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http://www016.upp.so-net.ne.jp/yama38 大阪先物研・ホームページ編集長の意見を掲載します。

先物取引

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(1)総合取引所構想実現のため、金融商品取引法の定める金融商品に商品先物取引を加えた改正法が2012年9月に成立した。そして、本年6月19日、内閣府副大臣が、衆議院経済産業委員会において、証券・金融・商品を一括的に取り扱う総合取引所での円滑な運営のための法整備に関する議論の中で、委員の質問に対し「商品先物取引についても、金融と同様に、不招請勧誘の禁止を解除する方向で推進していきたい」旨の答弁を行った。これは、総合取引所において商品先物取引業者に対しても監督権限を有すこととなった金融庁が、総合取引所に関する法規制について、不招請勧誘禁止を撤廃する方向での検討を進めていることを示している。                           
 
(2)改正金融商品取引法の施行が2014年3月と迫っている中、金融庁は、現在、施行令等の改正作業に取り組み中であるが、現行の施行令(金商法施行令16条の4第1項)では、店頭デリバティブ取引のみが不招請勧誘禁止の対象に指定され、市場デリバティブ取引は対象外であることから、今回国内の商品先物取引を不招請勧誘禁止の対象取引に加えなければ、現行の商品先物取引法下で禁止している不招請勧誘禁止が撤廃されることになってしまう。しかし、当会は、商品先物取引についての不招請勧誘規制を撤廃することに、強く反対する。
 
(3)そもそも、商品先物取引についての不招請勧誘規制は、商品先物取引業者が、不意打ち的な勧誘や執拗な勧誘により、顧客の本来の意図に反した取引に引き込み、多くの被害を生んできたという歴史的事実を踏まえ、消費者・被害者関係団体等の長年にわたる強い要望が積み重ねられた結果、ようやく、2009年の商品取引所法改正により、実現したものである。
 
昨年2月から6月にかけて開催された産業構造審議会商品先物取引分科会における議論において、不招請勧誘規制を見直すべきとの意見が出されたものの、日本弁護士連合会が2012年4月11日付意見書において同規制の維持を主張し、分科会報告書も、「不招請勧誘の禁止の規定は施行後1年半しか経っておらず、これまでの相談・被害件数の減少と不招請勧誘の禁止措置との関係を十分に見極めることは難しいため、引き続き相談・被害の実情を見守りつつできる限りの効果分析を試みていくべきである」、「将来において、不招請勧誘の禁止対象の見直しを検討する前提として、実態として消費者・委託者保護の徹底が定着したと見られ、不招請勧誘の禁止以外の規制措置により再び被害が拡大する可能性が少ないと考えられるなどの状況を見極めることが適当である」とされ、商品先物取引についての不招請勧誘規制を維持することが確認されていたところである。
 
(4)このように、商品先物取引についての不招請勧誘規制は、深刻かつ悲惨な被害の多発を受けて導入されたもので、産業構造審議会商品先物取引分科会が取りまとめた報告書においても規制維持の必要性が確認されているところであり、それから間もない現時点において、何らの検証もなく、規制を撤廃する方向で検討することは極めて不適切である。
 
(5)商品先物取引についての不招請勧誘規制の導入以降、商品先物取引に関する苦情件数が減少する一方で、不招請勧誘規制を潜脱する業者の勧誘により消費者が被害を受ける事例が、なお相当数報告されている。政府は、商品先物取引の出来高が大幅に減少していることを懸念し、その市場活性化対策として、再び、商品先物取引の不招請勧誘禁止規制を撤廃しようとしているが、そもそも商品先物取引が個人投資家に敬遠されているのは、他の金融取引と比べて、格段に複雑で投機性の高い取引であることのほか(しかもゼロサムの世界である)、過去に不招請勧誘を行う業者によって多くの個人投資家が被害に遭ったことにより、「先物取引は危ない」との認識が個人投資家に広まったことが一因と考えられる。不招請勧誘禁止を撤廃すれば、個人投資家の商品先物取引被害が再び増加するおそれが非常に高く、かえって総合取引所全体に対する信頼を損なうこととなる。
 
(6)よって、消費者保護の観点から、総合取引所において取り扱う商品先物取引について不招請勧誘禁止を撤廃することに強く反対するとともに、改正金融商品取引法施行令には商品先物取引に関する市場デリバティブを加えるよう強く求めるものである。
 
(1) 5月30日の日経新聞夕刊によると、電力制度の抜本的な改革に向け、経済産業省が検討する包括策として、数カ月先の電力を売買できる先物市場を創設し、電力価格の変動による影響を避けられるようにする。電力卸売市場の運営主体の資本や役員構成も見直し、中立性を高める。電力会社の発電事業と送配電事業を分ける「発送電分離」で具体的な制度設計も進める。とのことである。
 
(2) しかし、当ブログは、電力先物市場の創設に反対である。
 
 日本において、先物市場で商品等の価格変動リスクを回避できることはない。既存の上場商品でも、先物市場における価格はその商品の実取引の価格を反映していないことから、実際にその商品を取引している業者がリスクヘッジのために先物市場を利用していることはないとされている。
 
 既上場の商品ですらそうであるのに、新たに上場した取引で、現実の価格を反映して、実際の取引のリスクヘッジに、先物市場が役立つとはおよそ考えられない。コメの上場が、取引量の低迷で失敗に終わっていることにも、思いを致すべきである。
 
(3) また、電力の流通価格の決まり方など、極めて不明確、不透明で、かつ、経済状況よりも、むしろ政治状況に左右される面が大きいと考えられる上に、まだまだ原発問題も流動的で、一般人には全く予期できない、価格の大変動も懸念されるところである。
 
 そのような市場に、一般の投機家を引き込めば、予期せぬ不当な損失を被らせることにもなりかねない。
 
(4) あるいは、実市場では電力価格など決めようがないので、先物市場の価格に従おう、などということになれば、原油の先物市場が原油価格を不当に高騰させて社会問題になる、などというのと同じ問題も起きかねないものである。
 
(5) 日本で、先物市場の価格で実取引の価格変動リスクをヘッジしようなどとしても、うまく行くはずがない上に、算入した一般投機家の予期せぬ不当な損失も懸念されるところであるから、日本で電力先物市場など、創設すべきではない。
(1) コメが8月8日から東京穀物取引所と関西商品取引所で上場され、東京は1万3500円に設定した基準値を上回る1万8500円前後の注文が相次ぎ、値段が付かず、関西では1万9210円などを付け、実態を無視した非常な高値を付けて市場が始まった。
 
  〔72年ぶりコメ先物復活 買い殺到、波乱の初日〕(東京新聞)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2011080902000021.html
 
(2) 原発被害で、安全なコメに高値が付くだろう、という思惑で高い値段が付いているのだろうが、東京で取引されているのは、茨城、栃木、千葉産の「関東コシヒカリ」で、ホットスポットで作られたそれらのコメに基準値を超える放射性セシウムが検出された、などということになると暴落どころか大混乱のうちに取引停止となって、かつてのパラジウムのように、「仲裁価格」で終わらせるのことになるだろう。
 
(3) そういうことを睨みつつ、コメ相場は、乱高下を繰り返すことは明らかである。
 
 基本的には供給不足を予想して大幅に値段が上がるものと予想されるが、風評被害などが出た途端に暴落し、要するに乱高下の繰り返しとなることは必定である。
 
(4) そのような市場であるから、JA(全農)も大手卸も、要するに買い手側も売り手側も、巨人が参加しておらず、ギャンブラーばかりが参加して、日本の主食を材料に、勝手なギャンブル相場を作り、意味もなく非常に大きく乱高下している相場が明らかになるものと思われる。
 
 今後ますます、コメ市場の混乱がただでさえ予想される中で、市場をかき乱す、先物市場でのギャンブラーの存在はコメの流通に重大な悪影響を及ぼすことになる。
 コメの商品先物取引市場への上場に反対である。

(1)商品先物取引の業界紙・商取ニュースの平成21年8月7日号に、「先物行政の”規制から育成へ”の転換は幻だった!?」という論文が掲載されている。

(2)冒頭に、商品先物事業から撤退した、SBIフューチャーズの北尾吉孝氏の「国に先物業界を育てようという意思が全く感じられない」という言葉が紹介され、確かにこの国には、先物業界を育成する意思がないとしか思えない、としている。

 同論文はまた、「当業者に対して価格変動リスクの先物対応を促すという発想や政策が無ければ、肝心の市場流動性が高まらないから、ハイリスク・ハイリターンだけの投機市場に貶められざるを得なかった。」とし、戦後日本では当業者を価格変動リスクに晒さない政策が取られたから、適正なリスク回避の場としての先物取引市場が成長しようがなかった、としている。

(3)なるほど、日本の経済界にはリスクヘッジの場としての先物取引市場は、そもそも存在する必要がなかったようである。今次、産業一般の、保護育成の政策が改められようとしているが、同時に、消費者保護の機運も高まり、消費者庁も設立され、先物業界についても、まずは消費者保護の徹底が図られることとなった。

 消費者保護の観点からは、突然の電話勧誘により、予備知識もないまま、セールスマンから「確実な投資だ」と思い込まされて先物取引で大損するような被害者が毎年、多数出続けるなどということが許されないのは当然で、まずは不当勧誘規制がさらに徹底されるべきは明らかなのである。

(4)再度、確認しておくが、証券取引所は、株式交換の場、現に株式を時価で売買する場であって、現在の株式会社制度に不可欠のものである。そして、そこでの投資活動は、一面、賭博としても面もある、というものである。これに対して、先物市場では、現実には何の売買も行われず、単に、商品の値段の上がり下がりをもとに、それを当てれば儲かり、外せば損をする、という博打の場が提供されているだけで、その博打の場をうまく利用することで、当業者のリスクがヘッジできる、というものなのである。

 株式交換の場は現代の経済活動に不可欠であるが、本来的な博打場は、その他の経済活動に役立って初めて存在の意義があるところ、意義が見いだせないのなら、博打場で大損する人が多くて社会問題になっている、という中でそんな博打場を存続させる理由は全く無いのである。

(5)原材料を購入する当業者としては、闇雲に買い続けなければヘッジにならないのであるから、機を見て売買できる一般投機家は、ある意味、利益を得られる可能性も低くないはずである。

 まずは先物取引被害を撲滅し、当業者と、本当に分かった人だけが参入するまともな市場になれば、それなりに市場存続の意味で出てくるところ、先物取引被害が撲滅されないならば、「市場廃止」ということ以外に選択肢が無いことは明らかだと、再度、申し上げておきたい。

(1)与謝野財務大臣が、商品先物取引のオリエント貿易から迂回献金を受けていたことが明らかになった。http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/political_fund/?1245820633

 与謝野氏は平成10年から11年に商品先物取引会社を所管する通産大臣も務めている。迂回献金は平成4年から平成17年の間に行われているから、職務権限の問題も当然浮上するが、当ブログとしては、オリエント貿易(現エイチ・エス・フューチャーズ)について、その被害実態を明らかにする。

(2)オリエント貿易というのは、必ず儲かると言って勧誘するなどして、本年2月、経済産業省の処分を受け、http://www.meti.go.jp/press/20090220004/20090220004.pdf
また、先物取引被害全国研究会の判例集によれば、顧客への不当勧誘などを理由に敗訴判決を15件受けている(地裁、高裁で同じ事件が二重にカウントされている分を含む)。

(3)また、オリエント貿易の敗訴判決の中には、顧客からの注文の電話録音の捏造までが問題になった事件まである。

 この事件は、ある顧客が、自分の認識している取引状況と、オリエント貿易からの報告書の内容が大きく違ったので同社に苦情を言うと、全く記憶と異なる担当者との会話の録音が示されて、約800万円分の損失の負担を強いられたので、その顧客が同社を訴えたところ、地裁、高裁とも、同社の示す録音が、改竄された可能性があるなどとして顧客の言い分を認め、約900万円の賠償を同社に命じたものである(弁護士費用等を含む)。
http://www016.upp.so-net.ne.jp/yama38/20080711184516326.pdf
http://www016.upp.so-net.ne.jp/yama38/20080711185254287.pdf

(4)オリエント貿易のような問題の多い会社であればあるほど、具体的な請託はなくとも、経済産業省の処分等に備えて、有力政治家に日頃から献金をしておこうと考えた疑惑が生じるものであろう。

(5)いずれにせよ、問題の多い商品先物取引会社から長年にわたって、しかも所轄の通産大臣の時代も含めて、多額の献金を、しかも、違法な迂回献金の形を取って受領してきた与謝野大臣の行為は、極めて問題であるとことは明らかである。

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