今回,ワークショップで会話を交わせて良かったと
交流を嬉しく感じた西村先生のご挨拶からスタートでした。
後期群になり,自分達の施設に質向上プログラムの導入が
出来る日を待っていたという言葉は自分達のようなこの
プロジェクトに関わっていた人間達には報われる気がした
お言葉でした。
休日にかかわらずたくさんの医師,看護師さんが会議室に集合されていました。
素敵に思えた広島市立市民病院の医師のユニフォームです。
1979年からの35年間の歴史のあるNICUである誇りを
感じつつ,
「in order to save all babies' future, we exist.」
<私達は赤ちゃん達の未来を救うために存在している>
という意味でしょうかね。多くのNICU医療者が共感する
素敵なユニフォームに感じました。
訪問チームを代表してこのプロジェクトに専従してくださっている
西田先生にご挨拶をお願いしました。西村先生と西田先生のきめ細かな
打ち合わせや準備があって開催にこぎ着けたことを改めて感じました。
私は司会進行役を担当させていただきました。
「広島や広島出身に仲間と思える新生児科医がたくさんいて,
身近に感じてきた広島県にこれたことを嬉しく感じる。
外から改善策を提案したり,押しつけにきたわけでなく,今日という1日,広島市民病院の
NICUのスタッフになったつもりで一緒に診療の質改善を考えさせていただきます。
現場のスタッフが自分達のNICUのいいところや課題をみんなで感じながら,これから
2年間とかで改善していきたいことをみんなで共有し,その改善のための作戦を
考えることのお手伝いをするつもりで広島にきました」
というご挨拶をさせていただきました。
本部メンバーのいる東京女子医大,成育医療研究センターだけでなく,
これから質向上プログラムを自施設で導入する
倉敷中央病院,岡山医療センター,長崎医療センターのNICUスタッフの医師,
看護師さんも多数ご参加くださったワークショップでした。
広島の尾道でNICU医療を担当している本田先生にも参加していただき,
広島のNICU医療のさらなる質向上を目指す
ワークショップになればと思いました。
2年間の前期群の
19施設の取り組みを拝見してきた自分達としてはこのワークショップの
位置づけやワークショップですべきことが2年前と違って
意識しながらワークショップを出来るようになってきたがする自分達です。
多くの施設と連携していることを感じていただきながら,
後期群18施設の質改善の取り組みを全国で同時多発的に
やっていけたらと感じています。
【診療プロファイル報告】
西田先生が分析結果をお話しくださいました。
全国の早産児の診療データベースからみた自施設の治療成績や
得意な診療分野,課題となる診療分野などを本部が報告して
もらう時間です。データベースなどのデータから導き出される
自分達のチームの診療の現状や課題,
特徴を実感してもらう時間と思います。
【患者さんの振り返り、
施設の診療方針の振り返り】
データベースだけみていても現場の状況がわかりづらい
部分に関して、広島市民病院のスタッフの方々からの報告です。
ケースレビュー、施設の管理方針の振り返り、
なんとかできなかったかなという想いが残る患者さんの
診療報告などがありました。
患者さんとご家族への想いが伝わってくる
共感を感じる広島市民病院のNICUスタッフの皆様の
言葉に感じましたし,
施設間で診療の差異をお互いに改めて感じる気がしました。
学会のようにうまく診療できた患者さんの報告とは違う、
自分たちでよりよく診療できなかったかと思える患者さんを
みんなで振り返ること、他施設だったらどうしていただろうという
話の意見交換は改善を目指すチームのきっかけになることがある
と前期群を通じて実感していた自分でした。
お昼のお弁当の包み紙が広島の地図でその中に広島市民病院
が記されていることに感動していました。
お昼の時間をはさんで午後の部です。
【診療ガイドライン講義】
広島市民病院の治療成績向上のために改善の余地がある診療分野に
ついての,診療ガイドラインの情報提供をガイドライン作成に
携わったメンバーからガイドラインの行間も含めての解説の
情報提供でした。
今回のガイドライン解説は心身障害児総合医療療育センターで研修中,
神奈川県立こども医療センターNICUの非常勤の山口先生に
お願いしました。
診療ガイドライン通りやれば、必ず診療成績が上がるとは限らないと
最近はいわれています。診療ガイドラインの情報を踏まえて、自分達の
NICUの診療の見つめ直すという趣旨の時間でした。
診療ガイドラインを医療の現場でどう有効活用するかの方法を
考えているこのプロジェクトともいえると考えます。
聞いているのがしんどくなる,難しめな時間になりがちなのですが
母乳育児支援などを含めてコミニケーションスキルやファシリテーションなどを
大切にしてきた山口先生らしい見事なガイドライン解説に思えました。
医師,看護師などの職種を越えて施設の壁を越えて,みんなで
ガイドラインを楽しく確認できた時間に思えました。
午後はチームの性格分析という意味合いもある
「組織/資源プロファイル」の本部からの報告でした。
NICUのチーム医療は1人の力(働いた時間、力量、やる気)と
グループの力(集団の志向性、コミニケーション能力)などに
大きく関与している。1+1が1.5になったり、4になったりしうる
のが人間のチームという部分があると思います。
自分たちのメンバーやチームをよく知ること、チームの性格や
長所を生かした改善策などを考えていくために自分たちのチームを
見つめ直すためのプロファイリングを行ってくれている本部の佐々木さん
からの報告でした。
私は、背が低い人達が多いサッカーチームがヘディングで点を
取るサッカーを目指してもうまくいかない。足が遅いメンバーが
多い野球チームが盗塁などを積極的にする機動力野球を目指しても
うまくいかない。チームのメンバーにあったNICU診療を改善する
作戦もあるのではないだろうかと感じています。
そういうことを感じさせてくださるこのプロファイリングの
時間を毎回楽しみにしています。
今回のプロファイルは過去に自分がみた23施設のNICUの
中でも際立っている,コミニケーションへのストレスを
感じていないNICU,チームワークの良さがにじみ出ている
ようなプロファイリング結果でした。
そういうチームの長所を自覚しつつ,どうチームの
改善行動計画に立案していくかを考えていっていただければと
感じました。
【グループワーク】
外部の人間が提供できるのは改善のための材料だけであり、
その施設にあった改善策を見つけられるのは現場の人間であるという
趣旨から、改善策を参加者全員で考えるグループワークに移りました。
私が司会として注意事項としてあげたのは
「ベテランや役職などの普段の上下関係をいったん忘れてフラットに
お互いの意見を傾聴し合いましょう。途中でそれは無理とか、わかって
いないというような判断を入れず、ゼロベースでこれからを考えましょう」
ということでした。
西田先生からは「これがだめ」「あれが悪い」というような指摘の
意見で終わらず、それをよくするために「自分たちは何をしたいか」
という部分で意見を出し合いましょうと補足してくださいました。
誰か任せにせず、それぞれが改善策を考えながら、その意見を
集約していきましょうというコンセプトのグループワークの開始でした。
各グループに分かれての話し合いの開始でした。
どの班も和やかに話し合いが進んでいたように思えます。
不満や不平を探して話し合ってばかりいても
チームは向上していかない。改善策にみんなで智慧を出し合う
ことは楽しい雰囲気になることを感じながら眺めていました。
チューターは
ファシリテーションの講義や講習を受けてきたメンバーがグループごとで
生まれる改善策をまとめていってくださいました。今回は三ツ橋,西田,
山口先生の3名が担当してくださり自分は少し休ませていただきました。
原爆ドームまで歩いて往復していました。
広島の病院の中や街の中を歩いていると
<命>に向き合うような言葉が街中に掲げられているように
感じます。
広島の<命に向き合ってきた街>を感じる気がした散歩でした。
会場に戻るとグループワークもほぼ収束していました。
どの班も順調に話し合いが進んでいたことを感じつつ,
最後の1時間は各グループの改善策の発表会としました。
3班共に発表者の先生方の元気さや前向きさが伝わるご発表でした。
3班ともに,不思議にリンクするような改善行動計画の立案が
多く,ここでも普段からの問題意識の共有や改善するときの
考え方などが共通認識が取れているNICUチームなんだと感じてました。
3班の意見を合わせての今後の改善行動計画の方向性を
西村先生や小田看護師さんにまとめていただき,
質向上への取り組みの方向性を確認できた気がしたまとめの時間でした。
リーダーシップのあるお二人の言葉を大変素敵に感じました。
最後のご挨拶は林谷先生の素敵なご挨拶でした。
「こういう質改善の取り組みが広島で生まれる赤ちゃんとご家族の
ためになることを忘れずに今日からも頑張っていきましょう」という
言葉に<NICUの質改善>は自分達のためでなく,<赤ちゃんとご家族の
ためにも頑張るんだ>という気持ちをみんなでもてるNICUは
きっと診療の質改善のサイクルが回っていくのだろうと思えました。
自分は
「広島は町中に命について問いかける,考え続けようという
街の意志を感じるような言葉に溢れている。こういう街で生まれ育ったり,
学生時代を過ごした人達はきっと,気合いと覚悟の入った医療者に
なるのではないかと感じていました。本日のワークショップで
そのことを改めて感じました。
歴史のあるNICU,いいリーダーがいるNICUにおいて,
リーダーに頼るのみでなく,現場から意見を出しあいながら
ボトムアップな改善行動が加わるとさらによりよいNICUになっていく
と感じ,このワークショップがそのきっかけの1つになればと
思いました。自分も参加してもらい,様々な気づきや学び
や自分も自分のいる街で頑張ろうという元気を頂きありがとうございました。」
とお伝えして6時間にわたるワークショップの閉会とさせていただきました。
研究費の節約のため日帰り出張を原則にしている自分達です。
広島城を遠目にワークショップ終了後は最終便の飛行機に乗り遅れないように
帰途につきました。広島見物ゼロのグループワークのチューターを務めてくれていた
訪問チームでした。
最終便に乗り込めて空の旅です。広島と関東は日帰り出来る時代が
きていて,気持ち一つで連携できるのだと思えた時間でした。
夜のハイウェイで横浜ベイブリッジを渡りながら地元に復帰した
夜でした。
ワークショップご参加の皆様,NICUの留守を守ってくださった
皆様,それぞれにお疲れさまでした。
それぞれの場所で各々の役目をお互いに連携しながら
頑張っていけるといいですね。また,集まれる日を楽しみにしています。
御意見御感想などお待ちしています。
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広島へおみえになられたんですね。
広島市民病院の西村先生には呉医療センターでお世話になりました。お元気そうで何よりです。
私の兄と弟は未熟児で生まれ、広島市民病院のNICUで10日ほど過ごし、空へ還りました。
40年以上前の、当時はまだ医療も未発達でしたから仕方ないことではありますが…
先生のブログを拝読して、いつも頭が下がる思いです。
どうかお体には気をつけてくださいませ
2014/7/29(火) 午後 7:40 [ 島茉莉 ]
島茉莉さん,広島旅日記を読んでくださり,感想くださりありがとうございました。広島とのご縁をお聞かせくださりありがとうございました。現在,広島市民病院から転職してくださった看護師さんもおり,広島のスピリッツを身近に感じます。今後ともメッセージお寄せくだされば心強く感じます。ありがとうございました。
2014/7/31(木) 午後 8:27 [ NICUサポートプロジェクト ]