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こんばんは。 今日は仲や久作かな?って注目のオークションがあったのですが、あとちょっとで終了という大事な時に、家族に邪魔されて、気が付いたら1100円で終了してました。(泣) 風邪引いて寝ていたところ頑張って起きたのに、甲斐無いです。 っていうか、ちょー悔しいー!! ってことで、ちょっと息抜きの記事です。 写真はフリマに行く度に増殖しているあらいの錐です。 私のブログには度々登場しているので、すでにおなじみの作品ではありますが、改めて解説しますと、あらいの錐は戦前〜昭和中頃まで作られていた手もみ錐の名品で、埼玉県川口市の新井行雄氏(故人)が夫婦で作っておられました。 はじめはどうやら兄弟で仕事をしていたようですが、村松貞次郎氏の道具曼荼羅に紹介された時には、すでに夫婦での二人体勢になっていて、行雄氏が火造り整形、奥様がへら掛けという仕上げ加工をと作業を分担していようです。 戦前の錐の名工はというとピータなど、それなりに上手な作品はあったそうですが、あらいの錐の精度は圧倒的で、どこから見てもセンターが通っていて、全くブレがありません。 また肉置きも完璧で、どこにも無駄な贅肉が無く、しかもそれでいて折れず曲がらず良く切れるという、絶妙な焼き入れ加減なのです。 しかしこれほどの超絶技巧的な作品でも、一本当たりの卸値はコーヒー一杯分にもならないほど単価が安かったそうで、そのうえ日産20本という効率の悪い手間の掛かる生産方式で、新井氏の生前は名人につきものの貧乏暮らしだったそうです。 新井氏の廃業後一時偽物が出回りましたが、高速度鋼のドリルビットに、電動ドリルの出現で需要を失ったあとのこと。 案の定、全く売れることも無いまま、本物と同様に消えていきました。 ところで先日、ふと思い出して見たところ、刻印が全部違う事に気が付いたんです。 このように小さい刻印ですから、壊れることもしょっちゅうだったでしょうし、色々な刻印があること自体は、考えてみたら自然なことなのでしょう。 しかし何本も集めていて分かったのは、あらいの錐は長期間製造されかなり沢山出回っていたこともあるのか、同じ刻印の作品にお目にかかることは殆ど無いという事。 すると困ったことに、バリエーションが多いだけに、刻印だけを見ていたのではどれが本物でどれが偽物なのか、なかなか分かり難いのです。 あらいの錐は、市場の流通量としては本物の方が圧倒的に多いので、古物市などで偽物を掴まされることはそうそうありませんが、あらいの作りを良く目に焼き付けておかないと、単純な形状ゆえ区別が付き難くく、その辺りには少々注意が要ります。 偽物の見分け方としては、まずはあらいの錐の特色であるへら掛けという、屑掃けを良くするための工程を省いていたようなので、全体的に光沢が冴えないというのが一つ目。 もう一つは、やはり偽物だけあって製作の手間が省かれていて、鏟なのかあるいは鑢?の研磨状痕がいい加減で、おかしな方向に向かって擦られた痕が付いている事が多いのが二つ目。 そして三つ目はナカゴの整形も、本物とどこか違ってやや粗末な作りな印象を受けるというのがあります。 しかし、ホームセンターなどに大量に出回っている錐はというと、それよりもさらに雑な作りの物が多く、姿格好の良さでは洋釘よりも出来の悪い物が多いので、実際のところは偽物でもまだ錐としては手間を掛けて作られているといえます。 そう考えてみると、改めて新井さんは名工中の名工だったんだな〜と認識せざるをえませんね。 何せ、あらいの錐はドリルチャックに装着して使えるタイプの物まで作られていた程ですからね。 やはり色々な錐を見た後であらいの錐を眺めると、ちょっと他とは隔絶した技術の感が否めません。 コレは刻印が不鮮明で、かろうじて「あ」の部分が慣れた目になって判読できる程度・・・・・。 しかし特別な整形をせず打ちっぱなしのマチの部分も、実は打ちっぱなしなりの丁寧さがあり、たとえ無銘でもこの部分を見ただけでもあらいか、あるいは他の名工かと検討が付くくらいです。
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2015年09月18日
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