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祭りの中の子供たち

 祭りの中には、地域によってそこに代々伝わるものがあり、ある歳に成長した子供がそのしきたりを受け継ぐという慣わしのあるものもある。


 毎年、その地に伝わる伝統の行事に参加することで、その土地の大人の仲間入りが出来るというものだ。




 かつてその道をとおった先輩が指導して、それは遂行される。


 大抵は男だけに許される行事なのだが、その中で、少年は大人の男の仲間に入る。





 祭りを成功させるまでの先輩達の苦労は数知れない。


 けれど、その苦労を代々続けることによって、そこに生まれた子供たちは、順繰りに、そこの大人の仲間入りを許されるのだ。


 そんな祭りがまだ日本中に残っている。



 

 残念なことに、町内行事としての祭りは存続していても、それは町民を抜きにした、ただのイベントと化してしまっているものも多い。


 祭りとは本来、氏神様に地元の者が、感謝をささげたり、繁栄を願ったりするものだ。


 なのに地域の住民をないがしろにした祭りでは、祭り本来の目的を見失っている。


 地域の子供を巻き込んで、大人が次の世代を育てるというのが、祭りの正しいあり方ではないのだろうか。





 いつもはばらばらに生活している地域の子供たちが、このときばかりは一同に会し、みんなで力を合わせて、大人たちの真似をして祭りを作り上げていく。


 普段あまり見られない大人の後姿。


 通勤着でない祭りの正装をした大人たちが、力を合わせ、知恵を出し合い、話し合い、助け合って、一つのものを作り上げていく姿を見せる絶好の機会だ。


 そして本当の大人のあり方、協力する姿、認め合う姿、譲り合う姿、そしてお互いに尊重しあう姿を目の前に指し示すのだ。






 言葉では伝わらない思い。


 大人の力強さや、優しさ、たくましさ、頼もしさを、無言のうちに教えることが出来ると思う。


 そしてまた、大人と子供が力を合わせるという、普段ではなかなか出来ないこともたくさんある。






 家にほとんどいない父親が、ほとんど共通の話題の無い父親が、ここでは頼りになる大人に変身する。


 今まで見たことも無いような力を発揮し、てきぱきと動き、思わぬリーダーシップをとって祭りの進行に一役買っているのを見れば、子供たちも父親を尊敬するかもしれない。




 普段は仕事が忙しくて、顔を見れば小言ばかり言っている母親が、みんなに信頼され、優しく気を配り、大きな愛情で他の子供たちの面倒を見ていたら、子供は母親のその深い愛情を知ることになるだろう。


 そして子供たちも、歳の違うたくさんの子供たちと触れ合うことによって、人と人との繋がり方を身体で覚えることが出来るのだ。






 地域には大勢の歳の違う子供がいる。


 そしてみんな、普段は生活している場面が違う。


 その子供たちが集まって、年が上なら上らしく、年が下なら下らしく、みんなで祭りを盛り上げる。




 そこでは、上の子達は思いやりを、下の子達はわがままを言わない我慢を、誰が教えなくても身につけられる。


 現代の、自分のことしか考えられない風潮と、自分のことを考えていたのでは成り立たない祭りとは、正反対の趣を持つ。






 その祭りの中で、長い年月培われてきた長老たちの生きる知恵が、今の子供たちには必要なのではないだろうか。



 人と付き合う知恵。


 人と折り合う知恵。
  

 人を生かす知恵。




 自分を表現するすべ。


 自分を役立たせるすべ。


 自分を殺して相手を立てるすべ。




 力いっぱいやること。


 誠意を込めてやること。


 ごまかさないでやること。




 誠実であること。


 勤勉であること。


 素直であること。




 行動すること。

 
 大切にすること。


 いつくしむこと。




 伝統を守ること。


 自分の生まれた土地に誇りを持つこと。


 自然を敬うこと。




 人と集うこと。


 人と楽しむこと。


 人を愛すること。




 自分が地域の一員であるという自覚。


 自分が次の世代を担うのだという自覚。


 自分は多くの人々の中で育てられているのだという自覚。




 やればできるという自信。


 義務を果たしたという自信。


 みんなに期待されているという自信。




 一人ではないということ。


 みんなが助けてくれるということ。


 じぶんは愛されているということ・・・



 そういう知恵が、学校と塾の往復しか知らない今の子供たちに、命を吹き込んでくれると思う。





 家族の少ない今の家庭では、到底教えられない、社会での身の処し方。


 地域の中で初めて教えられる、大勢の人間の中での自分の役割や立場。


 そんな今の教育に欠けている、社会の一員としての人間のあり方。


 反対に、自然が相手の行事の中で、ただの生命体としての人間のあり方の両方を、ともに教えられるのが地域の祭りの役目だと思う。





 祭りは本来、わいわいとただ楽しむもの。


 けれども祭りとは、地域が、そこに生まれた子供たちに、仲間としての洗礼を施すものでもあると思う。





 そんな意味で祭りを見たら、祭りの参加も子供たちには意味がある。


 ぜひ、地域の祭りを作るなら、子供たちを積極的に巻き込んで、地域の団結で学校では出来ない教育をしてほしいと思う。




 なーんてね・・・

 難しいこと言ってないで、私もお神輿、早く見に行こ!

閉じる コメント(2)

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私の子供の頃は地域のお祭りも華やいでいましたね。
楽しかった思い出がいっぱいあります。
うちの親は地域に協力的で役員もしていたので
大人たちもほとんど知っている人ばかりでした。
高学年になって父の転勤で転校した先の地域では全くお祭りの中に入れず
寂しい思いをしたことが今となっては懐かしく思います。

2009/11/4(水) 午前 9:07 [ うめっこ ]

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シャボン玉さん、お祭りはあったほうがいいですよね。楽しいし。
でも、最近お祭りも疲れます。
何か、何もかも忘れて、お祭り三昧だった昔に戻りたい・・・

2009/11/5(木) 午前 10:54 youareok


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