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上記の産経新聞の書評に関心を抱いて
下記の本を読んでみました。
第1章:私の医療改革の原点
第2章:公立病院改革に乗り出す
第3章:自治体病院改革のモデルケースに
第4章:地域医療の崩壊を食い止める戦い
第5章:誇れる民活「病院PFI」
第6章:肥大化した巨大組織の弊害
第7章:よりよい地域医療をめざして
という章立ての本でした。公立病院改革懇親会座長などを務め,多くの病院経営の
改革に関わってきたという公認会計士の方の本でした。
公立病院で働く医療者でも理解できていないことが
多いと思える本の内容に感じました。
途中,公立病院改革のための
会議の議事録などが多く書かれているのですが,
この部分は読むのがなかなか難解でした。
公立病院で働く人間として読んだことで課題や
やるべきことをうっすらヒントをもらえた気もしました。
理解し切れていない
ことも多いと思うのですが,公立病院などをよくしていく
ためには,医療者だけでやってもうまくいかず,政治家の
思惑や病院を良くわかっていない企業の参入や,地域の利用者の
希望通りにしても公立病院は立ちゆかなくなるという部分を
改めて感じました。多くの人が<みんなが解決策をよくわかってない>
ということを踏まえて,待ったなしで考えていかないといけないと
思えた本でした。続編も期待したいと思いました。
下記に印象に残った部分を少し引用して紹介します。
本書ではいくつかの病院を例に挙げて,公立病院の
改革について述べていますので,下記を読んでどうして
だろうと思ったら是非,本書をお読みください。
(公立病院改革は簡単な事ではないので読んだからといって
すぐに解決出来るような解決策,裏技が書いているわけではない
のですが,様々なことを考えないといけないことは理解できると
思います。)
●地方公共団体の財政が逼迫
している折り,自らの経営の効率化を進められない自治体病院はただちに
民間譲渡を含めて経営形態の見直しを図れとということを促す
「公立病院改革ガイドライン」の存在。(これを作る契機は総務大臣だった菅義偉の有言実行の英断とのこと。菅大臣は
私達の地元選出の国会議員ですが,こんな風に書かれる
政治家だと改めて知りました。)
●病院の統廃合などは地元議員の自分達の選挙区の病院を
中心にしょうとするような思惑があるから,うまくいかない
部分があり,経営破綻が目に見えているなら,
政治家をむしろまじえず,病院のスタッフ同士で現場の医師と
看護師を中心に決めていくことが大切。
●千葉県の公立病院経営破綻のドミノ現象:医師が足らずに
破綻する自治体病院から患者が周辺の公立病院になだれ込んで
くると次はその病院が医師不足となり,破綻に追い込まれることが
ある。地域医療が医師不足によって破綻するドミノ現象の問題は
日本の地域医療を揺るがす問題である。
●医師不足を起こす原因は何か?過酷労働,この一言に
つきる。
●「言われたことだけしかできない役人」的な人間達では
公立病院の財政危機を回避できず,「自分達の病院は
自分達の努力で守る」という当事者意識をもって,病院職員
全員が一丸となって病院の経営改善に取り組む必要がある。
●「働くならば○○病院」という評判が医師・看護師の間に
広まることがひいては病院の経営を安定させ,地域の医療継続に
つながる。
●医師の数が少ないと,どうしても赤字になる。実は病院経営の
最大のポイントは医師の数が多いと人件費率が下がる,そして,
黒字化できるという事実。利益を考えると,病床数を先に
決めるのではなく,獲得できる医師の数を先に見通しを
つけていくことが必要。
●ベットが空いているような病院がいくつもあるよりは
統廃合して,医療者が働きやすい病院を作っていくほうが
結果的には地域医療の崩壊を防ぐ。<選択と集中>を
考えることが必要。
●「我が町の病院はつぶさない」とみんなが思うと,
一向に医師不足は解消できない。
●医学部定員を増やしても効果が出るのは10年後。
医師不足といわれていても医師はいることはいる。
米国などをみてもほとんどの地は医療過疎地である。
要は,センター病院を大きくどかんと作って,そこに
多くの医師を集めて,<過疎地への必要時の派遣能力>
を持たせることが大切である。
この本の読む前に是非,内容のサマライズと感想を以下に書いた
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