Kathmandu Journal

東日本大震災の被災者の方たちの復興を祈って

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コイララ党首の病状

 ネパール会議派のギリジャ・プラサド・コイララ党首は、かなり衰弱が進んでいるようだ。今日発売の週刊紙Jana Asthaによると、コイララ党首は先週木曜日、主要3政党のトップを寝室に呼んで、自身の「先が長くないこと」を伝え、すぐにも合意のもとに問題を解決しないと、流血の事態が起こると強い懸念を表したという。このコイララ党首の発言は、昨日ゴダワリで開かれたハイレベル政治メカニズムの会合の席でも話題になったようだ。そのためだろうか、昨日の会合では、いつもよりも真剣に他党の出席者の言い分を聞く姿勢が見られたそうである。

 昨日のメカニズムの会合では、マオイスト軍の統合問題が主な話題となった。NCとUMLはネパール軍を含めた治安機関に統合するマオイストの人数を3,000人とすべきと主張しているが、プラチャンダは昨日、UNMINが資格ありとした19,600人のうち1万人をネパール軍に残りを他の治安機関にと主張している。統合問題はプラチャンダにとって、現在最も頭の痛い問題であることは間違いない。人民解放軍のコマンダーらの主張と現実の大きな差をいかに埋めるつもりなのか。今後の和平プロセスのなかでは、この問題が最大のネックとなる。

 ジャナクプルで日刊紙とFMラジオの経営者が殺害された事件は、今日も各紙が大きく取り上げている。日刊紙Kantipurとその姉妹紙である英字紙The Kathmandu Postは、治安改善がでいないのであれば、ネパール首相は辞任をすべきだと主張した社説を一面で掲載。ネパール・ジャーナリスト連合は今日、全国で内務大臣の辞任を求めて座り込みをした。日刊紙Nagarikでは、被害者をよく知っていたコラムニストのC.K.ラールが、人徳のある被害者の生前を書くとともに、やはり政府を強く批判した記事を書いている。政権が代わったところで、治安が改善される可能性は少ないが、現政権の無能さは十分に証明された。これ以上の政権維持の試みは国民の意思に反するものであることを、彼らは認識すべきである。

 また、メディア関係者が殺害された。昨日夕方、ジャナクプルで地元日刊紙とFMラジオを所有するアルン・シムハニヤが何者かに射殺された。カトマンズのラジンパトで白昼、ネパール初のケーブル・テレビ局スペース・タイムの経営者ザミン・シャハが殺害された衝撃がまだ消えないなかでの事件を、今日の主要新聞はトップ記事で報道している。インド系のマルワリ・コミュニティーに属するシムハニヤは、地元病院の経営陣の1人で、地元有力者でもあったようだ。事件の影響で、ジャナクプルは今日、バザール中の店を閉ざして、一日中緊張状態にあったと伝えられている。

 昨年、やはりジャナクプルで殺害された女性ジャーナリストのウマ・シンは、シムハニヤが所有するFMラジオ局「Radio Today」の記者だった。シムハニヤが所有するFMラジオと日刊紙Janakpur Todayの編集長は、BBCネパール語放送の地元記者でもあるブリチクマール・ヤダヴである。すでに3つのグループが電話を通じてシムハニヤ殺害の犯行声明を出しているが、そのうちの一つは「マデシに有利な報道をしていない」ことを理由に、編集長のヤダヴも殺害すると脅迫する電話をしてきたそうである。

 複数のグループが犯行声明をだしたということは、彼らの背後にそれを指示した別の勢力がいるということだろうか。いずれにしても、引き続くメディア関係者の殺害にネパール・ジャーナリスト連合(FNJ)は強い反応を示し、一連の抗議運動を始めることを決めている。ネパールは報道関係者の危険度が最も高い国の一つだが、これまでに起こったメディア関係者殺害の大半のケースで、政府は犯人を検挙していない。ウマ・シン殺害の犯人のように、逮捕をしても釈放されたケースもある。FNJは政府が報道関係者の安全確保に無関心であると批判しているが、一連の事件が起こる背景には、犯人が罰せられないこと、治安改善が進んでいないことなど、確かに政府側に大きな責任がある。政権が代わっても、こうした事態に変化がある可能性が低いことが、今のこの国の大きな問題でもある。

 

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