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日曜日は朝7時に長野を出発して
約5時間で午後から、東京大学病院にいってきました。
ご縁のある東大卒業の先生方の医学生時代の学び舎かと思うと
心温かく周囲をみながら、
第1回東京新生児生命倫理研究会に参加してきました。
新生児学の書籍出版の相談で2週間前にお会いした仁志田教授と
高橋教授にこの研究会をご紹介いただきました。
個別の患者さんの相談とともに、様々な側面からの生命倫理、
世界の中での生命倫理で言われていることなどを一緒に学ぶ機会
を作れたらという高橋先生の言葉に共感し、
神奈川こどもで周囲に声をかけつつ
参加してきました。
会場には大変多くの参加者でしたね。
神奈川こどもからも
産科・新生児科・小児科の医師・看護師がそれぞれ参加している
感じで一緒に参加できたことを心強く感じました。この講演会の
ことを参加していたメンバーで様々な感想の交換をできたのも
収穫に感じました。
留守を守ってくれたメンバーにも報告しつつ、
また、院内で一緒に考えていけたらと思い、下記に報告
させていただきます。集中治療の勉強とともに、こういうことの
勉強も並行してみんなで学び続けていけたらと思っています。 日本の新生児医療の現場で生命倫理を考え続けてきた仁志田先生の
講演には新生児医療における生命倫理に関するこれまでの歴史や
仁志田先生が取り組んできたこと、考えてきたことなどのご講演でした。
「思いて学ばさればすなわち暗し、学びて思わざればすなわち危うし」
学問・根拠を無視すれば助かる命を見逃す危険があるとともに、
学問・根拠にとらわれすぎて患者やその家族の想いに心寄せなければ
良い医療にはならないんじゃないか。。。という問いかけに
共感する気持ちでした。
「どんな治療をするのか」というところに倫理があるのではなく、
「どんなプロセスで想いを寄せながら診療するか」
に倫理があるのではないか
という問いかけが胸に迫る気がしたご講演でした。
講演でメモをとっていたことを見返しながら
復習していたらネット上に
講演がYou tubeにアップロードされていることを
気づきました。
神奈川で留守を守ってくれていた医療者のメンバーや
患者家族の皆様との講演の内容を共有したい気がしたの
下記、ご覧いただければとも思います。
仁志田先生に続いての横野先生のご講演は
オーストラリアから広がりつつある
という概念を中心した
小児医療患者さんを見守る患者家族と医療者でどう一緒に
診療を考えていくかというようなご講演に思えました。
患者さんの家族でも、医療者間でも正しいと思えることが
ひとつでないような状況がたくさんあるのが新生児医療だと思います。
利益の根拠がある限り治療を受け続けることだけが倫理的ともいえない
日本ではあまりいわれていない<危害>がどのくらいある診療内容と
考え合わせていくというお話に感じました。
「医学的にベストな診療を選ばないとしても、患者さんやその周囲の
人たちに危害が少なければ、診療方法に幅をもって考えていいのではないか」
という問いかけに思いました。
総合討論でも出ましたが、医療者がベストと思える診療(うまくいかない
可能性もある難しい治療)を提示して、ご家族が戸惑うと<治療拒否>
<養育放棄>として治療を推し進めようとすることが新生児/
小児医療全体で
増えてきていないのか?
医療者がベストと思える治療を選ばないとしても
許容できる診療のゾーンはあるはずで、そのゾーンを考える上で
<診療の危害>についても医療者も意識するべきではないかという
ことが話し合われた気がします。
という
講演で紹介されていた本を早速読んでみようと購入しました。
本を探す中で、
この日の横野先生の講演も
Youtubeで視聴可能なことに気づきました。
以下です。
講演の感想としては、
医学が進化してきて、
命の時間を伸ばせる方法は増えてきました。
自分たちは
命を救うために医療者を目指したので命を救えるものなら
救いたいと思って
います。
一方で、NICU入院中・退院後のことも
赤ちゃんとご家族を見守らせて
いただくと医学で解決できないことだって
あることも実感します。医療者より、ご家族は
<自分たちが育てる>という長期てきな視野で
話を聞いているからこその不安があるのだと思います。
手段が増えてくると
医療者がベストと思える治療法を患者さん
ご家族が希望しないと医療者は
<治療拒否><養育放棄(医療ネグレクト)>といいがちな
新生児医療になっていないかと不安になることがありますが、
ご家族が戸惑っているだけかもしれないと思うことがあります。
医学の成果は日数を伸ばす、退院できるかどうかということで
医療の良し悪しを評価してご家族に話す部分があると思います。
でも、その成果とともに、
生きている時間を例え病院の中でも外でもどんな風に
赤ちゃんがご家族の中で過ごせるかという部分も
大切にしたいと思っているご家族がいると思います。
治療によってどんな時間や生活を過ごせるかという生活
情報について医療者も知ろうとしたり、伝えたりする
姿勢が求められる時代に思えています。
自分たち、医療者がこどもを含めたご家族に危害を加えていないか、
生きている時間のをこどもと家族が楽しく過ごせる気持ち、
家族の時間を奪っていないか
などを悩むこともあります。
「同意や共感はできないとしても、寄り添うことはできる」
という言葉がこの会でもありました。
こどもにとっての<利益と危害>、こどもを含めた
<利益と危害>がご家族だって、医療者だって考え方はそれぞれかも
しれない状況ならば、一緒に悩んでいきたい。。。
<命に対してどんな医療をする>ということとともに
<命と想いにどう寄り添うか>ということを考え続ける
ことが大切なことと改めて感じた研究会でした。
神奈川県立こども医療センターには
臨床倫理コンサルテーションチームや緩和ケア普及室
などがあり、救命医療の勉強会だけでなく、命にどう
向き合うかの勉強会も多いと思います。昨年も
以下のような講演会がありました。
仁志田先生や横野先生のご講演も神奈川でもみんなで
一緒に聞きながら、神奈川での診療に活かしていけたらと
も思いました。まずは上記の動画を多くのスタッフに診て
もらえたらと思います。
先週は中国の深セン・長野・東京と1日横浜で外来をしながら、
旅が続いた1週間でしたが、無事に終了したことを安堵の週末でした。
フォローしてくださると嬉しく感じます。
コメントでなくても毎日,下記をクリックしてくださっている
皆様にも新生児医療を社会に伝えるお手伝いをしていただいている
と毎日感謝しています。ありがとうございます。
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