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エンニオ・モリコーネ (ネタバレ注意! 映画のあらすじが書いてあります) 映画「ニュー・シネマ・パラダイス」を観た。 ヤフーで「私の好きな映画」と入力して検索し、 ほとんどのHPでベストテンにランクインされていた、大変に人気のある映画。 ノーカット版は3時間の大作。イタリア作。 数々の映画賞を受賞していて日本でも大ヒットした。 主人公が映画館の映写技師の手伝いをしているうちに映画にのめり込み、 ついには映画監督になる物語。 うしろで流れるエンニオ・モリコーネの音楽が例えようもなく美しい。 映写室の火事で失明した年老いた映写技師は、主人公に向かって言う。 「こんな仕事を続けてはいけない」と。 将来性のさしてあるとは言えない、お金のまったく儲からない映画の仕事に 就くのをやめろと言う。 しかし主人公は聞く耳を持たない。 「僕は大好きなこの仕事がやりたいのだ」と。 やがて青年になった主人公は失恋を機に故郷の村を出ていく。 駅に見送りに来たその技師は主人公に言う。 「もうここには帰ってくるな」と――。 なぜ技師は「帰ってくるな」と言ったのか。 それは「都会に出て大成しろ」という意味だった。 母と妹を置き去りにし映画館をも置き去りにして青年は村を出ていく。 そしてその後30年間、本当に一度も帰らなかった。 やがて主人公が壮年となり、映画監督としての日常に埋没していたある日、 『あの映写技師が亡くなった』との母からの電話がはいる。 そして彼の葬儀に出席するため、実に30年ぶりの帰郷・・・。 そのとき昔の思い出が、まるで湧き出る泉のように主人公の心に溢れ出す。 映写室で無数に見た映画のワンシーン・・・。 お世話になった技師のことや映画館に集まっていた人々の顔、 初恋の人、母と妹、そして初体験の相手・・・。 人は歳を重ねれば重ねるほど、思い出の中を彷徨うようになる。 それは若いころのような出会いが少なくなったり、 心ときめくことが起こらなくなったりだとか、たぶんそういった理由からだろう。 しかし一番の理由は、仮に同じことが歳を取って起こったとしても 若いころのそれに及ばないということではないか。 主人公が30年ぶりに戻ってきた村で、 初恋の人に似た女性を見つけ執拗に追いかけるシーンがある。 今で言う立派なストーカー行為だが、なぜ功なり名なりを成し遂げ、 いつもいろんな女性と付き合っているひとかどの中年映画監督が、 30年も前の、しかも破談になった初恋の女性に会おうとするのか。 作家の遠藤周作が生前TVのインタビューに答えていた。 彼は20代の時に初めてフランスへ留学しているが、 最初の渡仏のときの素晴らしさを超えるものは そのあと何度フランスを訪れてもついになかった、と。 それぐらい彼にとっても青年期の体験は素晴らしいものだったのだ。 私もこんな歳になり、語る思い出など大したものがないのだが、 それでもやはり若いころのあの楽しさを超えるものは、 残念ながら今の自分の生活にはないように思う。 若人よ、行動せよ! そしてこれからも青春しよう。 どうかいい休日をお過ごしください。 |

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