鉄の表情ぎゃらりー

今年も古物市探索頑張るぞ〜!

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ご報告

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こんにちは、久々にブログ更新です。

長いこと放置でしたが、尚さんからお預り中の鉋全部修正が終わりました!

やっと針屋町 六さん達と会津刃物ミーティングできます!


修正していた鉋、最後の一枚は鋼にクモが付いていて、さてどうしたものかとは思いましたが、結局クモは無視して普通に仕上げてしまいました。

しかし雰囲気は何となく悪くなさげですが、相変わらず裏を出してみたら糸裏というよりヒモ裏ってレベルの太さで、どうも思うようにいきません。

ふと思ったのは、これまで上手く出来ていた鉋は重症患者が多く、修正の手間が大掛かりになるほど鋼を深く削ったりするため、それで糸裏にする加減が掴みやすかったのかもしれないということです。

刃先までガリガリ削りまくると、刃先が全く砥石に当たらなくなりますから、それを裏出しする時の加減は新品の鉋の裏出しに近い物がありますので、わりとイイ感じのところを狙いやすいです。

しかし、必要最低限の深さしか削らず浅めの裏スキにすると、以外に刃先はあまり手が付いていないことが多いので、そのため裏出しをしなくてもいきなり刃先が砥石に当たるようなことが少なくなく、それが原因で裏が広く砥石に当たってしまうようです。


改善点として、今後は全ての鉋で刃先近くの鋼を深めに削るという方法も考えられなくは無いのですが、この方法では鉋刃の丈が1〜2mmほど余計に減ってしまうため、元々丈の短い鉋には施すわけにはいかないという事情もありえますし、そもそも鋼が薄く削りすぎると鋼切れを起こしそうな刃物相手には削り過ぎは当然NGなわけで、どのようにしていくか難しいところです。


https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-68-91/new_alces/folder/725186/63/28555163/img_10_m?1500188492
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ところでこの鉋、源兵衛という銘の関西の鉋ですが、まだ詳しい事が良く分からない銘の鉋なのです。

源兵衛や勘兵衛、キ文字などは関西でまだ大阪・堺が木工具の生産地だったころ活躍した名工で、あの千代鶴是秀も「皆私の師匠たちです」と語っていたほどの名工でした。

主に活躍していた時代はまだ外国の鋼や地金が輸入される以前の徳川時代で、伝統素材である玉鋼を巧みに鍛えて優秀な刃物を作っていたことが知られていますが、これらの銘は個人の銘なのか、それとも問屋や道具屋の銘だったのか、実際に何人ほどの職人がこれらの銘の作品を作っていたのか、など分からないコトだらけです。

活躍していた時期も、もしかしたら後の方は大体明治〜昭和初期あたりまでこれらの銘柄は流通していたかもしれない?と大まかに推測はされているものの、具体的なことは判っていません。


ただし一つハッキリしている事として、この写真の鉋に限っては、制作年代が明治17年以降である―という点が挙げられます。

というのも「商標 登録」の刻印が打たれているためです。


時代が徳川時代から明治に入ると日本の法律は西洋の影響を受け近代化し、様々な法律が整備されました。

商標条例もその一つであり、明治17年に制定されたこの法律はそれまで偽物作りたい放題だった国内の状況を変えたと同時に、法律的、あるいは概念的な意味での変化をもたらしたのに留まらず、言語的な意味でそれまで存在しなかった「商標」という言葉自体が生まれたという、画期的な革新でもありました。

これはつまり、明治17年以前には「商標登録」という概念・言葉自体が存在しなかったということでもありますから、古い作品の製作された時代を推し量る上で重要なモノサシにもなるのです。


このことから、上の写真の鉋や「商標 登録」の刻印が打たれた鉋は全て、明治17年以降に作られた作品である事が判りますが、上の源兵衛鉋は作風としては初期の頃の源兵衛とはまるで異なりますし、それこそ古い時代の源兵衛の作品は1800年代より以前にも作られていたはずですから、古い時代の作品と後の時代の作品を同じ人物が作っていたとは考え難く、やはり現実的には源兵衛や勘兵衛の鉋は複数人の人物が数世代に渡り作り続けていた、と考えるのが妥当ではないでしょうか。


そしてもう一つ、源兵衛については面白い話が残っており、それは名工の作品には付き物の偽作作りがあった、という事です。

この件についてはかなり具体的な話が残っており、源兵衛銘の鉋が作られなくなった後世に、松下勘蔵という古道具商が妻の父である原田氏という数物師の鍛冶屋に、この銘の偽作を作らせていたそうです。

ただこの偽作はある程度明確な判別方法があり、地金にホンスイと呼ばれる極軟鉄の一種を使っていたため、和鉄しか流通していなかった時代の本物とは地金の違いで判別できるそうです。


今回お預りした鉋はパッと見た目かなり新しそうな作風でしたので、本物か偽物か、当初は全く分かりませんでしたが、どうやら研いでみた感触はハッキリと和鉄の研ぎ心地でしたので、原田氏の手によるの偽作とは違うようです。

しかしやはり制作年代については良く判らず、第一偽作が作られていたのがいつ頃のことかも分かりませんので、やはり正確な製作年代や、初代源兵衛の時代より何世代後の作品なのか―など、今後も検証していかなくてはいけない部分が多いと思います。


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さて、源兵衛についての話題は終わり、今回手掛けた鉋をもう一度掲載してみます。


まず石堂輝秀さんの鉋ですが、終わってみればこの鉋がもっとも状態が良くなったようです。

鋼は輝秀さんの常で合金鋼のようでしたが、国産鋼か輸入鋼かは判りませんでした。

鋼付けが薄付けで、研ぎやすいのはいいですね♪


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次に左久作さんの鉋。

コレは左右の足の太さは良しとして、上に書いたとおり裏が太く出たのがやや不満で・・・・・。

鋼付けが分厚く、思いっきり削っても鋼切れの恐れが無いので、この鉋に関してはもっと削っても良かったかもしれませんね。

記憶があやふやになっていますが、確かこれも輸入鋼のような合金鋼系だった気が・・・・・。


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そして最後が会津の重長です。

この鉋の使用鋼はハッキリ合金鋼で、恐らく東郷鋼のような特殊鋼だろうと思います。

地金も多少の巣はあるものの、研ぎ心地が硬い印象で、ホンスイなどのような現代錬鉄の可能性が高いです。


元々は酷いヒョウタン裏だったため、丈方向、真ん中辺りの左右の足が減りすぎていたので、裏の形状が側面から見るとかなり屈んだ格好になっています。

そのため、裏を押す際は本当に刃先にのみ加圧を集中し、カイサキ側は殆ど減らさないような力加減にする必要があります。

下手な使用者が使う場合、カイサキ方向にも加圧をしてしまいヒョウタン裏が再発しそうな、ちょっと心配な形状ですが、そこはまぁ幸い、持ち主が尚さんですから全然大丈夫でしょう!


以上、尚さんからのお預り品総括でしたー!


さて、針屋町 六さん、BOO!さ〜ん!

いつ頃がご都合よろしいですか〜?

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