がんばれ!!小さき生命(いのち)たちよ

新生児医療・NICUで頑張る早産・低体重、様々な疾患の赤ちゃんとご家族を応援します。

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 夜勤・当直,入院診療などでみんなで参加は叶わないのが
新生児集中治療室(NICU)なんだと思います。

留守番をしてくれた皆様に感謝しつつ,
第85回こども医療センター集談会の講演の時間の関係でカットしたスライドも
数枚加えて,下記に掲載します。20分お話しさせていただきました。

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「こども医療センターNICUの現状と未来」という講演タイトルに
しました。講演者に指名して下さった病院上層部の先生方からは
現状よりも<未来>に重点を置いての話をとご指示を頂いたので、
自分の願望も込めた内容にさせて頂きました。

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現在の新生児科のスタッフです。副院長の猪谷先生、6名の
スタッフと6名の専門研修医と短期研修医の稲富先生の12名の
新生児科医と小児科からのローテート研修生1名でNICU21床、
回復後病床(GCU)18名とドクターカーによる往診診療などを
担当しています。昨年の深夜0時のNICU病棟の写真を出し、
国内留学の先生方が浴玩場つてくれることを伝えました。

私の上司4名は周産期センター開設の20年前から働き続けている
スタッフであります。今回私は、周産期センターが出来た後に
研修医としてお世話になり、そして現在は研修医指導などを
している役目として新生児科の1名として講演をさせて頂きます。

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上記の3つをお話しさせて頂きます。
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まずは<ベテランと若手の融合>の大切さを振り返りました。

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少子高齢化と言われますが低出生体重児の出生は年々増えています。
それに対して新生児死亡率は年々低下しているのはNICUがその
セーフティーネットの役目を果たしているからかもしれません。
一方,助かる赤ちゃんが増えるからこそ,NICUのベットもまた
必要になってきます。

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都道府県別周産期死亡率のランキングです。平成に入る前くらいまでは
神奈川県は周産期死亡率が全国1,2を争う低さでしたが,近年は
ランキングがどんどん下がり,40位前後まで下がってきています。

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東京で妊婦たらい回し事件と呼ばれる報道があった頃の状況です。
東京のNICUの妊婦受け入れ困難の理由として、東京のNICUが
満杯な理由が挙げられ、さらに東京のNICUが満杯な理由として
東京近県からの母胎搬送が多いからだということもいわれていた頃です。


人口が多い、出生数が多い、その割にNICUが少なめな神奈川県は
東京、静岡などに妊婦さんをたくさん搬送せざるを得ない状況がありました。

東京の事件報道では受け入れ先決定まで1時間近くかかったと
批判されていましたが、神奈川は2時間近く搬送先決定に
かかることが半数で、妊婦たらい回しといわれるような危険が
常態化していたと言えます。

一県でスウェーデン一国以上の人口がいる神奈川県は
相対的なNICU医療過疎という状況に思えました。
そんな中、神奈川こどもNICUの増床が決まりました。

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早産児や胎児診断に伴う入院依頼がどんどん増えて、
患者数が1.5倍に増えていました。

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研修医は現在の半分の人数でしたし、
かなりしんどい勤務状況でした。
研修希望があっても公務員削減の折で断らざるを得ない状況に
憤りを感じたり、NICUの増床が決まってもスタッフの増員は
確約されないというような状況に、診療の安全や
働き続けることに不安を感じたりしていました。

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松沢前知事の病院訪問時に会わせて意見書をまとめ、
視察時に意見交換をさせて頂きました。
松沢知事には<現場を良くできるのは現場の人なんだから、
現場から智恵を出して欲しい>といわれたことが印象的でした。

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その言葉を受けて、神奈川県の職員政策提案事業に応募した私です。
行政批判しているより、自分で行政への提案をしっかりしていこうと
思いました。

神奈川県職員の政策提案して採択されたら
知事の予算の中から政策実現の機会をくださるという
試みに神奈川県庁の皆様に交じって応募しました。

その時のスライドが以下です。
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全国的な新生児科医志望の若者の増加や各地の支援などのきっかけの1つ
になったのではないかと思っています。

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4年間でこの制度を15名の先生達が活用して下さいました。
NICU病棟の雰囲気を変えてくれた存在。過重労働の緩和、
診療の厚さの向上につながって下さった各々です。

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長期研修の先生方の志望者も増えました。他県を担う期待を
込められた方々も多く、神奈川こども診療が全国のお子さん達の
診療にも広がる可能性がありますし、逆に全国のNICUの取り組みを
研修医の皆様を通じて伝えて貰い、神奈川こどもNICUの診療の進化・
変革のきっかけをくださった若者達です。

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研修医が入れ替わり立ち替わりくると診療の質は低下するという
懸念も指摘された作戦でしたが、結果は逆で、むしろ入院数も
治療成績も改善しました。サッカーもベテランだけのチーム、
若手だけのチームが強いわけではありません。世代を越えた
融合がいい診療を展開できると感じるこの数年です。

年齢を経てもベテランがやりたいことを求めて働き続けられる
職場環境,そして,知識・経験・技術を受け継いでくださる
やる気のある若者達が働きやすい
職場環境をみんなで創っていけたらと感じています。



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全国に1000名といわれる新生児科医で38名の若手が研修し、それぞれの
地元に戻っていきました。メディカルスクールの様な存在になれたらと
願っています。一方で神奈川県のNICUの人財が今後の大きな課題に
感じます。
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次は神奈川こどもNICUの研修生OBやOG、現在のスタッフにも
協力と支援を受けて取り組んでいるNICU医療の質向上プロジェクト
のことを話させて頂きました。

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日本は世界有数の早産児の救命率の国といわれています。
それでも、
各県の主要のNICUでもどのNICUに入院するかで早産児の
死亡率は10倍以上異なる現状の報道がありました。

その地域やNICUの施設間差異を埋めるべく、
厚生労働省からの指定プロジェクトで取り組ませて頂いている
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東京女子医大にプロジェクト本部がありますが、
その専従スタッフに神奈川こどもジュニアレジデントの2期後輩の
西田先生が役目を果たして下さり、私は兼務として手伝わせて
いただいております。

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当院にやってくる研修医の皆様の研修前後の話を聞いていても、
それぞれのNICUの質や安全の改善の方法は画一的では
うまくいかず、各々の施設にあった改善への道があるのだと
思います。

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診療を外部から介入するように変えていくのではなく、
外部から<内部から生じる改善への案>を支援するプロジェクトです。

この取り組みの中には、神奈川こどもにきた研修医の皆様が
神奈川の美徳と伝えてくれる<スタッフ間の意見交換や話し合い>
が改善のスタートという部分を入れているプログラムだと思います。
医師・看護師協働を大切にできたらというプロジェクトです。

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全国各地の医師・看護師の話し合いの場にご一緒させてもらっています。

各施設でNICUのプロファイルをデータベースや施設訪問調査、
アンケート調査で作成して下さっている西田先生達の
プロジェクト本部の皆様です。

神奈川こどもの全国のNICUの中での特色は以下のようなことです。
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外科や心臓外科、脳外科などの小児包括医療が柱の当院ならではで
ご病気を伴った早産児の診療が多い当院のようです。
上記のようなプロファイルは参加施設それぞれにあります。

長所は自分達の中に留めず、
他のNICUの改善に協力し、課題の部分はそのことがうまくいっている
NICUの人達に協力して貰いながら改善を目指すという多施設共同プロジェクト
です。

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当院は課題だった慢性期のMRSA保菌率が、愛染橋病院のご協力と、
担当の看護師、医師の頑張りもあって10分の1までに減少した
最近です。このような各施設の課題の改善がいくつもの施設で既に
起こり始めている、<奇跡>を感じています。人材交流を越え、
組織交流が進めば、日本のNICU医療はまだまだよくなると実感
し始めています。人財交流の多い当院だからこそ、施設交流の要の
1つになることも役目と思えたらと思います。それは神奈川こどもの
診療の質改善にもつながるとお互い様に感じています。

今後の課題は,神奈川県内の施設交流や組織交流も増やしていけたらと
感じています。質向上プログラムのような取り組みは各地方でも
施設や病院の垣根を越えて,やっていけたらと感じています。

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最後は医療者だけでなく、患者家族、地域を交えたチーム医療を
神奈川こどもで展開していきたいという話をしました。

下記は短期研修制度を提案する前くらいから
担当患者さんご家族に率直に伝え始めていた内容です。
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その当時の患者さんご家族の1名が村田さんです。
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上記の様なお申し出をNICU卒業2年後にしてくださいました。

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野球選手として出来ることを考えていきたいとNICU野球親睦会を
これまで7回開催してくださいました。車椅子のお子さん達を
招待する様な機会も創って下さっています。

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先週のこのブログでも紹介したNICU応援訪問です。
後輩のご家族や医療者を応援して下さいました。

今後は村田選手が引退した後も続くような、私が神奈川こどもを
去った後も継続するようなシステムモデルを創れたらと感じています。

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それぞれの立場で出来ることを考えるという村田選手に続いて、
NICU卒業生で学校関係者の方々も参加して下さっている
NICU学校プロジェクトです。
NICUは早産や病気をなかったことには出来ない。障害とは
<生活のしづらさ>だと思うので、地域や学校の理解や支援が
深まれば、<障害>と感じる辛さや悲しみも軽減でき
喜びや楽しみも増すのではないかと感じています。

そんなことをNICU学校プロジェクトを通じて伝えていけたらと
感じています。

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仕事帰りに1人でも面会に来ている父様が増えたし、
フォローアップ外来への受診するパパさんも過去に比べ
格段に増えている最近です。

NICU内、卒業後も含め、父様と母様の気持ちが離れないことは
子供達の育児、成長に大切と感じています。
未熟児網膜症や脳室内出血を防ぐというようなマイナス面を
NICUは防げるかもしれないけど、NICU卒業生の可能性を
引き出す、成長のプラス面を積み重ねていけるのは
ご家族であり、地域に伝えていくご家族の姿勢だと
思います。父様を交えたチーム医療になれることが
お子さん達の未来をよりよくするためには大切かなと
感じています。

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在宅医療に向かうnIC卒業などをお互いに喜び、励まし合っている
NICUになってきたという近年。ご家族同士の交流や支え合いが
個々のご家族の孤独や生きづらさを軽減してくださればと感じています。

それがNICU卒業後も自然発生的にご家族同士の
交流が増している現状を諸先輩方に伝えた講演でした。
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周産期センター20周年、そのNICUの昨年卒業さらたり、今も
入院している赤ちゃんやご家族の笑顔です。
救命や合併症を防ぐだけでなく、NICUにやってくることになった
赤ちゃんやご家族が嘆くだけでなく、その場にきたからこそ、
得られるご縁や喜び、NICUの日々を糧にその後の人生を
誇りを持っていきていってもらえるようなNICUになっていけたら、
そういう周産期センターの存在を神奈川県の皆様が身近に感じ
大切に想い、そこで頑張る赤ちゃんやご家族、医療者を支えて
いこうと思ってもらえるような周産期センターをみんなで
目指せたらと語りました。
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働いている人達も誇りを持ち続けられる、そして
神奈川県の大切な場所に思ってもらえるような周産期センターに
なって、もっと多くの人達、みんなで祝える
30周年記念になってその参加者の1名になれたらと
話して,講演を終えました。

長文お付き合い下さりありがとうございました。
皆様、ご意見ご感想いかがでしょうか?



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