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先日も掲載したボロ市の戦利品の鑿です。 見つけて来た当初はこんな感じの柄が付いていましたが、どう見てもサイズが合っていない・・・・・。 そんなチグハグ感のせいか、それほどの期待はしていませんでしたが、やはり侮ってはいけませんね。 やはり基本的な所はしっかり押さえていて、曲線にも優美さがあります。 そして鋼の回し具合も理想的で、巧い! 地金はちょっと硬い研ぎ心地だけど、スが散っていて研ぎやすく、良質の日本地です。 研ぎ難さは折れるようなこともある鑿の地金だけに、強度を優先したのでしょうし、硬いと言っても極軟鋼よりははるかに理想的です。 一見、右側の先端近くの鋼が切れていそうですが、ギリギリのところで繋がっています。 大和骨董市で見つけた鑿にしてもそうですが、昔の人は鋼が切れやしないか心配になるほど、付け方が薄かったりして、技術の高さに驚くことが少なくありません。 使う側がヘタクソで、裏をベタ裏になるまで押すと、本当に鋼が切れてしまう―なんてことも、少なくなかったようです。 さてさて、やっぱり鑿の見所といったら、なんといってもコミですよね。 この鑿、結局誰の作かは分かりませんでしたが、鋼は肩まで巻かれていますし、コミも古い時代の作風を残しつつも、はっきりと砲弾型の造形になっていて、恐らくは明治以降に作られた物なのでしょう。 別のアングルからも。 やっぱり太いコミは良いですね〜♪ 見ている側も背筋が伸びるような気分になります! これがこの鑿の使い道です! 最近、鉋台は鏡の角度を起こすことが増えたので、耳の角度が90゚の通常の鑿では、押さえ溝外部を仕上げ難いのです。 本当は左右一対で欲しいところですが、まぁ、この一本だけでもやれないことはないでしょう。 鋼は玉鋼時代の物にしては硬度が高く、中研ぎで下手なコトすると、刃先がポロポロ毀れてしまうことも。 樫のような強固な素材相手に刃先がどこまで持つかは分かりませんが、硬度には余裕があるので、使用に差し支える刃味なら、少々戻しをかけてしまっても良いかもしれません。 しかしあまりに大きさが合っていない柄では、ちょっと使う気がしないな〜。
口金なんてご覧のとおり、首がスッポリ通り抜けてしまいます。(笑) 仕方ないので口金・桂は新調し、自分好みの柄を付け直しします。 |
鑿(のみ)
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昨年末掲載した100円の鑿、やはり切断・再成形してしまいました。 元の状態では軽く叩いただけでも曲がってしまい、ハッキリ言って使い物にならないので・・・・・。 勿論、モヤシのような細いコミなんぞ大ッキライ!って、個人の好みもありますけどね。(笑) まずはコミの切断した長さと同じ程度の位置の所に、金ノコで切れ目を入れました。 これを基準にして、コミを成形していきます。 このような古典的な形状にしてみました。 何か勘所が・・・・・、と思ったのは、単に雰囲気が違うということだけではなく、柄に仕込んでみた時にハッキリ分かりました。 どうやら先端の径の絞り方が細すぎるのか、柄に入れると先の細い所がヘナヘナ曲がってしまい、いちいち叩いて直さないといけません。 まぁ、それでも元よりは明らかに強度も上がったので、今回はとりあえず使えるようになっただけで満足しておきます。 この鑿は今はまだ穂は切断したままで、鎬を付け直していません。 マクレた鉋の頭を叩き戻したり、古鉋の肌の再現などに使えているので、これはこれで便利で、当分はこのままで行こうかな、と。 そうそう、今日はこまんたれBOO!さんと世田谷ボロ市に行って来ました。
多少の収穫はありましたが、また明日も行くつもりなので、そっちはもう一度行って来てから報告します。 |
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以前古物市で見つけて来た正芳の大入鑿について、 sixpenceさんと相談室でお会いした際、多少話題になりましたが、 「そうそう、そういえばボロクソに書いてたね」 ―と言われました。 個人的には別に全くそんなつもりは無かったんですが、 ボロクソと言われればそうかもしれない。 なんせ、良い物は良いと思うとおりに評価するけど、その逆もまた同様、 悪いと思えばその悪い所をそのまま評価するので・・・・・。 決して美辞麗句、世辞を並べて茶を濁したりはしません。 特に鑿は、たとえどれだけ切れ味が良くても、姿好に問題があるのであれば、 名品とはいえないとは私は思います。 ただしこの鑿のコミ、鑢で成形したにしては明らかに不自然な所があり、 どうやらグラインダを当てられた可能性大です。 機械類を一切使わなかった正芳との情報と矛盾するので。 この一本に限っては後に使用者によって改造された可能性があることは、 はっきり明記しておこうと思います。 さて槍玉に上がってしまった正芳のコミですが、上の写真の通り、 名品として評価するにはあまりにコミが貧弱なのです。 例えば別の鑿、正体不明の丸鑿と比較してみます。 するとはっきりと、コミが細い印象を受けます。 ついでにいうと、本当はこの丸鑿についても、 十分な太さというわけではないんですけどね・・・・・。 全体の造形としては首を長くしているのでスラッっとした印象で、 おそらくその華奢な全体像の中では、コミの細さもある程度、 自然にも見えたのでしょうが、この細さでいくなら逆に長過ぎる印象で、 7〜8mm程先を詰める方が良い。 それであればこの細さでもある程度自然な径という印象になるはずです。 コミの強度も太さと長さに丁度良いバランスという物があり、 バランスを無視した造形では、たとえ太いコミであっても強度を損ねます。 参考に徳川時代の名品鑿(き文字の可能性大)、と比べてみます。 この鑿、以前正真正銘のき文字の鑿と見比べてみる機会に恵まれ、 鑢目、全体の肉回し、コミの形状の特徴など、細部まで比較した結果、 全てがき文字のそれと見事に一致しました。 それでもまだ無名であるので、き文字と断定できる訳ではないですが、 今は造形に関してはそれに迫る出来のサンプルとして比較することにします。 ―で、正芳銘のこの鑿を過去の名品と比較しては気の毒な気もしますが、 それでもこうして二つ並べてボリューム感を見比べれば、 本来の理想的な姿は分かるはずです。 なかなかこれだけのコミの鑿はお目にかかれませんが、 本当は鑿のコミとはこういうのもだと個人的には思っています。 普段使っている鑿とも比較してみました。 どれも正芳と比較して納得の太さというわけではありませんが、 首の長さから見て、まぁ、程々のバランスで収まっていると言えます。 もう一丁参考に、これはカネ武さんの鉋台用鏝鑿です。 ハッキリ言ってこの鏝鑿、コミは機械成形で断面も四角ではなく菱形、 成形はとんでもなく荒く雑な作りとしか言いようがありませんが、 それでも太さということであればこのとおりです。 これだけの違いがあると・・・・・。 もう何も言わないでおきますか・・・・・。 今回この一本については自分でも叩き過ぎかと思うほど、 思ったこと全てを吐いてしまいましたが、正芳といえば向待鑿の正芳! 一度正芳の向待を見てみたいなんて話を相談室でした際、 まさにそれをお持ちの方にお会いでき、その出来栄えを聞けましたが、 その向待のコミはとんでもなく太っとく、かつ造形も精緻とのことで、 流石向待の正芳の二つ名どおり―といったところなのだそうです。 一度正芳の向待、お目にかかってみたいものです。
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古鑿を買うと、大抵は柄の繊維がむしれていて、桂が外れません・・・・・。 色々な道具を駆使したとしても、傷を付けずに外すのは至難の業でしょう。 そんなときは・・・・・。 コンロやバーナーで柄の小口を焼いてしまいます。 こうすることで強固な樫材も炭になり、木の繊維が痩せるので・・・・・。 ポロリと取れます。 火傷だけは要注意ですね。 この方法は口金の所で折れてしまった物など、もう使わない柄に効果的。 残った柄はタバコ臭が無ければスモークウッドとして役目を終えます。(笑)
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日曜日の収穫、鋸と鑿を掲載しましたが、鑿の方は東京の鑿として有名な、 湯沢昭男氏の正芳の鑿でした。 金ダライの中に数本の見るからに安物風の鑿が複数入っていて、 その中に一本混じっていました。 Alcesどん「これ幾らですか?」 出店者のあんちゃん、飯を食いながら、 「う〜ん、他の鑿とまとめて売っていて、全部で3000円なんですよ〜」 Alcesどん「う〜ん、これ一本だけで良いんですけど、どうですか?」 あんちゃん「そうだな〜、なら800円で」 こうしてヤフオク相場からはビックリな程の価格で捕まえてしまったとさ。 しかし本当はこの日の収穫では鋸の方が更にスゴイ収穫で、 この鑿も存在が霞む程のですが、それはまた別の機会に・・・・・。 かなりの大切れで刃こぼれもありましたので、ダイヤ砥石から始めました。 湯沢氏がどんな鋼を使っていたのかはしりませんが、 研いで受けた印象は何となく純粋炭素鋼系のように思います。 しかしコミの成形などについては私の好みよりは細くて長い印象で、 欲張りを言うと正直あまり気に入らないので、切れ味を試験したら、 いずれ骨董市回りの資金用にでも放出しようと思います。
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