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こんばんは、ご無沙汰です。 季節の変わり目に入ったせいでしょうか、例年通りコンスタントに体調を壊しており、今朝はまた頭痛にやられて寝込んでいました。 季節の変わり目はこういうコトが結構多く、ここ1週間で2回くらいはこんな感じになっていて、とても困ってしまいます。 ところで以前、お預り中の鉋で会津の重長の鉋を載せましたが、カイサキ近くの側面がマクレ上がっていて裏スキ修正に差し支えるような状態のがありました。 その鉋の修正がほぼ終わったので、ビフォーアフターの図だけちょっと掲載しておこうと思います。 さて、裏スキの修正自体はこのようにまぁいつも通りなのですが、側面のマクレを一切削り落とすこと無く修正してあるのが分かるでしょうか。 実は側面から見るとこのような状態になっています。 私の場合、マクレた鉋の頭などもできるだけ本来の姿に近い形状に復元したいと考えるので、グラインダーなどで削り落とすようなことはせず、玄翁でマクレを叩き潰して体裁を整える方法を取っています。 鉋の頭は柔かい地金ですから、焼きが入った硬い鋼の金鎚で叩かれるとやがて変形しマクレてしまうわけですが、逆に考えればマクレ上がるということは、元通りの姿に近い形状にもう一度マクレさせることも理論上は可能と言えます。 もっとも、時間はかなり掛かりますが・・・・・。 この方法は姿が違和感無く仕上がるのはもちろん、台に入れ使用する際、手の当たりが良いというメリットや、研ぎの際などに気になる微妙な左右の重心バランスも崩れないというのがあります。 やはりね、このように仕上がると思えば、頓着せずグラインダーで削りまくるのはどうも気が乗らないんですよね。(笑) 中古の鉋で使い減らされた物には、全体をグラインダーで削られ傷だらけのボロボロになった醜い鉋がよくありますが、ああいうのを見るとなんだか「あらら可愛そうに」と思ってしまうんです。 ただし何でもかんでもこのような修正方法を取るというわけではなく、玄翁で叩くと地金が崩れてしまうような性質の脆い地金もあり、そのような場合はこういう方法は取れません。 ですので、この方法を試す際は、よくよく地金の性質を見極める必要はあるでしょう。 ところで、この鉋の裏面は縦にセンで透いた仕上げになっていて、ただ叩くだけでは雰囲気が浮いてしまいます。 そこで叩き潰し形状を整えた後、鍛冶屋センで化粧削りをしてからわざと錆びさせ、色合いが丁度良くなったところで黒染め液などモロモロの薬品で色付けし、見た目を周辺に合わせます。 どうです? 修正した痕跡は判っても、違和感はさほどないでしょ?(笑) もうちょっと修正が上手く決まり、違和感が少なくなると↓のような感じになります。 これは私物の義廣の鉋ですが、頭が多少マクレていたので当然ながら修正を施しています。 これもまだ修正の痕跡が判らない―って程には達しませんが、遠目には全く違和感は感じない程度だと思います。 特にこういう叩き戻す修正方法は、古い鉋など資料的価値もある作品などで作者の本来の作風を維持するという目的もあり、無闇に削って形状を変えてしまうことで資料製を損ねるといった問題も防いでいます。 今回は偉そうに私の修正例を晒して見ちゃいましたが、この技術に関しては私は全くまだまだ未熟で、この世にはもっともっととても上手に修正してしまわれる手練もいます。 そういう方々からすると「よくもまぁ、この程度の出来で」と思われてしまいそうですが、今回はこういう方法もあるんだよ〜って紹介の意味合いで、あえて恥を覚悟で掲載してみました。 叩き直す場合、施術箇所の錆や黒肌が殆ど剥げ落ちてしまいますので、形状の修正に加え黒染めなどの後始末もそれなりに出来た方が理想的かな〜とは思います。 そういった細々とした課題などはありますが、鉋に対して(無駄な?)愛情溢れる方であれば、こういう修正を試みてみる価値はあるかもしれません。(笑) 重長の鉋は裏はほぼ修正終わりで、残す所は鎬の研ぎ卸しです。 裏が糸裏になったからと言ってこれで作業が全て終わりかというとそうではなく、まだ黒染め処理の際に薬品が残した腐食痕が使用に致命的なことになっていないか、短く言えば裏に荒れが残っていないか、―と言う点の確認作業が残っています。 ですので最低でも裏出しだけはしなくてはならず、鎬を研ぎ上げてみてちゃんと刃先が整うことまで確認して初めて「作業終了」です。 もし刃先に荒れが残るようであれば、一裏程度研ぎ卸して荒れた部分を減退させる必要があるわけです。 それにしてもこの重長の鉋、明治末期以降の作品のようでスパークは枝分かれの少ない暗めの物でした。 恐らく使用鋼は東郷鋼系統の合金鋼ではないかと思いますが、それゆえ研ぎ卸しはなかなか捗りませんね・・・・・。 古い会津鉋によくある薄手の作り込みですので、鎬の面積は現代の一般的な鉋よりは小さく分厚い鉋よりは研ぎ減らしは楽な理屈ですが、それでもなかなかに研ぎ難い・・・・・! 逆に考えれば、耐摩耗性も高いと言う意味でもあるのでしょうね。 そして今は左久作氏の鉋も修正中ですが、こちらはまだまだ荒修正中です。 乱暴な使用者なら「糸裏なら何でもいい!」って使い始めてしまいそうですが、まだまだ全体的に歪ですので、これからが本当の意味での修正作業と言えます。 さて、本当は他に書きたいことが山ほどありますが、今日はもう疲れたのでこのへんで。Zzz
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2017年04月21日
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