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予測はしていたことだが、ネパール首相がいつ辞任するかで、マオイストとネパール会議派・統一共産党のあいだで全く異なる解釈がされている。一昨日夜、KPオリはマオイスト側に「ネパール首相を5日以内に辞任させる」と約したと報じられており、マオイスト側はこの件で合意が成立していると主張しているのに対して、他の2政党は、軍統合問題やYCLの解決問題、占拠した土地の返却問題などで包括的合意が成立するまでは首相は辞任をしないと言っている。これは、一昨日の合意前とまったく変わらない態度である。
一昨日夜の土壇場劇で、マオイスト側はKPオリの言葉は信頼できないことを知って、任期延長を受け入れることを決めたのだろう。さまざまな記事を読むと、プラチャンダは一昨日、すでに任期を延長しないことを心に決めていたが、バブラム・バッタライの強い主張を受け入れる形で、最終的に実質的な“無条件受け入れ”に応じたようだ。英字紙The Kathmandu Postの報道によると、KPオリとマオイスト側との土壇場の交渉で、オリを次期首相とする“秘密合意”が成立したという。オリは制憲議会選挙で落選しているが、統一共産党の比例代表議員を辞任させて、空いた席にオリを任命する動きがすでに始まっているという。もっとも、今回、ネパール首相に強く辞任を迫ったカナル党首派はこれに反対をしているという。今回の交渉でオリが暗躍したことを裏付けるかのうように、オリは今日ニューデリーに発っている。
一昨日の交渉で、インドが直接干渉をしていたことは、話し合いが行われていた部屋に朝からずっと、アムレシュ・クマール・シンがいたことからも明らかである。私も一昨日、この部屋に入ったある議員から目撃談として聞いたことだが、シン自身が合意書を書いていたという。シンはネパール会議派だが、トップ政治家の交渉の席に同席するほどの地位がある政治家ではない。インドの政界とサウス・ブロックに太いパイプをもつ人として知られており、プラチャンダが何度も彼をメッセンジャーとしてニューデリーに送っていることは周知の事実である。
一昨日、「首相は絶対に辞任をしない」と一歩も動かなかったKPオリが、最終的に辞任に応じるとマオイスト側に伝えた背後には、統一共産党の60人を超える議員が制憲議会のネムバン議長に渡すために、ネパール首相の辞任を求める書類に署名をする動きを試みた経緯がある。一昨日、議会場でカナル派議員の何人かと直接話しをしたが、彼らの「反ネパール首相感情」は、マオイスト議員と比べても劣らないとういえるくらい強いものだった。
オリを次期首相にするほど、3政党のリーダーは腐っていないと信じたい。しかし、何が起こるかわからないのが、この国の政治である。
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2010年05月31日
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