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29日の「共和制記念日」に、大統領の名前で約260人のネパール国民に勲章が授与された。こうした慣習が、パンチャーヤト時代に国王が王室の“お気に入り”に勲章を与えた慣習に酷似していること。そして、今回の授与者の人選が不透明で公正ではないことから、四方から批判を受けている。
勲章授与者の名前を見ると、この政府がどんな性格のものであるかが一目瞭然である。昨日のKantipur紙によると、閣僚が自身の親類を推薦したり、大勢の政府役人が自薦をして選ばれている。さらに、最も強い批判を受けたのは、共和制にちなんだ勲章であるにもかかわらず、この国が共和制になるきっかけとなった、2006年4月の民主化運動を弾圧した警察高官が含まれていることである。2006年の4月運動のとき、カトマンズのガンガブで自らデモ隊に発砲をした警官まで選ばれている。
4月運動の犠牲者の家族らはこうした人選に抗議をして、今日、カランキでデモをしている。さらに、最高裁の判事長も、司法評議会に相談をせずに、4人の判事に勲章を授与したと昨日、政府に抗議の書簡を送った。人選の仕方が不透明であるとして、勲章を辞退した人もいる。国民的人気のコメディアンの2人「マ・ハ」や、ジャーナリストのユバラジ・ギミレ、カナクマニ・ディチット、そして、医師で詩人のマヘシュ・マスキも辞退を公にした。
授与者の人選をしたのは、ガッチェダール副首相とビム・ラワル内務大臣が率いる委員会である。2人とも現内閣のなかで“最右翼”を占める閣僚だ。何とも権威のない勲章になってしまった。
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予測はしていたことだが、ネパール首相がいつ辞任するかで、マオイストとネパール会議派・統一共産党のあいだで全く異なる解釈がされている。一昨日夜、KPオリはマオイスト側に「ネパール首相を5日以内に辞任させる」と約したと報じられており、マオイスト側はこの件で合意が成立していると主張しているのに対して、他の2政党は、軍統合問題やYCLの解決問題、占拠した土地の返却問題などで包括的合意が成立するまでは首相は辞任をしないと言っている。これは、一昨日の合意前とまったく変わらない態度である。
一昨日夜の土壇場劇で、マオイスト側はKPオリの言葉は信頼できないことを知って、任期延長を受け入れることを決めたのだろう。さまざまな記事を読むと、プラチャンダは一昨日、すでに任期を延長しないことを心に決めていたが、バブラム・バッタライの強い主張を受け入れる形で、最終的に実質的な“無条件受け入れ”に応じたようだ。英字紙The Kathmandu Postの報道によると、KPオリとマオイスト側との土壇場の交渉で、オリを次期首相とする“秘密合意”が成立したという。オリは制憲議会選挙で落選しているが、統一共産党の比例代表議員を辞任させて、空いた席にオリを任命する動きがすでに始まっているという。もっとも、今回、ネパール首相に強く辞任を迫ったカナル党首派はこれに反対をしているという。今回の交渉でオリが暗躍したことを裏付けるかのうように、オリは今日ニューデリーに発っている。
一昨日の交渉で、インドが直接干渉をしていたことは、話し合いが行われていた部屋に朝からずっと、アムレシュ・クマール・シンがいたことからも明らかである。私も一昨日、この部屋に入ったある議員から目撃談として聞いたことだが、シン自身が合意書を書いていたという。シンはネパール会議派だが、トップ政治家の交渉の席に同席するほどの地位がある政治家ではない。インドの政界とサウス・ブロックに太いパイプをもつ人として知られており、プラチャンダが何度も彼をメッセンジャーとしてニューデリーに送っていることは周知の事実である。
一昨日、「首相は絶対に辞任をしない」と一歩も動かなかったKPオリが、最終的に辞任に応じるとマオイスト側に伝えた背後には、統一共産党の60人を超える議員が制憲議会のネムバン議長に渡すために、ネパール首相の辞任を求める書類に署名をする動きを試みた経緯がある。一昨日、議会場でカナル派議員の何人かと直接話しをしたが、彼らの「反ネパール首相感情」は、マオイスト議員と比べても劣らないとういえるくらい強いものだった。
オリを次期首相にするほど、3政党のリーダーは腐っていないと信じたい。しかし、何が起こるかわからないのが、この国の政治である。
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昨日は午前11時から午前1時まで、制憲議会の会議場で過ごした。何ともスリリングな1日だったが、最終的に制憲議会の任期を1年間延長することが議会で認可された。議会は午前8時から始まる予定だったが、主要3政党がぎりぎりまで合意を求めて会議場内にある部屋で交渉を続けていた。議員や報道関係者は、夜まで合意を待って会議場内で過ごした。14時間も待ったことになるが、待つ間に、さまざまな政党の議員や各紙の記者仲間といろいろな話をして、あっというまに時間が過ぎてしまった。
マオイストの議員と話をすると、大半が任期延長に関して、悲観的であるのに、バブラム・バッタライの秘書が、自信たっぷりに「まちがいなく任期は延長される」と答えていたのが興味深かった。午前中の交渉で、ネパール首相は辞任をすることに合意したという情報がメディアにもれてきていたのだが、マオイスト側が「いつ辞任するか」を合意書に明記すべきと主張したのに対して、首相側はこれを拒絶しつづけた。結局、首相辞任に反対をしてきた統一共産党反主流派のリーダー、KPオリがプラチャンダに「5日以内に首相を辞任させる」と約したあと、午後10時すぎに任期延長で合意が成立して、午後11時40分に議会が始まった。
3政党の合意書には、結局、首相辞任の期限は明記されなかった。マオイストが求めてきた条件に関しては、具体的な記述はまったくない。つまり、マオイストは最後の段階で、無条件で任期延長を受け入れることに譲歩したといっていい。プラチャンダはまたしても、バブラム・バッタライの方針に従ったことになる。もっとも、これだけ党外から強い圧力がかかるなか、彼らにこれ以外の道があったとも思えない。
ネパール首相は5日以内に辞任を表明すると約したということになっているが、これはあくまでも口約束である。首相は月曜日に議会で演説をすることになっているが、この演説で辞任を表明するという噂もある。首相が辞任に応じざるをえなかった経緯には、カナル党首を含めた統一共産党の議員から辞任を求める強い要請があったことも事実である。 カナル党首は3政党の合同会議の席でも、首相に辞任を迫ったという。ネパール首相が来週、本当に辞任をすれば、「両者(首相とマオイスト)が負けないような結果に」という主要3政党の試みは成功したことになる。まさか、ここまできて、ネパール首相が裏切ることをするとも思えないが、何が起こるかわからないのがネパールの政治である。
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日刊紙Nagarikによると、主要3政党は制憲議会の任期を延長して、その後、包括的合意を成立させるプロセスに関して“極秘合意”をしたという。そのプロセスとは、マオイストは首相の辞任を任期延長の最初の条件としないこと、一方、ネパール首相は今日の暫定立法府の会議で、辞任を公にするというものである。しかし、この合意にネパール首相が同意しているのかどうかは不明である。今朝になり、マオイストは常備委員会議を再度召集、統一共産党は議員会議を開いている。マオイストの最中決定と、首相辞任に反対しているKPオリ派がマイノリティである同党の議員が、どんな決定をするのか注目されている。
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昨日のマオイストの常備委員会議の決定で、一つだけどのメディアも報じなかったことがあったようだ。それは、制憲議会の任期延長に関する最終的な決定権をプラチャンダ党首に与えたことである。したがって、最後の最後で、マオイストが“無条件”で任期延長を受け入れて国民を驚かすという可能性がまだ残っている。今日の日刊紙Nagarikがそれを示唆している。いずれにしても、マオイストは任期延長を受け入れるしか道がない。最後のどんでん返しが起こることを期待したい。
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