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こんにちは、すっかりおサボリしてます。 三日前、こんな鑿が届きました。 最近知り合った狛犬さんからお送り頂いた物で、六分幅の叩鑿です。 これは狛犬さんのお爺様の形見の鑿とのことで、「重正」の刻印が捺されています。 狛犬さんのお爺様は主にトタン板金を専門とする大工さんでした。 しかし数年前にお亡くなりになり、ご所蔵の名品は方々に分散してしまいました。 この鑿は持ち主亡き後、新しい持ち主の使用により、かなり傷んでしまったため、 修理にやって来たのです。 「重正」といえば真っ先のに思い浮かぶのは、会津の重正ですね。 会津・重正は、明治頃から昭和まで数代に渡って続いた名門の鍛冶屋銘だった、 ―と、思います、・・・・・確か。 古・会津の刃物は豪快な切銘が多いですが、昭和辺りまで時代が下ると 刻印と切銘両方が打たれた作品も出てきたのではなかったっけ?―と、 ヤフオクで仕入れた曖昧な記憶を探ってしまいます。 どうもハッキリしたことが分からないので、今度土田さんに聞いてみよう。 一見して裏の深錆や、研ぎ崩れが目に付きますが、柄自体にも歪みが出てますし、 口金や桂(カツラ)にも捲くれ上がった傷みがありますので、柄の打ち直しの前に、 それらのパーツを直す所から始めることになりそうです。 この鑿の柄には幾つか問題がありますが、 柄の歪み具合はこうすれば分かり易いでしょう。 ご覧のとおり緩く「く」の字を書いて曲がっています。 この一本に限らず、この手の歪みは他の古い鑿にもよく見られます。 当然、仕込みの精度に問題があったのだろうと思いますが、 このような歪みが多いのは柄の樫材が乾燥不十分で動いたなんてことも、 原因の一つとしてあるのではないかと最近は考えるようになりました。 木取りにしても、使用者自身が鉋台や鑿の柄を打つことが多かった昔は、 狂いの少ない良質な部分を鉋台に使い、余った部分を鑿の柄に使うことが、 一般的に多いとのでなないかと思うので、必然的に鑿の柄には最高品質とは いえない質の樫材が使われたのか?―などと思ったりしています。 さ〜、これからが本番だ! ・・・・・っといきたいところですが・・・・・。 実は今、最近の暑さでバテちゃっています。orz 今は何とか夏バテに負けないよう、水分と塩分・糖分を補給して、 精を付けるしかないですね。 そんなわけで・・・・・。 ってことでもないですが。(笑) 最近近くに安くて質の良い物を置く八百屋さんが出来たようで、 家族が桃を買って来ました。 そして盛り合わせは母の実家からの物。 ご馳走様です。 なんとなく元気が出てきたように思います。(笑)
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鑿(のみ)
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前回に続き、三分鑿の仕込みです。まず裏は錆びの朽ち込みが酷い上、前所有者の裏押しの制度がサイテーで、 そのままではとても使えた物ではないので、裏出しをして刃先を出します。 コミはこうして見ると普通ですが・・・・・。 実はややオベリスク型で、先に行くほど細くなっています。 これはかなり短い和釘のような形状とも言え、現代の砲弾型のコミと比べると、 柄の穴の奥の方の彫り込みが狭くなり、やや仕込み難い形状です。 このような形状のコミは江戸時代以前の鑿に多く見られ、それもあって、 一時は玉鋼製かと疑った訳です。 このようなコミ先が細い鑿の柄の仕込みには、手揉みの三つ目錐が便利です。 現代は西洋式螺旋方ドリルが、穴あけ仕事の王座についていますが、 こんなときは日本の伝統的な錐が有利なんですね。(笑) 仕込みました。 鑿の全体的な姿が細くて華奢な印象の作りですので、柄も細く長く作っています。 また物の本には叩いて使う鑿の柄は細く長い方が「効く」とありますので、 元の柄よりはその辺りも改善したかもしれません。 センターがくの字になった元の柄の二の舞はゴメンですので、四方どこから見ても、 センターが通るよう、丁寧に仕込みました。 これでこの三分鑿の仕込みは終わりです。 しかしまだまだ他にも仕込み直しが必要な鑿が何本もありますので、 追々仕込んだ物から載せていきます。
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最近、大分前にヤフオクで入手した鑿の仕込み直しなどの手入れをしました。 ちょっと見にも分かると思いますが、首と口金の噛み合わせがずれています。 どうやら技術的にかなり劣悪な仕込まれ方をしたようですね・・・・・。 当然こんな仕込まれ方をした柄などは使い物になりませんので、柄を打ち直します。 柄を取り払ってみました。 見る人が見れば、色々難点に目が行ってしまうことでしょう。 私も首の径に対して、もう少しコミが太ければと惜しんでしまいますが、 全体的には印象の良い姿をしていて、作り自体は丁寧なようです。 「山定」の銘。 ハテ、どこの商標だろうか? 地金は日本鉄かは分かりませんが、現代物の極軟鉄では無いようで、 大変研ぎ易いです。 鋼も形良く巻かれていますが、種類は良く分かりません。 細かい砥石で研ぎあげて見ると、鋼部分に積層状の模様が見られたので、 もしや玉鋼?っと思い、三軒茶屋の土田さんに見て頂きましたが、 多分違うとのことでした。 土田さんによると、玉鋼のように折り返し鍛えた訳ではなくても、 鋼の繊維が縞状に現れ、それらしく見えることがあるらしく、さらに、 この鑿の裏鋤がグラインダー研磨による物なので、時代的に違うはず、 ―と、丁寧に教えて頂きました。 それにしてもヒッドイ歪みだなぁ〜! よくこんなセンターがメチャクチャな精度で使えたものだ・・・・・。 駒沢公園で貰って来た桜材の丸太を切り出し、丸く整形して柄にしてみました。 ここまでの仕込みは過去に仕込んだ他の寸法の鑿と全く同じ要領です。 コレ結構大事なんですが、口金と柄の繋ぎ目を平面に落としたままにしています。 一分から四分位の鑿はこの部分に重心の中心が来てシーソー状態になるので、 こうせず角を全て落としてしまうと、この部分で転がって行ってしまいます。 もしもそれが運悪く高い場所だったりすると、下に落ちて危険ですし、 刃先もタダでは済まないでしょう。 それを防いでこの部分か柄の握り全体を角形にしておくと、転がらずに安全です。 その二に続く
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三月あたりに森平さんからお預かりして来ました。 清久は今人気の越後鑿で、予約数年待ちとかになっていそうです。 お気づきの方もおれると思いますが、刻印が今の物と違いますね。 森平さんによるとこの鑿の作者さんは「確かもうお亡くなりでは?」とのこと。 伺った話などからして、現在活躍されている清久さんの先代の作でしょうか。 この鑿について特に印象に残っているのは、圧倒的な研ぎやすさです。 硬度的にはそれほど甘くないのに、良い感じのカエリがポロポロ出てます。 非常に粘りを感じる刃味で、ビックリする位鋭い刃が付きました。 地金も和鉄か何かの錬鉄で、それも研ぎやすさに貢献しているのでしょう。 唯一惜しまれるのは写真写りの悪さです。 悪戦苦闘するも、折角の綺麗な模様が写らなかったのは悔しいです。(泣)
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ブログ休止中に森平さんからお預かりして来た鑿です。 大分前に仕上てお返ししてしまったものですが。(笑) 寸法は一寸六分と二寸。 倉庫の奥から出てきたそうで、防錆塗装の上に薄っすらと乗った錆が、 古き良き時代の雰囲気を醸していますね。 遠目にも高級鑿の雰囲気ですが、実際に細部まで眺めて見ても、 丁寧な仕事ぶりが伺えます。 複数裏鋤鑿と通常裏鋤鑿。 複数裏鋤鑿は一度平面を出せば後の平面維持に役立ちますが、 一番最初の裏押しをやりすぎると一発でベタ裏なる恐れもあります。 慎重にやらないといけない部類の裏です。 昔の値札が。(笑) 今なら絶対こんな値段では手に入りませんね。 裏を軽く砥石に当てて見ると、全然砥石に当たらない箇所が・・・・・。 こういうときは鉋でなくても裏出しが必要になったりするので、 なかなか手こずります。 結局仕上がりはこうなりました。 今回はできる限り横研ぎはせず縦方向のストロークで研ぎ上げたので、 普段以上に苦労しました。 特にこの鑿は微妙に片側の鋼が厚くなっているので、力の入れ加減が難しく、 それ故平面維持にも非常に気を使います。 一寸六部の鑿は残念ながら極軟鉄地でしたが、二寸は質の良い錬鉄が使われていて、 研ぎ上げると綺麗な模様が出てきました。 ・・・・・が、どういうわけかこの鑿、非常に写真写りの悪い鑿で、 どうやっても模様が映りませんでした。(泣) 地艶を頑張ったので、テカテカの光沢ですが、 思えばそれが理由で写真写りが悪かったのかもしれない。 一寸六部の鑿は極軟鉄地でしたので模様のことは気にする必要が無く、 撮影は簡単に終わりました。(笑) 地金に関しては一寸六部が極軟鉄地ですが、二本とも刃味は素晴らしく、 硬い鋼で粘り強く、研ぐと延國の鉋を思わせる気味の良いカエリが出ます。 本当に昔は良い道具が沢山あったのですね。
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