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忙しくて、ブログのほうの記事がなかなか更新できずにいる。Yahoo Newsのほうに、昨日の首相選挙の記事を書きました。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100927-00000000-asiap-intでご覧になれます。読んで、書いて、人に会っての毎日。とても楽しいのだが、もっと時間がほしい状況です。
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昨日は秋の祭り、インドラ・ジャットラだった。その前日21日に、元国王に絡んでメディアをにぎわした出来事があった。この日はネパール会議派の新党首を選ぶ選挙が開かれていた。たまたま午前中、用事があってラトナ・パークから投票が開かれるアカデミーがあるカマラディに行ったのだが、道路には立候補者のパンフレットが撒き散らされ、3000人を超える総会メンバーだけでなく、大勢の党員が周辺に集まって、スムーズに歩けない状況だった。
同じころ、旧王宮広場のハヌマンドカで、世界ヒンドゥー青年評議会の主催で、元クマリたちが一堂に会するプログラムが開かれた。ヒンドゥー原理主義者で元国王支持者である評議会はこのプログラムの主賓としてギャネンドラ元国王を招待。会場にはネパールにまだ国王が存在するかのように、「シュリ・パンチ・マハラージャ・ディラージ・ビール・ビクラム・シャハデヴァ・サルカール」と書いたバナーを掲げた。このプログラムのことを知った政府は急きょ治安会議を開いて、元国王がプログラムに参加するのを阻止することを決定。民間メディアは、「元国王が武装警察隊によりニルマラ・ニバースに閉じ込められる」(ABCテレビ)、「ハヌマンドカには元国王の参加に反対して、大勢のマオイストが終結」(Kantipur FM)、「政府はダサイン祭まで元国王が宗教的・文化的行事に出ることを禁ずる」(Kantipurメディア)など、それぞれ意味合いの異なるニュースを流していた。
週刊紙Janaasthaによると、ネパール首相はマオイストのプラチャンダに相談したうえで、元国王がプログラムに出席することを禁じたのだというが、内務省の言い分は、ネパール会議派の党総会に大勢の治安部隊を動員したために、元国王の警備のために警官隊を動員できないということらしい。要するに、「警備ができない」ことを理由に、政府が元国王が宗教行事に出ることを禁じたということになる。
元国王とその家族は、このところ宗教的な行事などに活発に参加するようになり、王制復古をねらっているのではないかという疑いの声が出ていた。言うまでもないが、彼らが活発になる背景を作っているのは、だらしがない政党政治家たちである。とくに、元国王派の政治家や国王の親類に近づいて、「文化的国王」の可能性を示唆していると伝えられているプラチャンダの功罪は大きい。
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空気はすっかり秋の気配だが、毎日のように雨が降る。だいぶ涼しくなって過ごしやすくなった。10月半ばに日本に行くことになった。その前にすませなければならない仕事が山ほどある。地方にも取材に行かねばならないのだが、今もハイウェーで土砂崩れが続いている。道路をふさいだ土砂の処理のために、何時間も、ときには何日も待たされることは避けたいので、天候が安定するのを待っているのだが、なかなかモンスーンが終わらない。今日からは秋の祭りのインドラ・ジャットラが始まる。その後にはダサイン祭。いつまでも待っている余裕はないようだ。
プラチャンダは首相レースから降りたものの、ネパール会議派のラム・チャンドラ・パウデルが立候補を取り下げないかぎり、首相選挙は継続し、新しいプロセスに入れない。17日からネパール会議派の党総会が始まったが、マオイストに対しては今よりもさらに“強硬手段”をとるべきという意見がが多いと報道されている。プラチャンダは昨日新政権に関して、ネパール会議派から合意がとりつけられなかった場合、統一共産党とマオイストが中心となる連立政権を作ることを示唆した。もっとも、統一共産党内部ではネパール会議派抜きでマオイストと連立を組む事に関して、オリ派から強い反発が出る可能性が高い。
ネパール会議派の党総会は、党の新しいイデオロギーに関する議論が行われているが、多くのメンバーはこれに関心を示さず、明日の最終日に開かれることになっている新党首、中央委員メンバーの選挙活動のほうに専念しているようだ。この政党は、“頭なし”の烏合の衆の政党から脱却することはできるのだろうか。
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プラチャンダが”首相レース”から外れた。今朝、統一共産党とマオイストのあいだで開かれた党首会談で、マオイストが首相の立候補を取り下げること。ネパール会議派のラム・チャンドラ・パウデルが立候補を取り下げなかった場合、26日の首相選挙で統一共産党は棄権をすること。合意のうえに新首相を決めることに合意し、それに基づいて、今日午後、カトマンズで開かれたネパール会議派の党総会の開会集会でそれを宣言したものである。マオイストが選挙に参加せずに、統一共産党が棄権をするということは、何度投票をしても、パウデルは過半数の支持を得ることはできないということ。つまり、ネパール会議派も立候補を取り下げざるをえないということである。これで無意味な首相選挙に終止符が打たれたことになる。
もう1つのポジティブな動きは、マオイスト軍がその統合・リハビリを決める特別委員会のコントロール下に入ったことである。これは、つまり人民解放軍が党から離れて、政府のコントロール下に入ったということになる。UNMINの任期があと4ヵ月となったことから、特別委員会はようやく真剣に動きだしたということになる。政党間の対立から認可されていなかったマオイスト軍の行動規範なども特別委員会で認可された。ネパール会議派の総会が21日に終わったあと、軍統合の具体的なプロセスに向けて話し合いが始まることになる。特別委員会の下に設置されたテクニカル委員会に、ネパール軍、警察、武装警察隊の代表が加わり、マオイスト軍の管理をするセクレタリアートが設置されることも決まった。UNMINの任期が限られたことで圧力がかかり、このまま和平プロセスがスムーズに進めば良いのだが・・・。
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UNMINこと、国連ネパール政治ミッションは来年1月半ばにネパールを出て行くことになった。政府とマオイストのあいだで現状維持の任務のまま、UNMINの任期を4ヵ月延長することで合意が成立したあと、ネパール政府は「この延長を最後とする」という言葉を添えて国連に書簡を送った。一方、マオイストはこの言葉を入れずに、4ヶ月間の延長を求める書簡を別に送っている。
国連安保理では、イギリスをはじめとするヨーロッパの国は、ネパール政府に国際社会の厳しさを見せ付けるために、“テクニカル・ロールオーバー”として、一月間のみの延長を承認するべきと主張したが、中国はネパール政府の要請を受け入れて4ヵ月間最後の延長をすべきと主張したと伝えられている。最終的に中国の意見が受け入れられたことになるが、これは、来年1月半ばまでに、マオイスト軍の統合・リハビリを終了させるということ。すでに、それが「非常に困難である」ことを懸念する声が上がっている。
国連の決定が覆されることはない。つまり、UNMINがいる4ヵ月のあいだに、マオイスト軍の統合が終わらなかったら、和平プロセスはさらなる危機に陥るということになる。インドと中国の2大国の政治干渉が強くなっているところに、UNMINがいなくなれば、干渉はさらに強まることは容易に想像できる。マダヴ・クマール・ネパールが望んでいたのは、そうした状況なのか。今回のUNMINに関連した一連の対立のなかで、ネパール首相が犯した功罪は大きい。新しく発足する政権が、この罪の代償を払わされることになる。
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