甘栗ぼうずの die Traumfabrik

長らく更新しておらず申し訳ありません…。韓国音楽も映画も変わらず続けているのですが…。

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その29『ハッピーアイランド』(渡邉裕也監督、75min)
その30『戻る場所はもうない』(笹井歳春監督、44min)

 「尾畠さん」という知り合いのお父さんが先日から
大ヒーローになって驚いているのだが、1940年生まれの
「尾畠さん父」は7歳で土地持ち農家に奉公に出され、
小学校にはほとんど通えず、牛馬の餌になる野菜を隠れて
かじりながら飢えをしのぎ…という少年期を過ごしていた事を
最近知った。

 なりふり構わず必死に生きないといけない切実な経験があり、
その気持ちを忘れていないからこそ、困った人のためにも
必死になれるのかもしれない(その逆の人もいるけど)。

 一見豊かに見えても何をしたいのか分からなかったり、
心を病んだり、果ては自殺する人も多い中、最後に紹介したいのは
「あなたはこれからどうするのか?」を問うているかのような2本。

 吉村界人、萩原聖人とキャストも豪華な『ハッピーアイランド』
はその名の通り舞台は「福島」。渡邉裕也監督自身も福島出身で、
自分の出身地のために何かを伝えたい…という気持ちも強く見える。
イメージ 2

 震災後、福島の農家に何気なく働きに行った男の子が、
次第に農家の生活に馴染み、福島の現状を知り、出会いと喜びと
失敗と葛藤の中でもがいて行く…というしっかりしたドラマ。
葛藤の果てに、主人公の真也はどんな選択をするのか?
教条的なものではなく、「農」映画としても一見の価値がある。

 『淵に立つ』『ほとりの朔子』の深田晃司監督も絶賛する
『戻る場所はもうない』は、山梨で果樹園を営む兄、
若年性アルツハイマーの妹、そして中国人技能実習生の弟と
東京で働く姉が絡む、今年最もミステリアスな作品。
笹井監督作品らしく、不穏な空気がずっと流れ続け、
最後まで着地点が見えない。
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 その不穏さを醸し出すルー大柴さん、高尾美有紀さんの
ふたりがとてもいい。未来に希望を見ている中国出身の
元実習生と、どこへ向かうのか見えない初老の兄妹という
コントラストに強く「今」も感じる。笹井監督自身が
何を思ってこの作品を撮ったのか、映画祭時に直接確かめたい。

『ハッピーアイランド』
9/8(土)15:10〜ホール、9/10(月)14:00〜ギャラリー
http://www.fidff.com/com/2018-065.html
『戻る場所はもうない』
9/8(土)16:40〜ホール、9/10(月)17:00〜ギャラリー
http://www.fidff.com/com/2018-099.html
ニッポン放送 8/5放送の「ウィークエンドケアタイム」で、ルーさんがこの作品とfidffについて語っています。
http://www.1242.com/program/hidamari/2018/08/

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その27『予定は未定』(磯部鉄平監督、26min)
その28『直也の婚約前夜』(小松孝監督、14min)

 僕もさすがにこの歳(37歳)になると周りで結婚した人も離婚した人も、
結婚「しない」人も「できない」人もいるし、愛の形も家族観も
様々過ぎることが少しは解るようになる。そんなミドルエイジの
結婚に関する物語を、それぞれ異なる形で描いたオトナ向けの2本。

 関西の新たな注目株・磯部鉄平監督の『予定は未定』。
40歳を前にし、浮気な上司と不倫中だけど幸せな結婚を
探している元アスリート女性が主人公。『海街diary』では
広瀬すずのサッカースキルに目を奪われたが、こちらは
主演・屋敷紘子さんの走りが本当にアスリートで驚いた。
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 軽妙すぎる親戚のおばちゃんとのコミカルなやり取りや
上司・同僚との会話など、コミュニケーション描写の巧みさに唸らされる。
画も気持ち良く、耳に余韻を残す音楽もとてもいい。

 ハゲでブサイクで抑制が効かなくて冴えない雰囲気の最低男なのに、
なぜかモテまくる「直ちゃん」が主人公の『直也の婚約前夜』。
確かに、眺めていると怒る気がしない直ちゃんの「お得キャラ」の
造形が見事で、ニヤニヤ笑いながら見られるコメディー。
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 電話の向こうで何かを見透かしているような婚約者のお父さんが良くて、
これもいい塩梅にコミュニケーションを楽しませてくれる。作者が頭で
考えすぎて硬直したキャラだらけの作品も多い中、普段どれくらい人を
よく見ているかが差異になるんだろうなーと改めて思ったのでした。

『予定は未定』
9/8(土)16:40〜ホール、9/10(月)17:00〜ギャラリー

http://www.fidff.com/com/2018-072.html
『直也の婚約前夜』
9/8(土)13:50〜ホール、9/11(火)17:40〜ギャラリー
http://www.fidff.com/com/2018-086.html

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その24『Birth –つむぐいのち-おどるいのち』(46min)
その25『少年少女映画』(浅生マサヒロ監督、100min)
その26『老人ファーム』(三野龍一監督、82min)

 先日NHKで放送された、戦災孤児のドキュメンタリー
『駅の子』は、ビビッドな記録映像と当事者たちの告白に
黙ってしまうしかないほど重いものだったが、誰であれ
生まれたら唯一確実な事は、いつか死ぬことだけだ。

 そんな誕生から死までの歓びも無常も、この3作品を見れば
俯瞰することができる。

 『Birth』は各地の映画祭で評判となった、出産に関する
短編アニメーション6編をまとめたオムニバス作品。各作家が
個性を発揮して、それぞれの体験をアニメドキュメンタリーに
仕上げている。
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 個人的に特に面白かったのは『トルコで出産』。実際に行ったり
友人が多かった身としては「わかる!」と言いたくなるトルコの
面白さが詰まっていて良かった。

 思春期・青年期に移って『少年少女映画』。映画を作りたいと
思い立った中学生たちに、担任が同級生の映画監督を呼んできて
撮影が始まり…という、このごろ流行りの「撮る人を撮る」作品。
大人と子ども、それぞれのドラマがうまくミックスされていて
最後まで目が離せない。
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 ここでも娘と母の葛藤がいいアクセントとなり、子どもの
成長過程をリアルに映し出している。

 『老人ファーム』はその名の通り、老人たちをまるで家畜の
ように囲う質の悪い老人施設が主舞台。主人公は仕方なく
その施設で働く、卑屈さと傲慢さを兼ね備えた中年男。
イメージ 1

 産まれた時の祝福なんてウソだったかのような、人間の末路の
一面をシビアに見せてくれる。カナザワ映画祭では観客賞にも
輝いた、観た後に何かを語りたくなる問題作だ。

『Birth –つむぐいのち-おどるいのち』
9/8(土)13:50〜ホール、9/10(月)15:30〜ギャラリー
http://www.fidff.com/com/2018-007.html

『少年少女映画』
9/7(金)17:30〜ギャラリー、9/9(日)19:00〜ホール
http://www.fidff.com/com/2018-154.html

『老人ファーム』
9/6(木)12:20〜ギャラリー、10/6(土)19:10〜ホール
https://www.fidff.com/com/2018-122.html

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その21『國ノ狗 –クニノイヌ-』(小山亮太監督、21min)
その22『DEAD COP』(中元雄監督、27min)
その23『センターライン』(下向拓生監督、66min)

 今年、優秀作品以上に警察・検察が舞台のバディものが3本も
入ったのには驚いた。何かとお騒がせな県警がある福岡で、
クセもアクも強いキャラたちが暴れ回るのを見るのも
また一興かもしれない。

 『國ノ狗』は、『こち亀』最初期の両津勘吉を思わせる警察官・タカダが
暴れ回る、今年の胸糞悪さNo.1(褒め言葉)のブラックコメディー。
警察官コンビが繰り広げる悪事もいいが、町工場の金属加工を
とてもカッコ良く撮っているのが効いている。
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 まぁでも、現実には更にとんでもない警察官がいることを考えると、
笑えなくなってしまうが。

 『DEAD COP』は、一見すると80年代の少年向け番組風なのに、
グロもあるハードなアクションコメディ。不気味さ、残酷さ、間抜けさが
うまく混ざり、『映画秘宝』読者が大喜びしそうな仕上がり。
タッグを組む若手刑事が『孤狼の血』での松坂桃李崩れみたいで
笑いをより引き立ててくれるが、発表はこちらが先です。
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 今年のグランプリ作品『センターライン』は、AIが街に溢れ自動運転が
普及した2027年の未来を描いたサイエンス&検察・法廷もの。
通常は科学・教育ドキュメンタリーが集まる科学技術映像祭に、
劇映画で異例の入選を果たしている。
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 落合博満は著書『戦士の休息』で「なぜ日本映画は未来を
描かないんだろう」と書いていたが、自主映画でそれをやるだけでも
かなり挑戦的。

 人工知能と人間の葛藤は鉄腕アトム以来のテーマだが、
それが現実になりかかった今の視点と法律システムを通して、
どう10年後を描くかに着目したい。「こういうジャンルをやりたい!」
という作者の「好き」が原動力になっているのも楽しい一作。

『國ノ狗 –クニノイヌ-』
9/9(日)12:10〜ホール、9/10(月)12:30〜ギャラリー
http://www.fidff.com/com/2018-117.html
『DEAD COP』
9/7(金)15:30〜ギャラリー、9/9(日)14:00〜ホール
http://www.fidff.com/com/2018-133.html
『センターライン』
9/8(土)18:30〜(表彰式後)ホール、9/11(火)17:40〜ギャラリー
http://www.fidff.com/com/2018-045.html

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その19『放蕩息子』(横山善太監督、85min)
その20『二階の息子』(島村拓也監督、27min)

 6月に京都・出町座で七里圭監督の上映&トークに参加して以来
「母と娘の関係と、父の疎外」という視点が気になってしまうのだが、
じゃあ「父と息子」はどうなんだろう?と考えた時に面白いのが
この「息子」2作品。息子を持つお父さんならきっと心がうずくはず。

 『放蕩息子』は、最近『霊的ボリシェヴィキ』などにも出ている
福岡出身の俳優・高木公佑(介)さんを、友人が8年ほど前から
撮って編集したドキュメンタリー。
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 東京で夢のためバイトしながら下積み生活をして、でも上手く
行かなくて…という筋はもう消費し尽されたものながら、海兵だった
祖父の写真・勲章を見ながら淡々と生き方を諭す「ザ・団塊の世代」な
実家のお父さん(町役場勤務)と、妙に軽薄で飲み会では女の子に
「あなたは夢があるけどその先がない」とまで言われる高木さんの
コントラストがやたら印象に残る。 

 『二階の息子』は逆に、自分のスタイルを貫くダメおやじと、
そんな父親を疎ましく思う大学生の葛藤の行方を、小市民的な
悪事を交えて進めるのが面白い。『おっさんスケボー』の
ほりかわひろきさんが、本人そのまんま…?という
呑み助ロックおやじを演じている。
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 父と息子の反目と少しの理解を短い時間の中でわかりやすく、
でも観客を低く見ずに描いているのがとても良かった。
多くの共感を呼びそうな作品。

余談:「二階の息子」で検索にかけると、え?という画像が出てきます。

『放蕩息子』
9/7(金)12:10〜ギャラリー、9/9(日)17:10〜ホール
http://www.fidff.com/com/2018-052.html

『二階の息子』
9/8(土)14:10〜ギャラリー、9/10(月)12:10〜ホール
https://www.fidff.com/com/2018-118.html

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