Kathmandu Journal

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元皇太子の発砲事件

 パラス元皇太子が、しばらくぶりに新聞の一面を飾った。日刊紙Kantipurの一面トップ記事のタイトルは「パラスが銃を発砲した」というもの。11日夜に、チタワン国立公園内にあるリゾートホテル、タイガートップスで元皇太子がピストルを取り出して発砲したという記事である。負傷者も出ていないのに大きな記事になったのは、元皇太子が発砲した相手がスジャータ・コイララ外務大臣・副首相の娘婿ルベル・チャウダリだったからである。つまり、パラスは故ギリジャ・プラサド・コイララの孫の婿に対して発砲したのである。
 
 パラスとチャウダリはそれぞれの家族を連れて、タイガートップスに滞在していたのだそうだ。2人は口論になり、パラスは「コイララ家のせいで王制がなくなったのだ」と言って、ピストルを撃ったと報道されている。ネパールが共和制になったときに首相を務めていたギリジャ・プラサド・コイララに恨みがあるのだろうか。日ごろから酒を飲むと、元皇太子はコイララのことを責めていたという記事もある。
 
 スジャータ・コイララ外務大臣は事件のことを耳にして、外遊中のバンコクからラワル内務大臣に電話をして、元皇太子に対する処罰を求めた。ネパール会議派のスシル・コイララ党首も、パラスの逮捕を求めている。
 
 新聞メディアの大半は、元皇太子が「また、悪事を働いた」というニュアンスの報道の仕方だが、この事件に関する一般国民の反応が面白い。ネパール語の人気ブログ「My Sansar」のコメント欄を読むと、実にクールなコメントが多いのだ。最も大勢の支持を受けているコメントは、この事件は「元皇太子(パラス)と新皇太子(コイララ家の婿)の喧嘩にすぎない」というもの。「支配階級である2人とも昼も夜も喧嘩をして、やりたい放題。一方、貧困層に属する一般国民は物価高に苦しんで、食べることにも困っている。真の民主主義であるならば、2人の資産を没収して、ネパールから追い出してしまうべき」と、2人とも厳しく非難されている。「パラスはよくやった」というコメントも結構ある。「どうせなら、使い物にならない政党リーダーに発砲すればよかった」とまで書いている人も複数いる。
 
 今のネパールの政党政治家を見ていると、さんざん悪者にされたギャネンドラ元国王と彼らのあいだで、一体、どれだけの違いがあるのだろうと思う。政党リーダーも国と国民を食い物にしているという意味では、何の変わりもないと思う。

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