渋谷レコード店日記-アナログレコードコレクションのススメ

渋谷の中古レコード屋next. recordsで日々思ったことやレコードについて書いてます

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このレコードはオリジナル盤ですか?

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いつもウチのnext.でレコードをご利用していただいているとある常連のお客さんがお店にきてくれました
「こんちわ〜!」と挨拶していると何やら神妙な面持ち・・・の様子。
「あの〜ちょっとこのレコード見てもらいたいのですが・・・・」とトートバックから一枚のレコードが出てきました。
その手にとったレコードは、世界的にも知名度の高いレア盤12インチで18年間渋谷で12インチ専門を謳っているウチの店でも過去に3枚くらい入荷したコトがナイくらい珍しいレコードです。

「お〜スゴイですねっ!買ったんですか!」ってハナシをしていると
「はい・・・だけどちょっと怪しいんですよ・・・他のお店で買って失礼だとは思うんですかコレってオリジナル盤ですか?ちょっと見てもらってイイでしょうか・・・?」って。
事情を訊いてみると、たまたま訪れた他店でこのレア盤を見つけたようです。で、コメント欄には「オリジナル盤」と記載されていてそうです。
レコードの値段は、ン万円・・・しかし、その常連のお客さんからの感覚だとフツーの相場より若干、安価だったそうです。
だけど、このレコードには見た目そっくりのブート盤(再発盤)が存在しています。
で購入を検討している店内のその場で、スマホを使ってイロイロ調べてみると様々な情報を得るコトができたのですが、目の前にあるレコードのレーベルと全く同じ盤が出てきません。
ちなみにこの手の情報で多くの人が参考にしているデータベースサイト、Discogsでは、オリジナル盤と再発盤(2種類)が紹介されています。
Discogsに紹介されているオリジナル盤の解説欄には、「ランアウトにN.Y.で著名なマスタリング・エンジニアのサイン入っている」と書かれています。
再発盤の紹介ページには、そういった記述はありません。
で手に持っているレコードのランアウトにはそのマスタリング・エンジニアのサインが記載されているんだけど、オリジナル盤として紹介されているそのレコードのレーベル画像が、手に持っているレコードのレーベルと微妙に違うんですよ。
購入時に御本人も「このレコードは、本当にオリジナル盤なのかなぁ・・・」って相当悩んでそのお店の店員さんに「コレって本当にオリジナル盤ですか?」って訊いたそうです。
その時、対応してくれた店員さんも「ん〜オリジナル盤って書いてあるんだケド・・・」とちょっとおぼつかない様子だったそうで、お店のバックヤードに入ってそのアタリのコトに詳しい他のスタッフに相談してくれたようです。
で、更に出てきた詳しいスタッフさんにスマホで調べた情報や画像を見せて、このDiscogsで紹介されているオリジナル盤の画像とレーベルが微妙に違うという部分を指摘すると「え〜オリジナル盤だと思うんですケド・・・」ってちょっと自信なさげな様子だったそうです。

しかし、このレコード・・・今買わないと次に出会えるのはいつになるか・・・それに値段も相場よりもちょっと安い・・・しかも今は、ボーナスを貰ったばかりでちょっとフトコロ事情がイイ・・・などなどのコトを考慮して「ヨシっ!買うぞっ!」ってその時は決断したそうです。
で、いざ購入に踏み切ったものの、実際に自分のモノとして手に入れると「一応、買ってはみたケド、コレって本当にオリジナル盤なのかなか・・・」って不安な気持ちになったようです。
最終的に自分では明確な判断が出来なくなって困り果てた末に、「nextさんに訊いたらナンか判るかも知れない」って思って訊くに至ったようです。
オイラも、ウチのスタッフも出されたレコードを実際にみてそんな盤あるのは、正直その時はじめて知りました。
確かに、レーベルの画像はDiscogsに紹介されている画像とよく似ていますが微妙に違うんですよ。
かといって再発盤として紹介されている2種類の画像とも違うんですよね。
しかも、ランアウトには、マスタリング・エンジニアのサインがキッチリ彫られています。
で、「コレって本当にオリジナル盤なのか・・・」って協議になりました。

nextでは、今までに入荷したレコードの画像はすべて保存してあるのでまず、ソレをDiscogsの画像と見比べると全く同じでした。
我々も今まで相当なレコードを見てきている経験上、ブート盤やオリジナル盤のジャケやレーベルの微妙な違いは、一発で判断できるくらいのスキルはあるのですが、今回の盤はちょっとどういう風に判断すればいいのか・・・って。
オリジナル盤っていう定義は、実はとてもシンプルで「発売当時にプレスされた盤」ってソレだけなんですよね。
で、今回の盤ですが、ランアウトにエッチングされているマスタリング・エンジニアのサインがあるというコトは、リリースされた時に作られたマスターディスクから作られたコトは間違いないでしょう。
マスタリング・エンジニアは、ラッカー盤を作った時にそのレコードのカタログ番号やスタジオのスタンプやサインなんかを書き込むのでこの部分はブート盤や再発盤では全く同じものを再現できないんですよね。
しかし、レーベル面の印刷ですが、オリジナル盤によく似ているのですが、ちょっと違うんですよね。
レーベルの印刷がよく似ているけど微妙に違うというのは、レーベルの印刷の版が当時のものと違うと判断出来ると思います。
レーベルの印刷は基本的に、元となる版をつくってソレを大量に印刷することで出来るので当時プレスされたものだと全く同じものになるハズなんですよね。
ということから判断すると・・・タブン、該当するのは再発盤というコトになるんでしょうね。
でも、実際に当時の状況はどうだったのかっていうのは完全には判りませんので断言はできませんケドね。

タブン、購入したお客さんも不安だったんでしょうね。
next.で鑑定してもらって、「あ〜その盤は、プレスされた工場でレーベルがちょっと違うんですよ!でも間違いなくオリジナル盤ですよ!」なんて言えれば「そうなんですか〜!良かった〜!」ナンてなったのかも知れません。
オイラは、レコードを買う時に「オリジナル盤なのか、ブート盤(再発盤)なのか悩むんだったら買わない」というのをひとつの判断基準にしています。
結局「オリジナルなのか再発なのか、どっちなんだろう・・・」って手に入れた後にモンモンとした気持ちになるんだったら買わないほうがマシって思っているからなんですよね。
もしかしたら、再発盤をオリジナル盤だと勘違いしたままずっと持っている方がまだ、幸せなのかも知れません。
(ホントにそうなのかっていうのは微妙ですが・・・笑)



ま〜だけど、今回のお客さんが購入したお店の対応もちょっとナンか微妙だな・・・なんて思いました。
コメント欄に「オリジナル盤」って記入しているんだったらお客さんにソレを問われた時にちゃんとしたオリジナル盤だという理由を明確に説明できなきゃ・・・って思うんですよね。
価格も数百円のレコードならまだしも、ン万円の価格をつけたレコードで「タブン、オリジナル盤だと思うんですケド・・・」っていうのはちょっとどうかと同業者としてカンジました。
next.にも買い取りをはじめてからホント、様々なレコードが入ってきますが、「あれ?コレなんだ?」って判定が微妙なレコードはすべてお蔵入りになってますからね。
ブート 再発 オリジナル 他レコードの種類 - レコードコレクションのススメ -
上記のブログに


ちゃんと自分で判断できないうちは、信用できるお店を1件は持っているということが、今後はますます重要になるとおもいます。


なんて書いてあったのですが、ホントその通りだと思います。
で、結局その盤は、勉強としてご自分のコレクションに加えられたのか・・・買ったお店に返品したのか・・・までは、わかりませんでした。



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