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先日上赤沢砥を掲載してから何日か間が空いてしまいましたが、今回は珍しい砥石、会津砥を紹介します。 普通会津砥といえば#500〜#1000前後のキメで、人造砥石の研磨状痕との比較では皆さん御馴染みのキング#1000・#1200とそう変わらないと言っても問題無いと思います。 しかし今回の会津砥はごく例外的な一枚で、仕上げ砥相当とも言い得る非常にキメの細かい会津砥でした。 早速研いでみましょう。 上赤沢砥の時と同じ、「大極上」銘の鉋身を研いでみました。 (なんて銘だい!笑) キメの細かさは三河の白名倉を引き合いに出せば丁度良い程度です。 アツ(中名倉)よりはやや細かい感じですが、コマよりは荒く、見た目ではボタンに近い状痕です。 この石単体では下りが弱いので、共名倉に黒幕#5000を使ってみましょう。 これはビンゴ♪ 実に魅力的な黒さの研ぎ汁が出ました。 共名倉使用時の仕上がり。 仕上がりの細かさは、共名倉を使っても使わなくても殆ど差は無いようです。 黒幕#5000の粒子は元々が研磨力が強いので、研磨力の弱い石に使った場合初めは黒い研ぎ汁が出ますが、石本来の研磨力が弱いとこうはいきません。 石が柔かければ泥がどんどん出てきて黒幕の粒子なんて存在感が薄くなりますし、硬ければ硬いで研ぎ汁の粘度が上がらず粒子がサラサラと流れ落ちてしまいやすいからです。 この石は相性の良い共名倉を使うことで、初めて本来の研磨力が引き出せるタイプのようです。 この石のメリット・魅力は、ちゃんと研磨力を引き出せばそれなりに下ろし、白名倉よりも水切れが起き難いというところです。 白名倉は研磨力が強い上に中砥石としてはキメが細密なので、刀剣研磨などでは人造砥石が普及している現在も根強い人気がありますが、水切れがかなり早く、何度も水を掛け直したり長時間浸水させるなどの工夫が必要といった欠点があるのです。 その点ではこの会津砥ははっきり優秀と言えます。 一つだけこの石の問題を挙げるとすると、残念ながら石の厚みが薄いので、面直しをしようとするとダイヤモンド砥石を乗せる際の加重で砥石自体がたわんでしまい、なかなか平面を出すのが難しいことです。 コレくらいの厚みでもガッチリしていてたわまない石もありますが、この石はそこまで剛性が高くないのでしょう。 解決策としては、面直しに用いる石を極力持ち上げるような感じで当て、表面は当たっていても加重を極力ゼロにするような感じで擦っていくと、時間は掛かるもののちゃんと平面を出すことができます。 とはいえ、欠点と言ってもそれはあくまでこの石がたまたま薄い石だったというだけのことであって、「会津仕上砥石」に欠点があるわけではないので、品質の良し悪しという観点から見れば文句の無い質と言えそうです。
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2015年04月26日
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