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先週から、姪っ子が、水疱瘡で幼稚園に行けないために、 また、下の子にうつしてはいけないので、うちで預かっている。 これは、まるで、夢のような話なのだ。 まだ姪っ子が赤ちゃんだった頃は、本当によく会わせてもらっていた。 でも、わたしと姪っ子のお互いへの執着ぶりが異常で、 帰り際は、必ず、お互いおお泣きして別れた。 車でたった20分程度の距離に住んでいるのに。 まるで恋人同士のようだ、と、誰もが言った。 姪っ子は、わたしと一緒にお風呂にはいるのが好きで、 まだ4歳ぐらいだったある日、 「ネロリちゃん、いっしょう、いっしょに、いきていこうね」 と、まるで、プロポーズのようなことも言ってくれたりした。 その頃のわたしは、うつ病の状態が最悪で、 寝たきりでいたことしか記憶がない。 そんな廃人のような生活の中、姪っ子は常にわたしを必要としてくれ、 生きる意味を与えてくれ、まるで太陽のようだった。 妹に下の子が生まれたころから、妹は精神的にとても不安定になってしまった。 妹がネットショップを立ち上げたのもその頃なので、その大変さも手伝って、 わたしや、両親や、まわりの人間すべてを避けるようになってきた。 母とは、顔を合わせるたびに大喧嘩になった。 わたしに対しては、姪っ子を奪おうとしている、と責めた。 また、わたしがうつ病になったことが恥ずかしいから、付き合いたくない、 軽蔑している、と、はっきり言われたこともあった。 だんなさんは、大手の企業で役職を持ちながらも、 愚痴ひとつ言わず、家事、育児、全部をこなして、 それでも妹と喧嘩になり、 家を出て、幾度も会社に寝泊りしている。 妹は、仕事をしているとき以外は、ほとんど寝たきりに近い様子だ。 もともと友達もいないし、近所づきあいや、ママ仲間とも交流がないので、 常に孤独だと思う。 なので、実家にいるわたしだけが、両親から大事にされている、と、 何度も責められたし、今でも恨まれている。 去年あたりは、関係が最悪で、 母からの電話やメールはすべて着信拒否にされ、 一方的に、殴り書きの怒りのファックスが毎日のように届いた。 うちに夜遅く怒鳴り込んできて、催涙スプレーのようなものを 撒いて帰ったのも去年の秋ぐらいだった。 どう考えても、病院に連れて行くべきだということになり、 あらゆる手段を尽くしているけれども、本人がどうしても 行きたがらないので、なんとか妹を刺激しない方向で、 という感じで、今に至っている。 そんな中、やっぱり放っておくことができず、 先週、思いきって、母とわたしは妹の家を訪ねた。 以前、玄関を開けてもらえず、家の2階の窓から、帰れと大声で 怒鳴られ、わたしは2回ほど寝込んでしまったことがあるので とても怖かった。 すると、まったく期待はしていなかったけれども、少し機嫌がよく、 一緒に買い物や食事に行って、その日から1週間、姪っ子を預けてもいい、 と言ってくれたのだ。 わたしは姪っ子に、ひさびさに会えた喜びで、 もう泣きそうだった。 そして、姪っ子は、母親に聞こえないように小さな声で、 「これって、夢じゃないよね?」 と言ってくれた・・・・。 そして、うちに泊まり始めて3日ほど過ぎたころ、 妹から電話があった。 姪っ子は、電話に出たがらなかったが、そういうわけにもいかないので しぶしぶ話を始めた。 すると、姪っ子は 「うん、いえにかえりたい」 と、言ったのだ。 わたしは、耳を疑った。 今まで、どんなことがあっても、 「ぜったいかえりたくなくない」 と、両親を困らせていたのに。 わたしと一緒にいるときがいちばんしあわせだと言ってくれたのに。 もう、それを聞いてからのわたしは、パニック状態になってしまった。 裏切られた、嫌われた、離れていく。 姪っ子も泣きながら、 「ママに『かえりたくない』というと、ぶたれるから。 だからネロリちゃん、ごめんね、ごめんね」 と必死に言ってくれている。 でも、その言葉がもうどうしても信じられなかった。 お互い、タオルで涙を拭きながら、テーブルに突っ伏して泣いた。 もう、そのとき、わたしは、死ぬことを決意した。 ひとを信じた自分があまりにも馬鹿だと思ったし、 妹のこどもに、ここまで執着している自分には先がない、と思った。 薬をいれている箱をひっくり返し、本気で死のう、と思ったとき 母が、外出先から帰ってきて、姪っ子とわたしのただならぬ様子に 驚き、わたしを叱り、我にかえった。 「おねがいだから、しなないで」 そんなふうに、たった5歳の姪っ子に言わせてしまったわたしは、 本当に屑でどうしようもない人間だ。 それから5日間、また仲良くしている。 いつものように、ベッタリとわたしのそばから離れない。 時々、姪っ子がわがままを言ったりすると、うちの母が 「じゃあ、パパにむかえにきてもらうからね。 いい子にしてる、って約束で、うちにお泊りしてるんだから」 と脅かすと、とたんに 「やだ、やだ、おねがいだからやめてーーー」 と、おりこうになる。 すべてが元に戻ったようにも思えるけれど、
わたしは、本当にひどいことをしてしまったんじゃないか、 姪っ子のこころに深い傷を残してしまったんじゃないか、 と、とても心配になる・・・。 |
姪っ子についてのお話
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わたしには「運命のひと」がいる。 数年前、結婚を約束していたひとがいた。 彼は、恋人でもあり、父でもあり、親友でもあり、 兄弟のようでもあり、空気のような存在であった。 そんなすべての役目を担ってくれたことが、 あまりに自然すぎて、日常になりすぎて、 彼の大切さが見えなくなってしまっていた。 彼と別れたときの自分は、想像を遥かに超える壊れようで、 何人もの友達に毎日のように話を聞いてもらい、 食事ものどを通らず、眠ることもできず、 そして「占い」にも行ってみた。 そして、結果、何人もの評判のよい占い師に、まったく同じ事を言われた。 「2001年に『運命のひと』と出会えるから安心するように」 「手相に、あなたの想いはもちろん、相手の強い想いまではっきりと出ている」 「世の中のうまく行っている恋人たちのうち、10組に1組しかいないぐらいの相思相愛」 そして、待ちに待った2001年。 どんな素晴らしい出会いがあるのか、あらゆる場面を想像(妄想?)して、 わたしは絶好調に盛り上がっていた。 でもそれは、想像していたような、 白馬に乗った白いタイツの王子様ではなかった。 赤ちゃんだったのだ。 妹のこども。 しかも、女の子。 考えてみれば、 妹のおなかに入っている頃から、 自分も周囲も驚くほどの 尋常じゃない期待感でいっぱいで、 子供服やおもちゃを次々に買いそろえた。 妹のおなかのエコー写真を見るだけで、涙が出そうなほどうれしかった。 2001年の出会いと言えるのは、どう考えてもこの姪っ子だけだった。 紹介してもらったり、友達になった男子はいたけれど、 「運命」という感じではなかった。 でも、まさか、姪っ子が、わたしの「運命のひと」だったなんて・・・・。 正直言って、王子様じゃなかったことに、がっかりする自分がいた。 のちの人生で、姪っ子がわたしの命を助けてくれることも知らずに。
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