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「祈りの部屋」と「天使のブティック」
:「コウノドリ」第5話への感想(前編) に続き、感想の後編を書き残していたいと思います。 <切迫早産の長期入院>と併行して描かれていたのが 周産期センターに母体搬送されてすぐに胎児救命の ために早産出生した超低出生体重児と御家族の 物語がありました。 「説明不十分なまま、医療者が 沢山慌ただしく手術の準備をする状況で同意書に とまどいながらサインを求められた気持ち」について、後に 伝えてくださった御家族は自分達の病院でも 少なからずいました。 今回の下屋先生の言葉通りで その最初に納得がいっていないと そこで<時計の針>が止まっていて、 新たに生じる状況に向き合えないことがあると 思えていて、そういう気持ちを伝えていただけたら と思えていました。 <救命>されたからこそ、<喜び>だけでなく、
<不安>と向き合うご家族もいれば、
<救命>は叶わなかったけど、悲しみの中にも
<喜び>がないわけでもない。。。
そういう周産期医療の現場の人間はそれぞれに
<喜び>も<悩み>があるんだという部分を
描いてくれた物語にも思えていました。 当初は回腸閉鎖のお子さんの設定でした。 当院の小児外科の先生たちに相談にのって もらっていたのですが、長期入院の時間軸だと 物語の時間軸に矛盾が生じてしまい、それぞれの 登場する赤ちゃんと御家族の時間軸をしっかり把握
してくれているスタッフの皆様を素晴らしく感じました。
その矛盾をコウノドリの
制作チームの皆様と最後まで悩みました。 消化管閉鎖だと1ヶ月近く、手術しないで
そのままの状況とは考えづらいので、、、
1〜2週間、手術しなくてもすぐに命に関わらないけど
先のことを考えると手術したほうがいい疾患はないか という話になり、最終的には
<慢性期の未熟児動脈管開存症> の物語に急遽、設定を変更した今回でした。
未熟児動脈管開存症は生後1週間以内だと肺出血や 脳室内出血、死亡につながることがあるが、1週間以降は 上記のような状況になるという部分を説明すると前回の 9話を覚えているスタッフの方々も多く、資料も既にあるので ギリギリだけど修正ができた経緯です。 時間も限られていたので自分の詳しい疾患で ドラマの物語に合う設定をスタッフや脚本家の
皆様と相談させてもらいました。エコーの画像など
スタッフと一緒に用意させていただきました。
<未熟児動脈管開存症>は新生児医療以外では
馴染みがない疾患かもしれません。でも、NICUでは
赤ちゃん達の未来に関わる疾患の1つだと思います。
インドメタシンという薬物療法で動脈管を閉じることも
できますが、しょうたくんのようにインドメタシンで腎障害の
副作用がでるくらいなら手術を考える必要が有る疾患です。
は、未熟児動脈管開存症の診療をみんなでよりよくしたいと願って作り上げたものがあります。 2013年に上記のガイドラインを
医療者向けに解説した
未熟児動脈管のしんえこー検査による、
より的確な診断と重症度評価を取り組んでいます。
710名の患者家族が研究に協力して下さった 上記の多施設共同研究をして、よりよい診療を探しています。 そういうNICU医療の取り組みなども
多くの方に知ってもらえたらと思いました。
医学生や看護学生さん、研修医の皆様などに 未熟児動脈管開存症についての勉強や診療の
向学心を高める機会になればと思っていましたし、
一般の皆様への認知度も高まればとも願っていました。
NICUシーンの撮影は
自分が院内の役目でペルソナにいけない日も多かったので 日赤医療センターの中尾先生、当院の非常勤でもある
亀田医療センターの近藤先生、そして、
北九州から3ヶ月間の国内留学をしてくれた大村先生や 当院の休みの看護師さんに
医療技術監修をお願いして、みんなでNICUの雰囲気作りを 目指した会でした。
背景と伝えて欲しいことを託して朝一番からペルソナ 出張してもらいました。 大村先生達に感謝しました。
再度訪れたシーンにNICUの入り口に
掲示されている 「NICU卒業生からのメッセージボード」は
チームコウノドリのスタッフの皆様が
当院NICU入り口にあるメッセージボードをみて
同じように作りたいと言ってくれました。 自分はちょうどこの月に開催した 2年前に出ていた御家族達に連絡してお写真や
メッセージを今橋先生や白川先生、 NICU看護師さん達に送ってもらいました。 当院のNICU入り口のメッセージボードと
同様に
後輩の御家族へのエールを感じる素敵な
メッセージボードに思えました。
「神奈川こどものNICU卒業生というよりは、 ウチのNの卒業生でもあるのですね」 と言ってくれた言葉がすごく嬉しく感じました。 <ウチのエヌ>という言葉に すごく温かさを感じました。 NICUでお子さんを出産された
御家族は今の命のことと共に、
未来の成長した姿が気になると思います。
これは医療者がいくら言葉を尽くして
説明しても不安は消えない、
同じ想いを昔した御家族のメッセージ、
子供達の姿が不安を和らげてくれることが
あるのだと信じてこのブログなども続けている自分です。
そういう気持ちをわかってくれているのを
感じる今回のNICU卒業生メッセージボードを
眺める翔太くんのママさんのシーンに思えました。 1日、白川先生と一緒にいて、手術を希望されない御家族に
いらだつ気持ちにも共感していた大村先生だったのだと思います。 撮影現場で下屋先生と白川先生に
会いに来てくれたママさんの言葉と、下屋・白川先生の安堵の 表情に共感していたのか、涙ぐみながらの素敵な安堵の笑顔でした。 優しくて、タフな素敵な若手新生児科医の大村先生と 一緒に働けたことに感謝を感じる瞬間でした。 自分は翌日から中国出張だったのでこの日が楽しかった 大村先生と共に過ごした3ヶ月間の最後の日でした。 最後にペルソナに二人で往診して、そして、こういう状況の 御家族に以下に自分達は向き合っていくかを自分達も一緒に 考える状況が研修の最後になって良かったように思えました。 そして、倉崎先生のお子さんの役は前の週まで
NICUの中で撮影協力してくれていた超低出生体重児の りくちゃんがママさんとパパさんと一緒にスタジオにきて くれてペルソナのNICUの患者さん役をしてくれていましたね。 もらった赤ちゃんと御家族と再会するような気持ち になりました。 見事に倉崎先生のお子さん役を演じてくれていた 超低出生体重児だったりくちゃんでした。 倉崎先生のお子さん役で6話以降も登場予定の
りくちゃん。コウノドリの物語の中で、育っていく
経過が残るなんて素敵だなと思いつつ、いつか、
本人にその時の気持ちをママさんやパパさんや
医療スタッフで伝えられたらと思っていました。
ご意見ご感想などをコメント欄に一緒に書き残して
いただければ心強く感じます。 来週の第6話は以下です。 前回に比べると重い展開が多いというご意見もありますが、 是非、重いからといって目を逸らさず、現実にあるかもしれない ことに心寄せ、 一緒にコウノドリの日々をシェア出来たらと思っています。
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<猫派>です。翔太くんのお話は、漫画の何巻だか思い出せないと思ったら、オリジナルだったのですね。家族と医療者の心情の違い、緊迫したカンファレンスなど、こちらも名場面の連続でした。
「物語の時間軸」に合わせて病気の設定を変更されたとは、リアリティを追求する先生方とスタッフの皆様、そして見事に表現した白川先生たちキャストの皆様の、総合力で実現された快挙だと思います。
あのメッセージは、卒業生ご家族が新たに書かれたものなのですね。ドラマを通じて全国に、励ましを届けて下さったと思います。「うちのエヌ」との土井監督のお言葉、心にあたたかさを分けて頂きました。
りくちゃんとおっしゃる赤ちゃん、大きくなられて、上手にミルクを飲んでおられましたね。倉崎先生がゴロー君をたしなめた時も泣かない、賢いお子さんでしたねー。
大村先生、ステキですね。おばさん目線ですみません。新天地でのご活躍をお祈りいたします。
2017/11/12(日) 午後 10:04 [ tok***** ]
りくとの母です。
今回このような機会を与えてくださり、本当にありがとうございました!
1000gもないりくとを出産し、想像もしていなかったことの連続で、今まで周囲に打ち明けることができていませんでした。びっくりされ、大げさに捉える人。出産やNICUのことをよく理解していない人。なかなかうまく説明できませんでした。でも今回コウノドリをきっかけに、テレビを通してみんなにりくとの成長を見せることができました。また、出産やNICUのことを私自身もそうですが、みんなに知ってもらうことができました。
辛い時もありましたが、NICUの先生や看護師さんたちは大変な状況にも関わらず、いつも私たちが安心できるような雰囲気を作ってくれました。おかげでりくとは大きく成長してくれました。本当に感謝でいっぱいです。
またNICUにりくとの顔を見せに行きます!
6話以降も楽しみにしています!
2017/11/13(月) 午後 4:49 [ りくちゃんママ ]