|
政党のリーダーたちは、それぞれが勝手なことを言っている。保守的なことでは、「国王政府の情報通信大臣を務めたカマル・タパを超えた」と噂されている、統一共産党のシャンカル・ポカレル情報通信大臣は今日、「制憲議会は2年間で憲法を制定すべきというのは、国民が下した決定(mandate)ではない。政党が決めたことだ」と話した。だから、政党は勝手にいくらでも制憲議会の任期を延長できるということである。何とも、驕った考えである。かつて、学生組織のリーダーだったポカレルは私がよく訪れるダン郡の出身だが、制憲議会選挙では小選挙区から立候補せず、比例代表で議員になった。こんな国民(選挙民)を馬鹿にした発言ができるのは、ポカレルが直接選挙で立候補して当選したのではなく、比例代表で容易に議員になったからだろう。ポカレルはさらに、制憲議会が解散になっても、暫定立法府と政府、大統領は継続して存在することになる。したがって、暫定立法府が認可すれば、いつでも制憲議会を復活することができると発言した。したがって、制憲議会が解散になっても「慌てることはない」という感覚で言っているように聞こえる。大臣になってから、事態の深刻さがわからないほど、この人の政治感覚は鈍ってしまったのだろうか。
ネパール首相はイギリスのFinancial Times紙のインタビューのなかで、EU各国の大使らが、マオイストを含めた合意の政府を樹立するよう圧力をかけていることに関して、強い嫌悪の情を表しながら、「いかなる外国の干渉にもがまんはできない」と発言した。「インドの操り人形」であることが周知の事実となっているネパール首相が、インドからの強い干渉にはまったく触れずに、欧米からの干渉を批判したことが「笑止千万である」と、昨日も触れたブログ「Mysansars」の記事にあった。もはや、まったく恥のなくなった首相の発言である。このインタビューを読んで、最も喜ぶのはインド政府であろう。
|
ダイアリー
[ リスト | 詳細 ]
|
5月28日に向けてのカウントダウンは11日となった。政府は今日、制憲議会の任期を1年間延長するための暫定憲法64条の改正案を提出した。暫定立法府でこの改正案が認可されるには、3分の2以上の議席の賛同が必要である。したがって、3分の1以上の議席をもつマオイストの協力が不可欠となるわけだが、マオイストはネパール首相が辞任しないかぎり任期の延長は認めないという姿勢を変えていない。マデシ・ジャナアディカール・フォーラムを含む野党9党も、マオイストと同様の方針でいくことを表明している。
統一共産党のカナル党首は今日、「11日のあいだに、“奇跡的な”合意が成立する」などと発言しているが、何を根拠にこんなことを言うのか理解できない。同党の副党首であるバムデヴ・ガウタムは、ネパール首相の辞任を求める声明を出したことが原因で、党から処分されることになった。自己批判を求められているが、ガウタムは「自分のしたことは間違っていない」と主張している。離党の噂もある。どう見ても理にかなった主張をしているガウタムが党から処罰され、包括的和平協定に反する発言を繰り返してきたもう一人の副党首ビデャ・バンダリ国防大臣が処分の対象とならない事実が、今の統一共産党内のモラルの崩壊を示している。この政党は、次の選挙で間違いなく、さらに後退することになるだろう。
ネパール人に任期のブログ「MySansar (http://www.mysansar.com/)」に、「マダヴ・ネパールはサイになったそうな!」という記事があった。最近のネパール首相の厚顔無恥な態度を揶揄して、ネパール首相の顔は“サイの皮膚”のように厚くなったというものである。この記事にコメントを書き込む人の大半は「反マオイスト派」だが(つまり、特定の政党とは関係のない一般人ということ)、これだけ政権取りに失敗していながら、まったく辞める様子がないマダヴ・クマール・ネパールは「辞任をすべきだ」と、うんざりしたコメントを書き込んでいる人が極めて多いのが面白い。「選挙に負けた首相は、やはり選挙に負けたアドバイザー(ラグジ・パンタのこと)を側近にしている」と鋭いところをついたコメントもある。ネパール首相よ、国民はあなたが思っているよりもずっと賢いのだということに、一体いつになったら気づくのでしょうか?
|
|
主要3政党の方針がほぼ固まってきた。マオイストは今日開かれた政治局会議で、5月28日までに首相が辞任をせずに、多数決の政治から合意の政治に方向を転換しなかった場合、5月29日の共和制記念日に、“人民憲法”を宣言することを決めた。一方、ネパール会議派の中央委員と議員の会議では、主要政党のあいだで包括的合意が成立した場合にかぎって、制憲議会の任期を1年間延長するという意見が多くでている。現在の統一共産党主導政権は失敗に終わったとして、次期政権はネパール会議派が率いるべきという主張もでた。統一共産党は、昨日、カナル党首が出した、マオイストが軍統合問題などについて、実行の期限を約した書類に署名をした場合、合意に基づく政府の樹立に応じるという提案を認可している。この提案書には、なぜか、ネパール首相に辞任に関してはまったく触れられていない。
さて、これらの動きから予測できることだが、まず、5月28日までに包括的合意が成立する可能性は低い。プラチャンダは柔軟な姿勢を見せようと試みているが、とくに、マオイスト軍の統合問題に関して、容易に合意が成立するとは思えない。つまり、制憲議会の任期は延長されない可能性が高いということである。では、その後どうなるのか。一つの可能性を昨日のブログで書いたが、非常事態宣言を発令して、制憲議会の任期を6ヶ月間延長するというオプションがある。あるいは、自動的に議会が解散されたあと、政党間の合意のもとに選挙をやり直すのがもう一つのオプション。そして、すでにシャンカル・ポカレル情報通信大臣が示唆しているように、議会が解散されたあとも、大統領と現政府は継続して、現在のマオイストとの対立がずるずると続く状況もありうる。2番目のシナリオは、今でさえ合意成立ができないのであるから、容易に選挙やり直しをマオイストガ受け入れるとも思えない。他の二つのシナリオの場合、マオイストが街頭運動を強化して、再び紛争に突入する可能性が高い。つまり、主要政党は何としてもここ数日内に合意を成立させないかぎり、ネパールはマオイスト対反マオイストの対立がますます深まっているということである。その先、どうなるかは予測もつかない。政党リーダーには、何としてもこの危機を乗り切ってほしいものだが、正直いって、あまり希望を抱けないのが現状である。
|
|
5月28日まで、残すところ13日となった。最大与党のネパール会議派と統一共産党は、制憲議会の任期を延長することで党内が“ほぼ”一致している。両党内の“強硬派”やマデシ・ジャナアディカール・フォーラム(民主)のガッチャダール副首相、旧国王派政党の国民民主党ネパールは、むしろ議会解散を望んでいる。問題は、議会の3分の1以上の議席をもつマオイストだが、ネパール首相が辞任をしないかぎり、制憲議会の延長には応じない方針を決めている。今日になって、ウペンドラ・ヤダヴのマデシ・ジャナアディカール・フォーラムや他の8つの小政党が、マオイストと同じ立場をとることを決めた。これら10政党は、今後、マオイストと結束した行動をとることも決めている。
一方、ネパール首相は辞任をしない姿勢から一歩も引く気配がない。つまり、このままの状態が続けば、政府が出した任期延長のための暫定憲法改正案は通過せず、制憲議会は29日に自動的に消滅するということになる。その後、どうなるのかという疑問がわくが、一つの可能性として、大統領の要請のもとに政府が国家非常事態宣言を発令。暫定憲法にある「非常事態宣言発令下では、制憲議会の任期を6ヶ月間延長できる」という条項を利用して、議会を6ヶ月間延長するというシナリオが考えられる。そうなった場合、マオイストは街頭運動を始めることになる。今日、ポカレル情報通信大臣が発言したように、現政府は29日以降も継続することになる。つまり、何の解決もないこのままの状態がさらに何ヶ月間か続くということである。非常事態が発令された場合、ネパール軍が出てくる可能性もある。それは包括的和平協定に反することだ。つまり、その時点で和平プロセスは終わったということである。
と、かなり悲観的なシナリオを書いたが、首相の辞任に関して、マオイストが譲歩をする可能性は低い。一方、インド政府が方針転換をしないかぎり、ネパール首相は辞任をしない。今日から、統一共産党の中央委員会議が始まったが、今のところ、同党が首相辞任の方針決定をすることが唯一の希望である。さあ、UMLは明日、どんな結論を出すのだろうか。
|
|
マオイストはこの1週間のあいだに、重大な決定を下さなければならない。すでに党決定をしているのでれば、それを行動に移してみせなければならない時が迫っている。それは、他でもない、マオイスト軍の解体問題である。一昨日のカトマンズ市民とのプログラムで、プラチャンダはマオイストの武装勢力を解体するプロセスを提示してみせた。まず、6月14日までに駐屯地にいるマオイスト軍のメンバーを「治安部隊に統合されることを希望する者」と「社会へのリハビリを希望する者」に分けて、それぞれ別々のキャンプに移動させる。そして、UNMINの任期が切れる9月15日までに、彼らの統合・リハビリのプロセスを終了させるというものである。他党から解体が求められているもう一つの組織であるYCLに関しては「数日間で全国のYCLのキャンプを空にする」と話していた。
プラチャンダが党決定に基づいて、こう話したのであるとすると、マオイストは軍統合に関して、大きな方針転換をしたことになる。党中央委員会が決めた方針は「新憲法ができるまで、マオイスト軍は統合しない」だった。プラチャンダが話したことは、新憲法ができる前にマオイスト軍の解体に応じるということである。
人民解放軍はマオイストにとって最後の切り札である。しかし、この武装勢力のために、他党はマオイストを信頼しきれていない。主要3政党は6つの包括的合意を試みているが、このなかで最大のネックとなっているのが、この軍統合問題だ。ネパール会議派も統一共産党も、「マオイストが軍統合を終了させて、ナガリカ・ダル(市民政党)とならないかぎり、マオイストが合意の政権を率いることは受け入れられない」と繰り返し言っている。マオイストはこれまでで、最も“痛い決定”を迫られている。しかも、彼らが和平プロセスを継続するつもりであれば、これは避けては通れない決定でもある。
|




