Kathmandu Journal

東日本大震災の被災者の方たちの復興を祈って

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 マオイストはこの1週間のあいだに、重大な決定を下さなければならない。すでに党決定をしているのでれば、それを行動に移してみせなければならない時が迫っている。それは、他でもない、マオイスト軍の解体問題である。一昨日のカトマンズ市民とのプログラムで、プラチャンダはマオイストの武装勢力を解体するプロセスを提示してみせた。まず、6月14日までに駐屯地にいるマオイスト軍のメンバーを「治安部隊に統合されることを希望する者」と「社会へのリハビリを希望する者」に分けて、それぞれ別々のキャンプに移動させる。そして、UNMINの任期が切れる9月15日までに、彼らの統合・リハビリのプロセスを終了させるというものである。他党から解体が求められているもう一つの組織であるYCLに関しては「数日間で全国のYCLのキャンプを空にする」と話していた。
 
 プラチャンダが党決定に基づいて、こう話したのであるとすると、マオイストは軍統合に関して、大きな方針転換をしたことになる。党中央委員会が決めた方針は「新憲法ができるまで、マオイスト軍は統合しない」だった。プラチャンダが話したことは、新憲法ができる前にマオイスト軍の解体に応じるということである。
 
 人民解放軍はマオイストにとって最後の切り札である。しかし、この武装勢力のために、他党はマオイストを信頼しきれていない。主要3政党は6つの包括的合意を試みているが、このなかで最大のネックとなっているのが、この軍統合問題だ。ネパール会議派も統一共産党も、「マオイストが軍統合を終了させて、ナガリカ・ダル(市民政党)とならないかぎり、マオイストが合意の政権を率いることは受け入れられない」と繰り返し言っている。マオイストはこれまでで、最も“痛い決定”を迫られている。しかも、彼らが和平プロセスを継続するつもりであれば、これは避けては通れない決定でもある。

「スキラ、ムキラ」

 カトマンズはタライになったのか、と思うほど暑い日だった。日中、日傘もささずに歩いていたら、日焼けで腕がひりひりと感じるほどだった。今年は例年よりも気温が数度くらい高いような気がするのだが、実際はどうなのだろうか。来月はフィールドにでかける予定なのだが、この暑さのなかを歩けるかどうか不安になってしまう。
 
 ジャーナリスト仲間のあいだでは、昨日のプラチャンダの“謝罪発言”がもっぱらの話題だった。さまざまな人の意見を聞いていると、自身が立つ背景を反映していて面白いなと思う。今回の“ゼネスト”に関する報道に関しても議論の対象になった。大半の主要メディアが、ゼネストを中止した翌日、プラチャンダがクラマンツの演説でカトマンズの人を「スキラ、ムキラ(きれいな服を着た)」と揶揄したことを取り上げていた。衣装もちとして知られるプラチャンダ自身が「スキラ」であるにもかかわらず、自分を棚にあげて、カトマンズ人を批判したことを逆に批判する人もいた。プラチャンダが本当に被抑圧者層のリーダーであるのであれば、カトマンズの知識人を前になぜ謝罪したのかと言う批判も出た。
 
 今回のゼネストに関しては、私もカトマンズの人たちと主要メディアの反応に興味があり、さまざなま記事やコラムに目を通した。以前にも書いたが、表面的な報道ばかりで、本質をついた記事が本当に少なかった。マオイストが地方から連れてきた何万人もの人がカトマンズの街頭で過ごした一週間、毎日街頭を歩きながら、私の心のなかにいつもあったことは、傍観者、つまりカトマンズに住む中流以上の人たちと、街頭にいた人たち、つまり地方の山村に住む村人(農民)の間に横たわる埋めることのできない溝のことだった。後者(農民)は、よほどの幸運にでも見舞われないかぎり、前者(市民)になることはない。前者(市民)は後者(農民)に属する人たちがなぜ街頭にいるのか、理解しようとしない。両者はまったく“クラス(階級)”が異なるのである。ネパールでなぜ、これほど共産党が強いのか。ネパール人がなぜコミュニズムに幻想を抱いているのか。マオイストがなぜ、いまだに“革命”に夢を抱いているのか、答えを見たような気がした。

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