マオイスト軍のコマンダーも大勢参加すると聞く。特別委員会では、軍統合問題に関する話し合いは拡大会議で結論がでるまでペンディングになっているが、軍側からも党本部に対する批判が出る可能性がある。今回の会議はプラチャンダにとって、これまで以上に厳しいものとなるだろう。

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