SF小説 新世界D.C.2017

【毎週連載】西暦2017年、人類は初めて地球外生命体からコンタクトをうけ、新しい世界がおとずれる・・・

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(156)断絶

カールはダムから数百メートル離れた橋の上から、双眼鏡でダム施設周辺で暮らす住人を観察した。

「ミスターゴーン、彼らの生活レベルは非常に低次元な文明レベルのようです。
観察した限りでは、トリュフに相当する人間がいるような、文明を感じるような生活の痕跡を見つけることができません。
直接行ってみるしかないかもしれません。
しかし、それには危険があるかもしれません。」

「たしかに、故郷フランスでは、あれほどひどい環境で生活している人間は見たことがありません。
あれが、人間と言えるのかどうかも定かでないほどですね。」

「ええ。
殆どの人間が、人工的な衣服を着ていませんし、道具も非常に原始的なようです。
電気も通っていないようです。」

おそらく、彼らは、旧文明と断絶したままになってしまったのでしょう。
旧文明の残した物資との接触の機会が全く無かったのかもしれません。
しかし、我々も、自らの手で製造した衣服を着ているわけでもありません。
また、自らの手で製造した道具を使っているわけでもありません。
旧文明が膨大に残していった物資を利用することができなければ、我々も彼らと大差なかったと思います。」

「ええ。
私達、ドイツやあなた方、フランスにおいても、いずれ旧文明の残した製造物資を消耗しつくしたら、
彼らと同じ文明レベルに陥るかもしれないと思うと、
大変に脅威を感じます。」

「私も同じことを考えていました。
我々は、そうなる前に、旧文明と同水準の機械文明、工業製品製造技術を獲得する必要がありますね。」

「しかし、人口の99.999%が殆ど盲目の今の人類に、それができるでしょうか?」

「たしかに。
そのためには、私たちと同じように視力のある人間がもっと必要です。
そのためには、なぜ、人類が視力を失ったのかを解明し、
どうやれば視力を取り戻すことができるのかを研究する必要がありますね。」

二人の話を、ずっとおしゃべりだったアンドロイドのミス、アンは黙って聞いていた。

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