Kathmandu Journal

東日本大震災の被災者の方たちの復興を祈って

政党と政治家

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 マオイストが宣言した3ヶ月間の一方的停戦が12月3日に期限切れとなる。マオイストとのあいだで‘同意’を成立させた7政党は、ニューデリーで開かれたマオイスト幹部との話し合いで、停戦延長を要求し、マオイスト側もポジティブな返答をしたと聞いた。停戦が終わる前日の2日、ネパール統一共産党(UML)は、首都カトマンズで大規模なデモ・集会を計画している。政府側が全力をあげて妨害を試みたにもかかわらず、19日にブトワル市で何万人もの人が参加したデモをやってのけたUMLは、2日のデモも成功させるために、すでにその準備を始めている。明後日25日には、ポカラで同様のデモが予定されているが、政府側はこれも何とか妨害をしようとやっきになっているようだ。今日、UMLが送ってきたファックスによると、ポカラの周辺では国王派からなる「ナガリク・サマジ(市民社会)」の名前で、「武器をもったマオイストと同意を成立させるような政党のデモに参加しないよう」呼びかけるパンフレットが配られているという。やはり、UMLの声明によると、西ネパールのカリコット郡では今日、7政党が開いたプログラムを警官が妨害しようと警棒で殴りかかり、29人の負傷者が出ている。

 一方、ネパール会議派はコイララ党首の地元でもあるビラトナガルで、12月3日にデモ・集会を開く計画だが、市当局が同党によるどんな街頭プログラムも禁止するお触れを出した。現在、地方で各党ごとに運動を拡大するキャンペーンをしている7政党は、12月11日から、再び首都圏に戻って合同プログラムを始める予定である。UMLがカトマンズで‘大集会’をする12月2日には、現在、アフリカ諸国を訪問しているギャネンドラ国王夫妻が帰国する。国王の帰国と同時に、7政党の運動は拡大しそうな気配がある。

 西ネパールのドティ郡では昨日、政府側にも停戦を宣言するよう要求して、約8000人もの村人が郡行政局を包囲したと伝えられている。マオイストは先週号の党機関紙「ジャナデシュ」で、停戦破棄の可能性を示唆したが、彼らが党総会を早期に開催する意図だとすると、自身の安全のために、あるいは停戦を延長する可能性もある。いずれにしても、7政党との‘同意’を公表したからには、これまでのような大規模襲撃はしばらく決行しないだろう。マオイストはここしばらく、国内での党総会開催の準備でかなりのエネルギーをとられるはずである。何百人もの党リーダーや人民解放軍のコマンダーらが結集する総会をネパール国内で開催するのは、そう簡単なことではない。安全に関しては、周到な準備が必要なはずだ。

 12日に3週間のインド訪問から帰国したばかりのネパール統一共産党(UML)のマダフ・クマール・ネパール総書記が今日午後、再びニューデリーに発った。UMLの党員が運営しているnewslinenepal.comによると、UMLのトップ幹部の一人、K.P.シャルマ・オリも今日午前中、ニューデリーに発ったという。オリは、先日のネパール総書記のインド訪問にも同行している。ネパール駐在インド大使のシバ・シャンカル・ムケルジは今朝、ネパール総書記と会見しているが、この会見と関係しているのか。むしろ、10日からニューデリーに滞在しているネパール会議派のコイララ党首とともに、マオイストの党首プラチャンダらと会見するのが目的ではないのかという憶測が正しいのだろう。7政党のなかに含まれるネパール・サドバワナ党(アナンダ・デビ派)の幹部リデシュ・トリパティも、またUMLとマオイストのあいだを取り持ったネパール共産党(エクタケンドラ・マサル)の総書記プラカシュも現在、ニューデリーにいる。さらに、昨日、ネパール総書記と会見した、ネパール駐在のモリアティ米大使もニューデリーに行ったらしい。米大使はともかく、政党リーダーたちがマオイストのトップ幹部と会見するためにニューデリーにいったのは間違いない。SAARCサミットでギャネンドラ国王と会見したインドのマンモハン・シン首相とコイララ党首らの会見も予測される。

 今日発売の「ジャナデシュ」によると、マオイストの党首プラチャンダとバブラム・バッタライらは、ロルパでUMLのバムデブ・ガウタムとの会見を果たしたあと、バイティカの翌日、つまり今月4日にダン郡を通ってインド側に入ったという情報が王室ネパール軍に入り、軍はこの情報を国王の留守を守るパラス皇太子に伝えたのだという。ロルパあるいはピュータンから、ダン郡に入り、インド国境近くのジャングルを通ってインドに入るルートは、プラチャンダらマオイストのリーダーが頻繁に使うルートだと聞く。しかし、インドの土地を平気で使う政党リーダーたちの神経はどんなものなのだろう。

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 毎日、コミュニストばかりを追いかけているわけではないのだが、このところマオイストに関連した情報を追ううちに、ネパール統一共産党(UML)のメンバーと顔を会わせることが多くなっている。今日は、UMLが全国で展開している「Democratic Awakeing Campaign」の一環として、バルクーにある党本部で開かれた全国大会の開会式を見に行った。党幹部から各郡の党責任者、学生組織をはじめとする各組織の代表まで、453人の党員が集まった党大会が明日までの2日間開かれる。UMLのリーダーと話しをしているときには、彼らが‘コミュニスト’であることを意識することはあまりないのだが、開会式で壇上に立つリーダーが皆、右手を上げてマオイストと同じあいさつである「ラール・サラーム!」をするのを見ると、「ああ、彼らもコミュニストだったのだ」と再認識する。今日はさらに、開会式のはじめに、UMLが「インターナショナル」のネパール語版を歌うのを聞いた。とはいっても、歌詞を知らない人もいるのか、生の歌声はあまり聞こえず、録音したテープの音ばかりが聞こえてきた。

 UMLの今日の大会の演説のなかで、20日間にわたるインド訪問から戻ったばかりのマダフ・クマール・ネパール総書記は、マオイストとUMLの合意に関して、「マオイストはわれわれが出した3つの条件、つまり、異なる意見をもつ人たちに対して行ってきた彼らの行動が誤っていたことを公に認めること。制憲議会の結果を受け入れること。以上2点を含めた事に関して党決定をすることを受け入れた。人民共和制の実現をあきらめて、民主的共和制を受け入れることを決めたマオイストの態度の変化は歴史的なものだ」と、マオイスト側の譲歩を歓迎。一方、国王に関しては「国王はやりたい放題のことをしている。国王の行動を見ていると、この先、問題は解決するどころか、ますます危険な状況になる」と懸念を表した。一方、ロルパでマオイストのプラチャンダ党首と‘歴史的会見’をしてきた話題のバムデブ・ガウタムは、UMLが立憲君主制に戻ることはありえず、国王が政党側にどんな申し出をしても、民主的共和制を求めていくことを強調していた。

 昨日カトマンズで開かれた「民主主義と平和のための運動」のデモ・集会は、一応見に行ったのだが、少々落胆したために、ブログではレポートしなかった。まず、参加者の数がこれまでの集会に比べてかなり少なかった。そして、集会の内容がマンネリ化しており、聞いていて興味を覚えなかった。毎回歌われる左翼系歌手‘ラメシュ’の歌も、こう何度も聞いていると、「仲間うち」でやっているような雰囲気が気になって、むしろ距離をおいてみたくなる。市民グループも、こうした集会を開くだけでは、一般市民の心をひきつけておくのは難しいかもしれない。毎回、同じ顔ぶれではなく、「新しい顔」と、「新しい話し」が必要だと思う。

写真は、今日のUMLの大会で、「インターナショナル」を歌うUMLの「トップ4」。右から、ジャラナス・カナル、バムデブ・ガウタム、マダフ・クマール・ネパール、K.P.シャルマ・オリ。

 ネパール統一共産党(UML)のバムデブ・ガウタムに続いて、ネパール会議派のスシル・コイララ副党首が‘ロルパ入り’を果たした。英字紙「The Himalayan Times」によると、コイララ副党首らは昨日、マオイストのbase areaロルパ郡のスレチャウル・バザールで集会を開いた。マオイストが人民戦争を開始した当初から最大のターゲットとされてきたネパール会議派が、ロルパの郡庁所在地以外で政治集会を開いたのは約5年ぶりのことだという。UMLとは別に、ネパール会議派も全国各地にリーダーを送り込んで集会などを行うキャンペーンを始めた。その最初の試みとして、ナラハリ・アチャルヤが10月23日から10日間、やはりマオイストのbase areaであるルクム、サリヤン、ジャジャルコットの3郡を訪れ、集会を開いた。アチャルヤは8月に行われた党総会で、ギリザ・プラサド・コイララ党首に挑戦して党首選に立候補。選挙に破れはしたが、ネパール会議派の‘国王’コイララにただ一人で挑んだスピリッツは、「ネパール会議派のなかにも革新を求めるリーダーが少なくとも一人はいるのだ」ということを教えてくれた。最近の政治展開について、いろいろと聞きたいこともあり、今日午後、マハラジガンジにあるアチャルヤの自宅を訪ねた。

 ナラハリ・アチャルヤは1990年民主化運動のときにも、大学教員という職業人として運動に大きく貢献している。職を離れて政治家となってからは、同党内ではっきりとした意見を表明できる数少ないリーダーとして独特な立場を築いてきた。2001年の王宮事件の直後には、「カンティプル」紙などを通じて、国王の権限を削減すべきだという意見を表明し、コイララ党首の怒りを買い、党スポークスマンから解任された。その後も、マオイストの要求である「制憲議会選挙」を主張し、2月1日の政変以降は、「共和制支持」の態度を明確に示して、党内ラディカル派の筆頭として知られている。

 私の最大の興味はもちろん、アチャルヤがマオイストのbase areaで彼らと接触したか否かにあったのだが、彼の話によると、ルクムでマガラト自治区人民政府のメンバーと会った以外には直接の接触はなかったと言う。アチャルヤらは西ルクムにあるアトビスコット村で集会を開いた。3000人を超える村人が参加して、200人ほどのマオイストも集会を聞いていたという。アチャルヤが演説をしている最中に、マオイストが「われわれを批判しないでほしい。古いことは忘れて、新たな協力関係について話してほしい」というメモが届いたという。アチャルヤのちょうど1週間前にロルパに入ったUMLのバムデブ・ガウタムは、マオイストのトップ・リーダー(党首プラチャンダ)と会っているが、アチャルヤには接触してこなかったようだ。おそらく、UMLが「民主的共和制」の方針をとることを党決定したこともあるのだと思うが、マオイストはネパール会議派よりもUMLとの距離を縮めているようだ。

 7政党の運動について、アチャルヤは「不満」を表明した。「7政党は‘ジャナ・アンドラン(民主化運動)’と言っているが、今の状況では‘運動’といえるほどの広まりはない。一般の人たちの支持もないし、党側の指示で‘プログラム’をしているにすぎない」と言う。最大の問題は、「運動の明確な目的を示すことができないでいることだ」と話す。とくにネパール会議派が、「国王の特権を削減すべき」と言うだけで、「国王が必要なのか否か」、つまり王政をとるか共和制をとるかについて、いまだに明確な態度を示せずにいることが問題だという。UMLのリーダーもネパール会議派のリーダーも、共和制の声を上げるとインドや英米政府が政党への支持を取り下げるのではないかと恐れているのではないかと話す。

 ダサイン・ティハール祭の‘休み’をとっていた政党は12月10日までは、郡部での活動を中心にしており、首都圏での合同プログラムは来月10日以降にならないと始まらないらしい。UMLは今月19日にブトワル市で「10万人デモ」を計画しているが、ネパール会議派にはそうした大きなプログラムはない。アチャルヤが言うように、これでは確かに‘民主化運動’をしているとは言えない。

 昨日、米政府がカトマンズの米大使館を通じて、マオイストと7政党のあいだで‘共闘'の可能性が出てきたことを‘懸念’する声明を出した。マオイストを‘テロリスト’指定している米政府はかねてから、民主化運動を進める主要政党がマオイストとではなくて、国王と対話をして和解すべきだという見解を明らかにしており、昨日の声明もその繰り返しと見ることができる。しかし、ネパール統一共産党(UML)のリーダー、バム・デブ・ガウタムが同党とマオイストのあいだで正式合意が成立したことを明らかにした直後のこの声明が、7政党の出鼻をくじく目的で発せられたものであることは明らかだ。米政府のこの‘懸念’に対して、さまざまな政党リーダーが今日、いろいろと異なる見解を表明した。午後7時に放送された「カンティプルTV」によると、まず、UMLのガウタム自身が、バクタプルで開かれた党のプログラムで記者団に向かって、「国王に歩み寄るつもりが全くない以上、絶対王政を打倒するためには、マオイストと共闘する以外に道はない」と、積極的な‘共闘論’を主張。一方、ネパール会議派のスシル・コイララ副会長は同TVのインタビューに対して、「武装闘争を止めないかぎり、マオイストとの共闘はありえない」と話していた。国民民主党のディーパク・ボハラは同TVに対して、「政党は国王との話し合いを通じて解決の道を探るべき」と米政府の声明を歓迎する姿勢を示した。さらに、ネパール会議派内の‘ラディカル派’ナラハリ・アチャルヤは、今日自宅で記者会見を開いて、「米政府は国王が孤立化するのを望んでいない」と、アメリカが国王を救う目的でこの声明を出したのだという考えを明らかにしている。

 徹底して‘コミュニスト’を嫌う米政府は、マオイストがネパールの政治のメイン・ストリームに入ることに我慢がならないのだろうか。前にも書いたが、マオイストの指導層は7政党との対話を通じて、何とか議会政党の仲間に入りたがっている。そのためには、彼らがさまざまな点で妥協をする可能性が高い。ネパールのマオイストはアメリカが考えるほど、ファンダメンタリストではない。7政党は2月1日以降の国王のやり方を見て、国王には妥協の余地がまったくないと認識し、マオイストよりも絶対王政を布いた国王のほうが、国家にとって大きな脅威を考えてマオイストとの歩み寄りを試みている。とくに、ネパール会議派には、ここにきても国王に‘甘い’幹部がいるが、少なくとも、UMLや人民戦線ネパールは「国王と歩み寄る余地はなし」という結論を出している。米政府はネパール政治の現実を理解していないのだろうか。

 7政党はダサイン祭の前に開いたトップ会議で、マオイストとのあいだの対話に関して、ネパール会議派のコイララ党首とUMLのネパール総書記に‘全権'を与えた。このうちネパール総書記は約2週間前からインドを訪問しており、まだ帰国していない。ネパール総書記が、インドでマオイストの幹部と会見したことはすでにさまざなまメディアで伝えられているが、コイララ党首も来週、ニューデリーを訪問することになった。インドのマンモハン・シン首相らと会見する予定だと伝えられているが、真の目的がマオイストのリーダーと会うことであることはまちがいない。米政府がなんと言おうと、両者のあいだの対話は着々と進んでいる。

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