僕とチータのジャズ日記

お久しぶりです、オダギリです。まだ生きています!

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その昔、京浜急行の川崎駅前でジャズのCDを売っている男を見たことがある。
ちょうど書店の前からわずかの、商店街とラブ・ホテルへ行く道の交差点のところだ。
すぐ近くにコナカという男性衣料品の店があったはずである。
そのコナカの向かい側で、黒ぶち眼鏡の男がワゴンにジャズのCDをどっさりと並べていたのである。
私は会社からの帰宅途中ではあったが、思わず足を止めた。
というのは、その男がCDを売りながらラジカセで「テイク・ファイブ」を流していたからである。
しかもそれはかなりの大音量であった。
あの街角であの曲を流すとは、ハマりすぎだと思った。
あの場合、ユーミンの「守ってあげたい」やサザンの「いとしのエリー」はどう考えても似合わない。
いくら川崎だといっても矢沢の「PSアイ・ラヴ・ユー」でもないだろう。
あの場合はクールな「テイク・ファイブ」しかない、と思う。
近くには川崎市役所、そしてその隣になんとかいう文房具の店があり、
その斜め前には一度も入ったことのないとんかつ屋があった。
覚えているのはすえた臭いだけだ。
なんだかガラの悪いところだったなと記憶している。
いつだったか牛丼の吉野家の前で、大学生とおぼしき三人組が「なめんなよお〜」と
浮浪者風のおっさんを店の外につまみだしてこらしめているのを見たことがある。
なぜ牛丼屋で牛丼を食べている最中に喧嘩が始まるのかまったくもって理由がわからないが、
あの通りはそういう通りだった。
昼間歩いても寒々しく、なんだか怖いなぁという印象しか残っていない。
何度かブログでコメントしているが、私の勤めていた会社がその通りの近くにあった。
JR川崎駅と京急川崎駅からちょうど同じぐらいの距離ではなかっただろうか。
何かの用事でラオックスに行ってはテーブルタップを買い、金物屋に足を運び、
そしてなんとかいう書店で本を漁り、今はなき西武百貨店川崎店でYシャツを買ったりした。
昼でも薄暗い商店街にある傘屋に傘を買いに足を運んだことも一度ではない。
JR川崎駅前にはさいか屋という庶民的なデパートがあり、
まだ出張で川崎に来ていた時に随分お世話になった。
外回りでくたくたとなり、帰りついた時にさいか屋に寄って夕食を買い食べていた。
そのときに食べたものにミルフィーユがある(夕食ではないが)。
単なるケーキなのだが、これを食べた時にこんな美味しいケーキがあるのかと感動したことがある。
それがさいか屋の地下食品売り場で購入したものだった。
私の場合、川崎の話をするとこんな具合にいくらでも出てくるのだが、
以前私が書いた「雨」という物語は、実は川崎駅前のとあるイタリア料理店がモチーフになっている。
アゼリアという名の地下街の出口からすぐの店だった。
今はもうあの店が存在するのかどうかもわからない。
川崎の街を離れ帰郷してから、私は一度もあの街を訪れていないからだ。
それにしても横山やすし似のあの男は、
自分がポール・デズモンドに似ているから「テイク・ファイブ」をかけていたのだろうか。
そうだとしたら出来過ぎた話である。
ひどくジャズの似合ううらぶれた川崎の街が私は好きだった。
もしかするとあの男は、今でもジャズのCDを売り続けているかもしれない。
いつかもう一度川崎へ行き、確かめてみたい気がする。
 
 
 
 


(この記事は2009年分の再掲載です)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
小説「雨(上)」
http://blogs.yahoo.co.jp/newjazzcat/58442503.html
 
小説「雨(下)」 
http://blogs.yahoo.co.jp/newjazzcat/58442519.html
 
 
 

閉じる コメント(2)

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おはようございます。ご無沙汰でした。
もう40年近く前、川崎の競輪場に何度か行きました。焼きイカの匂いがするんですよね、川崎って。「テイク・ファイブ」、懐かしいです。大学に入ってすぐのころ、東京のビル群をヘリコプターから撮影した資生堂の男性整髪料のCMのBGMで。そうですか、川崎でジャズってもっとも似合わないような気がしましたけどね。何か、演歌って感じです、今も。

2011/7/4(月) 午前 7:21 やま

yama兄さん、お久しぶりです。川崎というと、競馬、競輪ですね(笑)。イカの匂いだといいのですが、私がいた頃は、すえた匂いがしていました。それでも懐かしく感じる街で、もう一度訪ねてみたいですね。「テイク・ファイブ」は、ヘリのCMの他にもCMで使われていたと記憶しています。確かにジャズはお洒落な音楽だと思いますが、ミンガスやローランド・カークを聴いていると、何か泥臭いものも感じます。あのときの「テイク・ファイブ」は、荒んだ都会の夕暮れに似合っていましたし、妙な臨場感がありました。時刻も確か夕方六時前後ではなかったかな・・・。もちろん川崎は演歌も似合う町です(笑)。

リコメ遅くなり、すいませんでした。

2011/7/9(土) 午後 2:17 オダギリ&チータ


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