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しばらく、ごぶさたをしているあいだに、カトマンズはすっかり暖かくなった。日中はマーガ月とは思えない気温の高さ。突然の気温上昇に、植物もついていっていないような気さえする。“春”を通り越して、夏になるのだろうか。
さて、ご存知の方も多いと思うが、ネパール政界にも大きな動きがあった。2月3日の首相選挙で、マオイストのダハル議長が立候補を取り下げて統一共産党のジャラナス・カナル議長を支持。7ヶ月間の“空白状態”を経て、ようやくカナルが新首相に選ばれた。しかし、3日の選挙の直前にダハルとカナルのあいだで“極秘合意”が取り交わされたことが明らかになり、カナル新首相は就任早々、党内外から批判を受けることになった。この極秘合意で、カナルはマオイストに内務大臣の席を与えることに合意したとされているが、統一共産党内のKPオリらが、「治安関係の閣僚職をマオイストに譲るべきではない」と主張して、今に至るも組閣されていない。今朝のニュースによると、内務をマオイストに国防を自党がとることでUML側が譲歩する可能性が出てきている。マオイストが内務をとった場合、人民解放軍の元副指揮官でダハル議長の側近である“アナンタ”こと、バルサ・マン・プンが内務大臣に任命されるという、もっぱらの噂である。
今日の英字紙The Kathmandu Postが、今回のカナル政権誕生に関して面白い”秘話”を一面トップで掲載している。UML内のバムデヴ・ガウタムに近い若手リーダー数人が、マオイストのアナンタやパサン、ビプラプことネトラ・ビクラム・チャンダらと何度も会って、インドに操られたネパール首相の政権を打倒する話し合いをしたというものである。記事によると、一月ほど前に、マオイストはすでにカナルを次期首相として支持する意向を伝えていたことになる。私も今年に入ってから、「ダハルとカナルのあいだで何らかの合意が成立している」という噂を複数の人から聞いていた。合意の軸になっていたのは、「インドの影響が少ない政権を作る」ことにあったのだと、この記事は言っている。
この極秘合意になかには、両党が長期的な協力体制を保つことだけでなく、2党が交互に政府を率いること、さらには、軍統合問題ではマオイストからなる別部隊を作るという内容までがある。この合意内容を見ると、カナルには将来的にマオイストを含めた“拡大左翼連合”を作る意図があるのだろうかとも思えてくる。カナルは最初、極秘合意の存在を否定していたが、今になって「これは合意ではなく、一つの“提案”である」などと言い訳をしている。UML内部には、KPオリ、MKネパールなど、マオイストと協力体制を組むことに関して強く反発している勢力もある。そうした連合が成った場合、最も脅威に感じるのは、ネパール会議派とインドである。インドはもちろん、あらゆる手段を講じて、阻止を試みるだろう。現在、組閣が遅れているのは、マオイスト側よりも、UML内部の分裂である。新政権の将来を予測するようなスタートである。
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2011年02月09日
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