鉄の表情ぎゃらりー

今年も古物市探索頑張るぞ〜!

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こんばんは、ご無沙汰です。

季節の変わり目に入ったせいでしょうか、例年通りコンスタントに体調を壊しており、今朝はまた頭痛にやられて寝込んでいました。

季節の変わり目はこういうコトが結構多く、ここ1週間で2回くらいはこんな感じになっていて、とても困ってしまいます。


ところで以前、お預り中の鉋で会津の重長の鉋を載せましたが、カイサキ近くの側面がマクレ上がっていて裏スキ修正に差し支えるような状態のがありました。

その鉋の修正がほぼ終わったので、ビフォーアフターの図だけちょっと掲載しておこうと思います。



https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-68-91/new_alces/folder/725186/19/28524119/img_0_m?1486987115
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さて、裏スキの修正自体はこのようにまぁいつも通りなのですが、側面のマクレを一切削り落とすこと無く修正してあるのが分かるでしょうか。


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実は側面から見るとこのような状態になっています。

私の場合、マクレた鉋の頭などもできるだけ本来の姿に近い形状に復元したいと考えるので、グラインダーなどで削り落とすようなことはせず、玄翁でマクレを叩き潰して体裁を整える方法を取っています。

鉋の頭は柔かい地金ですから、焼きが入った硬い鋼の金鎚で叩かれるとやがて変形しマクレてしまうわけですが、逆に考えればマクレ上がるということは、元通りの姿に近い形状にもう一度マクレさせることも理論上は可能と言えます。

もっとも、時間はかなり掛かりますが・・・・・。

この方法は姿が違和感無く仕上がるのはもちろん、台に入れ使用する際、手の当たりが良いというメリットや、研ぎの際などに気になる微妙な左右の重心バランスも崩れないというのがあります。

やはりね、このように仕上がると思えば、頓着せずグラインダーで削りまくるのはどうも気が乗らないんですよね。(笑)

中古の鉋で使い減らされた物には、全体をグラインダーで削られ傷だらけのボロボロになった醜い鉋がよくありますが、ああいうのを見るとなんだか「あらら可愛そうに」と思ってしまうんです。


ただし何でもかんでもこのような修正方法を取るというわけではなく、玄翁で叩くと地金が崩れてしまうような性質の脆い地金もあり、そのような場合はこういう方法は取れません。

ですので、この方法を試す際は、よくよく地金の性質を見極める必要はあるでしょう。


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ところで、この鉋の裏面は縦にセンで透いた仕上げになっていて、ただ叩くだけでは雰囲気が浮いてしまいます。

そこで叩き潰し形状を整えた後、鍛冶屋センで化粧削りをしてからわざと錆びさせ、色合いが丁度良くなったところで黒染め液などモロモロの薬品で色付けし、見た目を周辺に合わせます。


どうです?

修正した痕跡は判っても、違和感はさほどないでしょ?(笑)


もうちょっと修正が上手く決まり、違和感が少なくなると↓のような感じになります。


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これは私物の義廣の鉋ですが、頭が多少マクレていたので当然ながら修正を施しています。

これもまだ修正の痕跡が判らない―って程には達しませんが、遠目には全く違和感は感じない程度だと思います。

特にこういう叩き戻す修正方法は、古い鉋など資料的価値もある作品などで作者の本来の作風を維持するという目的もあり、無闇に削って形状を変えてしまうことで資料製を損ねるといった問題も防いでいます。


今回は偉そうに私の修正例を晒して見ちゃいましたが、この技術に関しては私は全くまだまだ未熟で、この世にはもっともっととても上手に修正してしまわれる手練もいます。

そういう方々からすると「よくもまぁ、この程度の出来で」と思われてしまいそうですが、今回はこういう方法もあるんだよ〜って紹介の意味合いで、あえて恥を覚悟で掲載してみました。

叩き直す場合、施術箇所の錆や黒肌が殆ど剥げ落ちてしまいますので、形状の修正に加え黒染めなどの後始末もそれなりに出来た方が理想的かな〜とは思います。

そういった細々とした課題などはありますが、鉋に対して(無駄な?)愛情溢れる方であれば、こういう修正を試みてみる価値はあるかもしれません。(笑)


重長の鉋は裏はほぼ修正終わりで、残す所は鎬の研ぎ卸しです。

裏が糸裏になったからと言ってこれで作業が全て終わりかというとそうではなく、まだ黒染め処理の際に薬品が残した腐食痕が使用に致命的なことになっていないか、短く言えば裏に荒れが残っていないか、―と言う点の確認作業が残っています。

ですので最低でも裏出しだけはしなくてはならず、鎬を研ぎ上げてみてちゃんと刃先が整うことまで確認して初めて「作業終了」です。

もし刃先に荒れが残るようであれば、一裏程度研ぎ卸して荒れた部分を減退させる必要があるわけです。


それにしてもこの重長の鉋、明治末期以降の作品のようでスパークは枝分かれの少ない暗めの物でした。

恐らく使用鋼は東郷鋼系統の合金鋼ではないかと思いますが、それゆえ研ぎ卸しはなかなか捗りませんね・・・・・。

古い会津鉋によくある薄手の作り込みですので、鎬の面積は現代の一般的な鉋よりは小さく分厚い鉋よりは研ぎ減らしは楽な理屈ですが、それでもなかなかに研ぎ難い・・・・・!

逆に考えれば、耐摩耗性も高いと言う意味でもあるのでしょうね。


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そして今は左久作氏の鉋も修正中ですが、こちらはまだまだ荒修正中です。

乱暴な使用者なら「糸裏なら何でもいい!」って使い始めてしまいそうですが、まだまだ全体的に歪ですので、これからが本当の意味での修正作業と言えます。


さて、本当は他に書きたいことが山ほどありますが、今日はもう疲れたのでこのへんで。Zzz

最近手掛けた鉋修正

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相変わらずちょっと忙しくて更新がまばらですが、最近仕上げた鉋の写真だけは載せておきます。

まずこの鉋、ご覧のとおり悦英銘なのですが、問屋銘ですので誰が作った鉋か良く分かりません。

恐らく昭和中頃から後期辺りに作られた鉋ではないかと思いますが、ハテ・・・・・?


悦英の鉋と言えば、ブログのトップページに掲載中の大鉋が初代龍進斎悦英の鉋ですが、あれはかなり古い時代の作品で恐らく明治頃の作品。

しかし昭和の中頃辺りには、市場に流通する圧倒的多数の作品が問屋銘になっていたのではないかと考えられ、悦英系統―つまり弟子筋や親族などの作品もあれば、それ以外の作者の手による作品も相当数あったのではないかなと思うのですが・・・・・。

どちらにせよこの系統はあまりに関連する工人の数が多いため、正確に実情を把握することは悦英銘の鉋がまだ作られていた当時でも困難だったでしょう。

ちなみにスパークテストの結果から使用鋼は合金鋼でしたので、悦英三代目に当たる堤朋一氏が活躍されたのと大体同じ頃からそれ以降の作品の可能性が高そうかな〜?とにらんでいます。

刃味はそれなりに硬さも粘りもあり、かつ砥石に当てた感触は素直な研ぎ心地で、実用道具の性能としてはたぶん上々の物ではないかという印象でした。

研ぎ上げは尚さんからオマケに貰った田村山戸前の小さなコッパにて。


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そしてもう一枚お預りしていたのがこちら、山正湯正の鉋です。

「山正」の刻印だけの鉋と、その下に「湯正」の刻印もある鉋とあり、さらに左側に捺される四角枠の刻印は青紙と書かれている物と玉鋼と書かれているものなど、いくつかのパターンが確認されています。

カイサキ近くど真ん中には東京鉋組合の刻印もあり、「湯正」とある物は湯沢氏の作品とどこかで聞いたことがあるような無かったような、と記憶があやふやで・・・・・。

中古品として出てくる範囲は関東周辺、そして会津地方が多いような気がします。

そして、どうも出てくるモノの殆どがかなりの鋭角に研がれており、会津辺りからも出てくることも合わせて考えると恐らく桐材関連の職種、例えば桐箪笥職人であるとか、下駄屋などに好まれていた鉋なのではないかと推測しています。


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この鉋については裏スキの修正ではなく、刃角度の修正のみの依頼でしたが、やはり桐材の切削に使われていたのか当時はかなり鋭角で、しかも鋼が硬いために、研ぎ下しては裏出しをする作業もやや大変でした。


なお蛇足ですが、玉鋼の刻印があると言っても当然玉鋼製ではなく使用鋼は現代鋼で、この一枚については合金鋼系のスパークでした。

研ぎ心地はやや砥石を選ぶ感じがあり、相性の悪い砥石だと地金が引っ掛かる感じでヒケが入ることもありました。

少し柔かめの砥石であればワリとすんなり研げましたが、もう少し硬い石を使うとさらに地金との相性をシビアに見極める必要がありそうです。


さて、現在龍進斎悦英の情報を収集中で、こまんたれBOO!さんに頂いた星野欣哉准教授の研究報告書のコピーを頂いたのでそちらも調査中、そして裏スキの修整関連の記事は執筆中といった状況っす。

色々と手を付けていて囲碁で言うところの多面打ちのような状態ですが、近い内にいくつかは形になりそうかな?

ブログ八周年!?

こんばんは。

今日3月17日はこのブログの開設日なようです。

「なようです」とか、自分のブログのコトなのに他人事のような扱いですが、ホント普段は気にするようなことでも無いので、頭の中に全く記憶が定着しないんです。(笑)

でもヤフーブログは左のメニュー一覧のさらに下に開設日が表示されているので、時々ページをスクロールしていると、「あ、もうちょっとでこのブログも誕生日じゃん!」と度々気付かされるんですよね。


しかしこんな誰得かも分からない、ネタ系とも実用系とも言い難い、そんな趣味色100%のブログなんぞが気付けば8年も続けてこられたのも、ひとえにいつも閲覧頂いている読者の方々の応援あってのことだと痛感します。

改めて、本当にいつもご覧頂いて有り難うございます!<(_ _)>


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ところで話は変わりますが、最近アクセス解析を見ると、裏スキの修正の関連でのアクセスが増えてきているような気がします。

実際、外に出たときに初対面の方から私のブログで裏スキ関連の記事を見ているという声も頂き、ちょっとこれまでの裏スキ修正の記事の内容とか、私なりのやり方や考え方というものについての紹介など、まだまだ舌足らずな部分が多いと、自分の過去記事を見直して思ったんです。

それで、これから幾らか「裏スキ」というものについて、これまでいじり続けてきて思ったことを、修正という一つの視点・アングルで見て、どういう機能を持つ物か、どういう条件を備えるのが理想的か―ということを、私なりに考察した見解や方向性をまとめて記事にしていこうかなと考えているんです。


https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-68-91/new_alces/folder/725186/63/28555163/img_5_m?1489759502


まず、鉋刃に限らずあらゆる片刃刃物には裏スキがあり、これには使用上の効能のみならず、制作上の機能も多少ありますし、形状も一見どれも似たように見える裏スキも作者ごとの個性や地域差などもあります。

一例としては、裏スキを昔ながらの方法でセンという道具を用い鋼を切削し成型した鉋と、鉋製造の一大産地である新潟の与板で一般的に用いられる「ペーパー車」と呼ばれる回転工具で成型した鉋では、断面図で見た際の形状には大きな違いがあります。

つまり新品未使用品であっても、一律に糸裏と呼ばれる状態にはかなりの個体差があり、ベタ裏になった鉋刃を修正する場合、使用者の研ぎ癖だけでなくそのような鉋刃の個性についても気を配ることになるわけです。

もちろん、それに加え整形精度も作品ごとに上下があるわけですから、元々の精度が悪い作品を修正する場合はより手間が掛かることになりますし、ヘタをすると「新品よりも高精度に仕上がった」なんてことも珍しくはありません。


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その他にも裏スキだけでなく、もっと鉋刃を全体的に見た場合の精度・形状的な個性も、裏スキの修正時には重要になることもあります。

例えば側面から鉋刃を見ると、裏面のラインが刃先からカイサキに向かい強く弧を描いている物もあれば、かなり直線的な物もあります。

これは使用者の研ぎ方が悪く、裏を研磨する際の加圧加減を刃先側に集中できず砥石や金盤の角が強く当たった結果こうなることが圧倒的に多いのですが、中には鉋刃自体が内包する鋼の応力が経年変化し、屈むことで形状が変わった場合などもあり、一律ではありません。

このような違いについては、若干の屈み気味の直線的な形状であれば使用上の問題はありませんが、あまりに程度が著しいと扱いに慣れを要することになります。


このような点が鉋を修正する上で、一つのポイントになってくるわけです。


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他にも使用者の技術程度に問題があり、歪な形状に研ぎ崩されることも当然あるので、そういう場合の対処も重要になります。

上の二つの図はどちらもベタ裏になった形状の例ですが、右の図ではカイサキ近くの足が太くなっています。

こういう状態になった鉋にはかなり遭遇する頻度も多いですが、これを完全な糸裏にする場合、カイサキよりも上にまで手を付けなくてはならないコトになり、どうするか判断に困ることになるようなケースがよくあります。

図はそういう例を簡単に表現したものですが、鉋刃がまだ未使用の時点で残っていた歪みがあった場合などは、鉋刃本来の歪みがそのまま形状の崩れに影響しますし、運が悪いと使用者の癖の悪さと相まって余計酷い形状になることもあります。


現在練っている構想としては、これらの対処法や、どこまで修正すれば扱い易い形状になるかを考えた際、最低でもどのような程度まで追い込むか、追い込めば問題無いか―といった妥協点の模索についての私なりの考え方など、この辺りが主に取り上げる内容になりそうかなと思います。

これらを厳密・厳格に取り上げていくと、鉋刃の製作者や使用者に向けて一種の批判めいた内容も含んだ記事になるような予感がして、ちょっと言葉遣いとかに神経を使うことになりそうですが、しかし作品の精度や使用者の扱いを見て「いくらなんでもこれはあまりに酷い」と思うようなことも多々あるわけですし、避けて通ることも限界があると思います。

そのようなことを意識しつつ、とにかくより理想的な形状を求めるという方向性を徹底し、建設的な内容にしていければと思います。
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今日は世田谷区の民家園(次大夫堀公園民家園)で、東京農業大学の星野欣也准教授による座学会がありました。

友人より前々から案内を頂いていて、私の興味の対象と重なったこともありますので、いつものごとく参加させて頂いてきました。

日頃からこの分野については活字を追って調べ回ったりしているので、内容としては慣れ親しんでいる部分もあったものの、やはり国内の最古の鋸についての現代の研究状況を伺えたりしたことは良い刺激になりましたし、東京の木挽き職人、林以一氏の仕事に密着したドキュメンタリー映像などは特に見応えがありました。

個人的には、自分でも前挽き大鋸を扱うということから本職の仕事には興味があり、前挽き大鋸の扱い方や目立ての方法、挽き屑の様子などを写真で見れたことにより、今後大きな丸太を挽き割る際に試してみたいと思うことも色々出てくる、そんな一日でした。


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さてこちら、会場にあった見本品で、胴突鋸以外は鋸ファンには大変そそられるモノが並んでいます。(笑)

一つはいうまでも無く木の葉型鋸で、これは室町時代以前に使われていた鋸の復元品です。

古来の書物「倭名類聚鈔」(わみょうるいじょうしょう)に「刀に似て歯ある者なり」と記されているとおりの姿をしており、まるで短刀のような横姿の薄い鋼板に歯が刻まれた格好です。

この復元品は鋸を扱う書籍に度々登場するので、一度自分の目で見てみたいと思っていました。

日本の鋸の現存品で、最古の物は古墳から出土した物もあったと思いますが、残念ながらそれらは錆により原形を留めていません。

ですので、このような復元品のみが、当時の木工文化を探る上での手がかりになるといえると思います。


そしてもう一つ、現代工の作品の参考品として並べられたのでしょう、とびきり姿の良い両刃鋸があります!

写真は銘までは見えませんが、私はこの姿を見た瞬間「関西のあの名工の作品だ!」と気がつき、ひっくり返りそうになりました。(笑)

特に首のテーパー具合などは大変素晴らしく、裏向きに置かれ銘が伏せられた状態でも誰の作品かほぼ分かります。

さ〜?この記事を見て分かった方はおられるかな〜?

これが判った方は相当な鋸マニアです。(笑)

ヒント、関西の名工で、本家筋より独立して名字のみを受け継いだ他の銘の名工もいましたが、この鋸は本家筋の作品です!

そしてお話を伺ってきた限りでは世田谷の名棟梁・故二村次郎氏の遺品なのだそうですので、過去に二村氏の道具の展示などをご覧になった方は判るかもしれません。


https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-68-91/new_alces/folder/725186/63/28555163/img_4_m?1489326508


ところで最近2s305さんより、超硬の刃をまた頂いてしまいました。

いつも本当に有り難うございます!<(_ _)>

まだ試していないんですが、裏スキ修正の依頼は溜まっているので、近々使ってみます!
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お早うございます。


最近また指を切って水を使う研ぎを中断しています。

そういう最中は水を使わない鋸(のこぎり)の目立てであるとか、鉋の台打ちなどをして時間を有効に使いますが、そんなわけで1月から仕込みに掛かっていた鋸がここ数日で一気に完成しました。

元々は柄は無く、刃先も錆びて板も狂いだらけの使えない状態でしたが、ちゃんと手入れをすればまだまだ現役で活躍できます。


https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-68-91/new_alces/folder/627621/31/27476631/img_10_m?1488454388


ところでこの鋸、木材を繊維方向に挽き割るのに用いる縦挽き鋸で、鑼(ガガリ)と言う呼ばれる物ですが、この種の鋸は鋸の方向と同じ向きの直手(手伸びとも言う)の柄を挿げることもあれば、この写真のように斜・もしくは垂直気味の斜めに撞木(しゅもく)の柄を挿げられることもあることもある、用途によって仕込み方を変えられる柔軟性のある鋸です。

しかし撞木の柄は材料の選定に難しさがあります。

一般的な直手の鋸では柄の素材は桐が良く、桐よりは堅い杉・桧などでは「手が焼ける」などと言われますが、桐材は何と言っても柔かすぎるので、撞木の柄に用いると使用に際して引っぱる力によりナカゴの収まる穴が変形し広がりやすいので、そのままでは使い物になりません。

そのようなことを回避するため、人によっては欅(ケヤキ)などの堅く変形し難い素材を用いるコトもあるのですが、やはり屋外で桜や樫(カシ)などの硬木を相手に長時間挽き割り作業をした経験から言うと、そのような堅い素材は手に対する当たりも強いため、使用者にとって長時間の使用は負担になるのではないかと思います。

木挽き鋸などを専門に扱う杣人(そまびと:木挽き職)などは、前挽き大鋸などの柄には桐材を用い、かつ柄の太さを直径4〜5cm程度の太めの設定にすることで、手への負担を可能な限り小さくするとされています。

もしこれが堅い素材の柄で、かつ近年の市販品によく見られるような細い柄にしようものなら、たちまち手は肉刺だらけになり、使用時間の長さ次第では肉刺が破けて血が出ることにもなり得るそうです。

従って、木挽用や撞木柄の鋸の柄の製作では、できるだけ柔かい素材を用い、かつ太さをより太い作りにするというのが理想的であり、まず基本的な方向性でもあると言えるかと思います。


しかし前述のとおり、柔かい素材であればあるほど木殺し効果が強くなるわけで、よって穴の変形が酷くなり柄がスポリと抜けてしまうようなコトにもなりやすくなります。

そんな傾向への対策として、私は桐材を用いる場合はコミ穴周辺のみ堅木を埋め込むという方法で対処します。


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このようにまず桐材を適当に掘り込み、そこにコミ穴を空けておいた堅木を埋め込むことで、仕込みは堅く手への当りは柔かくなる構造にします。

埋め込む木はそれなりに堅ければ何でも良いと思いますが、私の場合古い鉋の台が余って棄てるほどあるので、再利用も兼ね樫材を用います。

ケヤキ、サクラ、シイなど、堅く粘りも兼ね備えた素材ならどれも良い候補でしょう。


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反対側はドリルの穴がずれちゃったのでちょっとかっこ悪いですが、機能性に影響は無いでしょう。(汗)


こんな感じで、樫の木に幅の狭い穴を開けてゆくのは難しいところもあるのですが、やはり機能面を考えると譲れない部分はあります。


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・・・・・というのも、以前使っていた鋸に桐材のみで作られた柄が挿げられていた物があり、これが本当に文字通り使い物にならなかった、―と言う経験があるからです。

写真の鋸がそれで、柄が桐の無垢材で挿げられていたため穴がユルユルになっており、側面に杉のコッパをクサビとして入れられていた様子からも、前の使用者もかなり苦戦した様子が伝わってきます。

柄の上下両端の角度から見ても、挿げられた当初よりは挿げ角度が大分寝ているので、穴が変形したという予想には疑いの余地は無いでしょう。

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使っていると左の写真の位置→右の写真の位置へ・・・・・。


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柄を後ろから覗いた図ですが、どうやら穴の広がりは角度で言って30゚は余裕でありそうですね。

側面からクサビを入れたくらいでは固定できないのも無理は無いです。


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スカ〜、スカ〜・・・・・。

クサビ無しならスライドも余裕余裕。(笑)


さて、こんな場合は柄を作り直した方が作業としては楽なんですが、折角イイ飴色になっている柄を捨てるのも勿体無い・・・・・。


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―というわけで、当然掘り込んで堅木を埋め込みました。(笑)

作業をしたのはもう何年も前のことなので記憶は曖昧ですが、たしか本来の挿げ角度に忠実に仕込んだ、―と記憶しています。


https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-68-91/new_alces/folder/627621/31/27476631/img_16_m?1488454388


「作り直した方が楽」というのは、すでにある柄を改造する場合、元々の柄を見て慎重に寸法・角度などを調整しなければならないからです。

新たに作る場合は適当な大きさの堅木に適当に穴を掘り、それを丁度良い大きさに削り込み、埋め込んだら適当に削り出せばいいだけですから、どこにも難しいところはありません。


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穴が広がってしまっているため、広範囲に亘って掘り込む必要があります。

ただ、小さい穴を堅い木に掘るよりはザックリとした掘り方ができるので、その点では気楽ですね。


https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-68-91/new_alces/folder/627621/31/27476631/img_19_m?1488454388


ちょっと側面を掘りすぎましたが、接着剤を充填して固定するので、何とかなるでしょう。


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ちょっと広がりすぎた部分を何とかしようと、後から瞬間接着剤を流し込んだら見た目が汚くなりました。(泣)

こういうコトになりやすいので、修正は難しくて嫌なんだよ〜!(T_T)


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ま・・・・・まぁ、仕込み角度が元通りになり、最終的に横から見た姿は使える雰囲気が戻ってきたので、結果としては良しかな、と。


こういう方法で仕込むのが「絶対譲れない!」って持論なので、直手の柄を仕込むのに比べると撞木の柄はかなり面倒くさい印象があるんですよね。

直手の場合の手順は、まず目の通った桐材を選別し、これを二枚に挽き割り、片面を鋸のナカゴの形状どおりに掘り込み、緩くなりすぎていないのを確認したら接着剤で張り合わせるだけですから、ハッキリ言ってかなり楽な作業です。


さて、最初の方の最近仕込んだ鋸は私が使うのではなく、実は友人のBさんへのお土産なんです。

Bさんは鋸もちゃんと使える物を持っておられたハズなので、この鋸に出番が来るかは謎なのですが、今年の年始のボロ市には来られなかったので、その時の分なのです。(笑)

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