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◆詩人 平塩清種さんの詩にかけた、熱き想いを紹介させて頂きます。
詩集「穏やかに そしてまた 穏やかに」あとがきより...◆
私が詩を書こう、絶対に書きたいと心に決めたのは、
貧しさに打ちひしがれ、生きる勇気を失いつつあった数十年前の12月24日の夕暮れ時。
その時の出来事が、私を創作活動へと導いたのです...
ケーキを買う金もなく、
妻や子の待つ家に、帰るに帰れぬそんなとき、
町で親友のA君と出会いました。
確かに目があった瞬間、彼は目をそらし、無言で路地に消えました...
そう、私を避けたのです。
何か私に無心をされると思ったのでしょう。
その屈辱感に私は身を震わせました。
親が逝ったそのときにも泣かなかった私が、妻子を前に初めて泣きました...
"子供達よ、地位や名誉やお金など何もなくていい。優しさだけは蓄えなさい。
困っている人に出会ったとき、その人を避けて通る、そんな人にだけはなるな"
と泣きました...
次々と襲い来る、予想もしない不幸な出来事に対処するすべもなく、
精も根も尽き果て、わが身の不幸を嘆いていたとき、
新聞の片隅から、心に飛び込んできた一つの言葉が、
私の人生を変えました......(つづく)
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