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こんばんは。 またしても更新サボり勝ちになってきてしまいました。(汗) 今日こそ!と思っていても、気が付いたら次の日になっていた、―ってコトばかりの今日この頃です。 先日掲載した包丁の柄ですが、こんな感じの刃が収まりました。 まだコミ穴側の小口への樹脂浸透や、穴の隙間の処理が終わっていないので、完成度は表題の通りですが、もうあと一息でこの仕事は終わりを迎えそうです。 この包丁の刃は、最低でも40年以上昔に作られた物で、炭素鋼系の鋼に、地金は和鉄です。 頂き物の包丁ですが、他にも幾つか頂いた包丁は全て和鉄地か錬鉄地で、内二本は玉鋼製でしたので、鋼はどんな物が使われているのか気になっていましたが、研ぎ上げてみても結局正体は分かりませんでした。 スパークテストの結果は炭素鋼系とハッキリ出ましたが、玉鋼か現代鋼かは、積層模様の有無や、鍛え傷などが出ないと、鍛えの良く出来た鋼ほど見分けがつきません。 研いだ印象では、何となく輸入鋼ではないかと思いましたが、経験が少ないため、それも何とも言えないというのが正直なところ。 地金については、ある程度この手の包丁を色々見てきたので、和鉄以外の錬鉄の可能性は低いと思います。 元々はこんな感じで、ボロボロでした。 作りも昔の包丁らしい、いい加減な肉置きで、バランスが悪い。 裏面にしても、焼反りを放って置いたかのような鋼側が延びきった状態で、カイサキにはフクレなどの接合不良が散見されるなど、現代では売り物にならないと言えるほど、とにかく欠点だらけでした。 しかし切れ味となると、これに並ぶ良い物はちょっとそう易々とは見つからないほど、よく切れます。 考えてみれば、カイサキに接合不良がいくつも出ていて、鎬面も鋼と地金の境が明瞭であることからも、この包丁の作者は鍛接を低温でこなしたらしい事が想像できます。 包丁に限らず全ての刃物において、鋼を低温で扱うことは、脱炭を防ぎ、鋼をより強靭で鋭くするために、必要不可欠な要素です。 高温に赤めれば高温に赤らめるほど、鋼は鉄にくっ付きやすくはなりますが、鋼はそのように扱うと脱炭してしまうだけでなく、鋼の粒子も粗大化してしまうため、切れ味も持久力も乏しい物となります。 今は亡きとある鉋鍛冶さんも、「鋼はできるだけ低温で、素直に扱ってやらないとダメだ」と語っていたそうです。 ですので、上手な鍛冶屋さんほど、鍛接不良を起こすリスクが高くなることを承知しつつも、低温での鍛説を試みることになるわけです。 この包丁、実は以前まで木材のハツリに私が使っていた物で、屋外でも幾度か鉈の代わりに使用しましたが、木材の節に当たっても欠けることも無く、長切れして研ぎ直す頻度も少なかったです。 随分乱暴に扱っていたので、ときどき狙いの木材を外しコンクリートに当たってしまったこともありましたが、刃先は少しマクレる程度で、なんとコンクリートの方が切れてしまうという、恐ろしいほどのタフさでした。 ・・・・・と言っても、さすがにコンクリート中に石粒が混じっていた時は少し欠けましたし、今は魚を切るための刃角度に変えたので、今度これでコンクリートと戦ったら多分負けるのではないかと思いますが。(笑) その2に続く
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