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 今日は午前中から最高裁へ行った。ダサイン祭のあいだに政府が報道規制を強化する目的で公布したメディア法とカンティプルFMに関する訴訟で、最終判決までの期間、メディア法執行の中止(stay order)を求める原告側の主張を最高裁が認めるかどうかの決定が出ることになっていた。この訴訟の原告は、ネパール弁護士連合、ネパール・ジャーナリスト連合、ネパール大学教員連合など9つの職業連合、そして、政府からFM放送を東ネパールに送る機器を押収されたカンティプルFMである。被告は国王率いる政府。今日はstay orderに関する判決が出るとあって、いつもよりもさらに大勢の人が傍聴に訪れていた。午前11時に行くと、すでに傍聴券がなくなってしまっていたため、事務室に直接行って、無理を頼んで発行してもらった。法廷に入ると、元法務大臣でネパール統一共産党の幹部でもあるスバス・ネムバンが返答弁論をしているところだった。彼の弁論のポイントの一つは、メディア法を公布したプロセスが違法であるということだ。現憲法では、法律の公布には上院と国会の両方を通過させる必要がある。そのため、国王の‘認可’により公布された法律は憲法に反するという主張だ。最後に弁論に立ったのはネパール弁護士連合のシャムブー・タパ会長だった。タパは政府がカンティプルFMの機器を押収したことを「loot」つまり、「略奪行為」であると表現。大柄な体格から出す大声で、法廷を沸かせた。タパを最後に、ティー・タイムをはさんだ午後2時に判決が出ることになっていた。この段階では、毎日傍聴に来ていた「カンティプル」紙の編集長ナラヤン・ワグレも「弁論を聞くと、圧倒的にわれわれに有利。まちがいなくstay orderが出されると思う」と自信たっぷりに話していた。2時前には傍聴席は満席状態で、判事らの入廷を待っていたのだが、判事らが入ってきたのは3時近くになってからだった。席に着くと、最高裁判事長はマイクを使わずに何かを話した。声が小さくて聞こえないために、傍聴席にいた人が立ち上がり前に行った。中ほどの席にいた私はまったく聞き取れなかったのだが、聞くと、判事長は「(この訴訟を)最優先にする」と告げただけで、stay orderは出さなかったという。予想外の判決だった。これで、最高裁は国王率いる政府が国王の‘認可’により勝手に法律を公布することを認めたことになる。この訴訟の最終判決が出るのはまだ先になるが、ネパール最強の弁護団からなる連日の主張を最高裁が認めなかったことは、これからの国王とその政府のやり方に大きな影響を与えそうだ。

 たった今、午後6時半のカンティプルFMのニュースを聞こうとラジオをつけると、「最高裁の判決を尊重して、‘カンティプル・ダイアリー’の放送を中止します」というアナウンサーの声を聞いた。午前6時半、午後3時、午後6時半と日に3回放送していたニュース放送は、私にとっても重要な情報源だったのだが、これでまた少々不便になった。他のFM局がどういう対応をするのか注目される。

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