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今日、ポカラにあるフルバリ・リゾートホテルで、パラス元皇太子が逮捕された。数時間におよぶ事情聴取のあと、パラスは自身がチャーターしたヘリコプターで事件があったチタワン郡の警察署に連行された。元皇太子は現在、チタワンの警察の訓練施設で“VIP扱い”を受けて拘置されている。官憲は公の場で銃を発砲して治安を乱したという件と、違法に銃を所持していたという件でパラスを起訴したそうである。前者に関しては保釈金を払って釈放可能、後者は3年から7年の刑か、6万から14万ルピーの罰金となるそうだ。その程度の“罰”ということである。
今回の事件では、罰の重さよりも、元王室メンバーに対するイメージに大きな悪影響を与えたことが重要だろう。このところ、ギャネンドラ元国王やパラス元皇太子は宗教行事に積極的に出席して、旧王室のイメージアップに努めていた。とくに、良いイメージを保っているパラスの妻のヒマニ元王妃にNGOを設立させて、社会奉仕の分野で礎を築こうと試みていた。こうした動きの背後にいると予測される元国王は、おそらく王室メンバーを、あるいは自身が政界に進出することまで考えているのかもしれない。しかし、今回の事件は、こうした旧王室の意図にある程度のダメージを与えることになるだろう。
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パラス元皇太子が、しばらくぶりに新聞の一面を飾った。日刊紙Kantipurの一面トップ記事のタイトルは「パラスが銃を発砲した」というもの。11日夜に、チタワン国立公園内にあるリゾートホテル、タイガートップスで元皇太子がピストルを取り出して発砲したという記事である。負傷者も出ていないのに大きな記事になったのは、元皇太子が発砲した相手がスジャータ・コイララ外務大臣・副首相の娘婿ルベル・チャウダリだったからである。つまり、パラスは故ギリジャ・プラサド・コイララの孫の婿に対して発砲したのである。
パラスとチャウダリはそれぞれの家族を連れて、タイガートップスに滞在していたのだそうだ。2人は口論になり、パラスは「コイララ家のせいで王制がなくなったのだ」と言って、ピストルを撃ったと報道されている。ネパールが共和制になったときに首相を務めていたギリジャ・プラサド・コイララに恨みがあるのだろうか。日ごろから酒を飲むと、元皇太子はコイララのことを責めていたという記事もある。
スジャータ・コイララ外務大臣は事件のことを耳にして、外遊中のバンコクからラワル内務大臣に電話をして、元皇太子に対する処罰を求めた。ネパール会議派のスシル・コイララ党首も、パラスの逮捕を求めている。
新聞メディアの大半は、元皇太子が「また、悪事を働いた」というニュアンスの報道の仕方だが、この事件に関する一般国民の反応が面白い。ネパール語の人気ブログ「My Sansar」のコメント欄を読むと、実にクールなコメントが多いのだ。最も大勢の支持を受けているコメントは、この事件は「元皇太子(パラス)と新皇太子(コイララ家の婿)の喧嘩にすぎない」というもの。「支配階級である2人とも昼も夜も喧嘩をして、やりたい放題。一方、貧困層に属する一般国民は物価高に苦しんで、食べることにも困っている。真の民主主義であるならば、2人の資産を没収して、ネパールから追い出してしまうべき」と、2人とも厳しく非難されている。「パラスはよくやった」というコメントも結構ある。「どうせなら、使い物にならない政党リーダーに発砲すればよかった」とまで書いている人も複数いる。
今のネパールの政党政治家を見ていると、さんざん悪者にされたギャネンドラ元国王と彼らのあいだで、一体、どれだけの違いがあるのだろうと思う。政党リーダーも国と国民を食い物にしているという意味では、何の変わりもないと思う。
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ネパール首相はいまだにどこか遠くの国にいる。党内外からの批判を無視して外遊にでかけた理由については、「自分がいても、大勢に影響はないから」と言ってのけたそうである。国政に影響を与えることのできない首相など、そもそも必要ない。首相留守中の動きは、マオイストが特別国会の召集を要請することを決めたことくらい。マオイストは今日も、小政党からの支持をとりつけるために話し合いをしたが、特別国会を召集するには、明確な議題がなければならない。新首相の選出が議題となることになるが、この問題をどうするのか、政党間の合意なしに特別国会を召集しても、議論が進まなかったら、議会はふたたび解散となる。
ネパール会議派も党幹部の任命をめぐって、コイララ派とデウバ派の争いが表面化している。マオイストは先日の拡大会議後、すぐに中央委員会議を開くことになっていたが、3人のリーダーのあいだで調整がつかず、会議はいまだに開かれていない。マオイストも統一共産党も中央委員会議を14日に開く予定になっている。この日からUNMINの任期終了まで残すところ一月。軍統合特別委員会のコーディネーターであるネパール首相が不在であるために、統合の問題の話し合いは何も進んでいない。
一方、新憲法に関する政党間の意見の違いを調整するために発足したハイレベル作業部会は、このところ毎日会合を開いて、少しずつ前進しているようだ。今日までに政党間で対立していた47の問題のうち、43の問題について合意が成立している。自治権、多元主義、人民戦争の言葉を入れるかどうかについては、調整がついていない。制憲議会は開かれていなくとも、政党間の調整が進めば、今後のプロセスは容易になる。しかし、現暫定政権は、ずるずると来年5月の制憲議会任期切れまで政権交代に応じない可能性がある。
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あっというまに師走になってしまった。といっても、ネパールに住んでいると、師走も新年もまったく関係のない生活なのだが。 先日、とんでもない勘違いをしていることを友人に指摘されて、ある仕事を慌てて終わらせなければならなくなった。そのために、年明けに行こうと思っていたロルパ行きも中止して、書く仕事に集中しなければならない。書くことは楽しい作業なので、それほど焦ってはいないのだが、いろいろとやろうと思っていたことをしばらくペンディングしなければならなくなった。
さて、制憲議会の任期は残すところあと6ヵ月となった。しかし、憲法制定の作業は一向に進んでいない。それどころか、新政府樹立の方向も見えない状況で、暫定政府の“暫定首相”マダヴ・クマール・ネパールは昨日から外遊に出かけてしまった。カンボジアで開かれる政党の国際会議に出席するそうである。今週末に帰国した直後に、次はベルギーに出かけるそうだ。ネパール首相だけではなく、統一共産党のカナル議長は今日から1週間、南アフリカに行く。同党のKPオリは一足早く一昨日、カンボジアに行ってしまった。
国政が危機にある時期の外遊を中止するよう、ヤダヴ大統領やネムバン国会議長がネパール首相に要請したが、首相はそれを無視する形で出かけてしまった。UMLのこれら3人のリーダーの態度は、党内からも批判がでている。他人の金で外遊できるとなると、ネパールの政治家は何があっても機会を逃さない。特にネパール首相の卑しい精神にはあきれるばかりである。
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