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JAZZな家造り(^^♪
尼崎市空家活用アドバイザーになりました。

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断熱材考−プロロ−グ

ちょっとタイトルが重いかなと思いながら、
家の断熱について色々と記事にしてみようと思います。

普通こういう場合、すぐに断熱材の比較検討にいくのですが、芸がないので、
断熱材先進国である欧米と、近年急速に高気密高断熱化が促進されている日本
との断熱的に家造りの視点での根本的違いについて、
まず語ってみたいと思います。

実際、日本の家で断熱という概念が登場したのは、50年くらい前だそうです。
歴史は浅いのですが、当初は断熱してもあまり効果がなかったそうです。

別に断熱材をケチっていたわけでなく、グラスウ−ル100mm厚を使っても
あまり効果がなかったらしく、要するに断熱しても家屋に気密性がないので
効果がなかったということらしいです。

日本家屋は、上棟時に床を後回しにして一気に屋根まで作り上げる工法です。
その結果、いわゆる壁勝ちの家になっています。それに対し、欧米の家は、
全てではないと思いますが、床勝ちの家になっています。

この違いは断熱において大きな差となって現れます。

日本の軸組みの家は、日本の気候風土が培った風土建築で、床下から小屋裏
まで空気が繋がっている通気性の良い家です。
躯体内の空気は、熱環境の変化に応じて呼吸するように入れ替わり、
熱の籠りにくい仕組みの家なのです。

結露は暖かい空気が急激に冷却されることで水蒸気が飽和状態になり
水に変わることで起こります。
断熱化されることで内外に温度差が生じ、接点で結露が起きることになります。
接点とは主に外壁の内部にあり、壁体内結露と称しています。

当時の断熱材とは、グラスウ−ルだったのでしょうから、透湿性も高いが
吸水性も高く、濡れると断熱性能は著しく落ちる材料でした。
断熱性が落ちることでより結露に拍車がかかり木部が腐食するなど
構造的な問題に発展することもあったようです。それを解決する方法として
壁体内の湿気を外部に放出する通気工法が考案され、現在に至っています。

軸組みの家は通風に重きを置いて、床下から屋根まで空気が繋がり熱が
躯体内部に籠らない呼吸する造りになっているので、床下から上がって
くる湿気を遮断するために、防湿フィルムの上に土間コンを打ったり、
ベタ基礎にしたりでかなり改善されています。

壁体内に湿気の流入を防ぐために床下をドライにしておく必要があるのです。

もう一つの方法は、床下の空気が壁に流入しないように通気止めを入れる
方法です。しかし、それは呼吸する家としての風土が培ってきた日本家屋
の最大の長所を失うことになりかねません。

壁体内への室内からの湿気の流入も考えておく必要があります。
セッコウボ−ドは透湿抵抗が低いので壁体内湿度が室内より低い場合、
壁の中に湿気が流入することになります。

そこで考案されたのが気密シ−トです。実は内装仕上げ材として利用される
ビニルクロスの透湿抵抗はとても高いと言う事実を皆さんはご存知でしょうか?
いわば、気密シ−トを壁装材にしたようなものです。

ただ、壁装材はビニルクロスだけでないので、吸放湿性の内装仕上げ材を
使用しているかぎり気密シ−トは必要となります。
でも、ビニルクロスばかり使用するなら、気密シ−トなどいらないかも
しれないと思います。高気密住宅である2x4で壁体内結露が起きた例
があるそうですが、恐らく、ランバ−にグリ−ン材を使用していたか、
お金持ちの家で本クロスでも使っていたのではと思います。

断熱先進国である欧米の家は床勝ちの家で、床下の湿気は壁には上がりません。
なので、断熱が効果的です。特に2x4は床勝ちの家ですので、
床・壁・天井・小屋裏の空気は繋がらず独立していて断熱に向いた工法です。

通気工法は、壁体内の湿気を外壁通気層に集め、太陽熱を利用して通気層内の
空気を温めて上昇させて、小屋裏などに設けられた換気口から排出という
方法で湿気を屋外に放出する方式です。
しかし日の当らない北側の外壁は太陽熱で温まりませんよね。北側の通気層内
の湿気は排出されないことになりますが、大丈夫でしょうか?

2x4のように透湿抵抗の高い構造用合板を外壁面材に使用していては、
気密シ−トの上に透湿シ−トを貼っているようなものなので、壁体内の湿気は
通気層に放出されません。壁体内結露を防ぐことができません。
軸組みも2x4のように耐震壁に構造用合板を使いますので、通気工法にしても
壁体内結露を防ぐことができません。

通気工法を採用する時には透湿抵抗の低い構造用面材を使用しなければ
意味がありません。断熱性能は家を総合的な視点で見ていかなくては効果
が期待できません。

ネコも杓子も通気工法なら大丈夫と思いがちですが、通気層まで湿気を
呼び込む仕組みを確立しなければ無意味だということです。

でも、外壁トラブルになっていないのは何故でしょうか?
それはトラブルが表面化しない工法だからです。通気工法は二重壁工法
なので、表面にトラブルが表れにくいのです。
長期優良住宅には通気工法が義務付けられていますが、外壁に透湿抵抗の高い
構造用面材を使用して、通気工法を必要とする断熱材を使用している家は、
法的に長期優良住宅と認定されても、本物の長期優良住宅ではないと考えて
います。

極め設計職人としては、透湿抵抗の高い構造用面材を使用する2x4住宅に
おいて、通気工法を必要としない優れた断熱材を採用し、原則として
通気工法を採用いたしません。そのため…
通気工法を義務付けられる「法的な長期優良住宅」に認定されません。
でも、法的な長期優良住宅よりも遥かに長期優良住宅です。
*お客様が融資等の条件で「法的な長期優良住宅」を望まれる場合は、
 問題点を説明し、十分了承の上で採用いたします。これまで採用はありません。

H25年度省エネ基準で、省エネは数量化できるようになり、断熱という
視点から省エネという総合的な視点で評価できるようになりましたが、
基本は、設計者がその意味するところを理解し、適材適所で意味ある選択
をし、意味ある仕組みにしなければならないと思うのです。

では、次回から断熱材の各論に入りたいと思います。

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