がんばれ!!小さき生命(いのち)たちよ

9年間ありがとうございました。2019/8/31に https://nicu25.blog.fc2.com/ に移行しました。

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先週末は土曜日・日曜日と
国立成育医療研究センターにいました。


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という施設や職種・専門性を超えたチーム、
仲間との夏合宿でした。

未熟児動脈管開存症の世界的にも
類を見ない多施設共同の心エコー検査に
関する臨床研究を終えつつあります。

全国34施設に入院されていた
710名の早産児の心エコー検査や様々な
臨床データをもれなく集めたデータベースを
成育医療研究センターの生物統計室やデーター管理室
の皆様がデータベース管理をしてくれていました。

多くの人たちで取り組んだプロジェクトの成果を
増谷先生と諌山先生を中心に
研究結果を英語論文で投稿する直前の今です。


その生物統計室の皆様が企画・準備してくれた
2日間の統計合宿に参加していました。

このプロジェクトは
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から続いているように思える施設の垣根
を超えた仲間やその後に出会った
新生児医療仲間で
諸外国の根拠を調べるだけでなく、
自分たちでも日本だから見つけられる
より良い診療の根拠を作っていきたいという想いで
終結した新生児医療仲間でしたが、
大規模臨床研究を指導してくれる存在を求めていました。

川崎病の大規模臨床研究を成し得た当時、トロントに
いた小林徹先生に頼み込んだ増谷先生と自分でした。
小林先生、ご親戚が神奈川こどもNICUに入院したことがあり
ご面会でも出会ったことがあり、そのご縁や増谷先生との
信頼関係の中でボランティアでチームに参加してくれた
小林先生がいてこそのPLASE研究でした。

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当初から、小林先生、本研究が無事に終わった後に
提案してくれたことがあります。

参加していた施設、協力者みんなでデータベースを
共有して統計や臨床研究を勉強したり、サブ研究を
頑張る人たちがいたら誰でも取り組んでいいというような
これまでの日本でなかったように思えるようなフラットな
研究チームを作りたいと提案してくださっていました。

その思いに共感・賛同していた自分たちです。

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当院でも繰り返し、臨床研究のレクチャーをしてくださってきた
小林先生、こういう機会を新生児医療の後輩世代に届けたいと
思えていました。

この合宿がPLASE研究で終わらず、PLASE学校のような
研究と研修や人材育成を医局や施設などの壁を超えて作りたいという
このプロジェクトの本当の目的とも思える夢の実現の始まりに
感じた夏合宿でした。

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PLASE研究のサブ研究は研究参加施設に公募したのですが
志願してくれたメンバーが夏休みを活用して集結してくださって
いました。自分も1生徒として勉強したいと志願しました。

    
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土曜日8時間、日曜日7時間近く、
臨床研究や生物統計に
ついて特訓を受けてきました。

小林先生たちが作ってくれたPLASE夏合宿の目的は
1.     PLASE Studyサブ研究の研究コンセプトを確定させ、統計解析計画書(SAP)を作成する事によって結果を正しく解釈するための一助とすること。
2.     暫定解析によって出力された結果を用いて前向き検証的研究を実施するためのサンプルサイズ計算を行い、PLASE Study Next Stepの方向性を見いだすこと。
3.     正しい研究計画立案・解析・解釈の一連の流れを体験することによって、Academic NeonatologistCardiologistへの入り口を見つけること。
4.     多施設の研究者が一堂に会してひとつの目的で議論することによって、Academic NeonatologistCardiologist)の人的ネットワークをさらに強固にすること。


成育医療研究センターの生物統計に長けた皆さまに
まずは3つのレクチャーを受けました。

小林先生から
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「統計学の基礎の基礎:P値に使われるな!」
のレクチャー。

自分への復習、
この場に来れなかった仲間への伝達講習のつもりで
印象に残ったことを列記しておきます。

P値:とある事象が起こる確率(probability)
・P値を計算する理論的背景としては、知りたい仮説の反対「新規治療と既存治療に実は差がない」という<知りたい仮説の反対:帰無仮説>の確率を計算している。知りたいことの反対の事象が起こる確率を出している。

・P値に振り回されないためには、<標本抽出>・<バイアス・交絡>、<多重比較(第一種過誤)>、<検出力(第二種過誤)>の4つを理解。

サンプルデータからわかる<事実>」から「医学的研究で知りたい<真実>」を推定するのが臨床研究。サンプルが母集団を代表できているかを考えるべきでこれがバイアスの評価。

・P値に振り回されないためには因果関係が本当にあるのか?、第3の因子である<交絡>の存在を考える。

・交絡とバイアスは別のもの。
解析で調整できるのが<交絡>、解析で調整できないのが<バイアス>

・多重比較:下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる研究で生じてしまう過誤。
・第一種過誤:間違っていることを正しいと判断してしまう確率(わてんぼうのα error) 5%未満で

第二種過誤:正しいことを間違っていると判断する確率(んやりのβ error) 20%未満で

検出力:正しいことを正しいと判断する確率  80%で

・サンプル数が増えれば増えるほど、検出力は上がる(臨床的に意味があるとは限らない)

・P値=質X量:<証拠の質の高さ> X  <サンプルの量>
<強力な治療(証拠の質)が高ければサンプル数が少なくてもP値が小さくなる。効果は少なくてもサンプル数が膨大になれば効果は証明されることはあるが弱い治療とも言える>
P値や統計学的有意差は効果の量や結果の重要性を示すものではない。
統計的有意差と臨床的有意差は違って、結果の価値を考える必要がある。

<探索的研究>:事前に仮説を特定することなく、データを集めて
そのデータの中で何らかの関連性を見つけて、仮説を立てる研究
(結果を検証できない!)
<検証的研究>:事前に仮説を定め、それが正しいか否かをデータに
よって研究すること


・生物統計家への事前相談は大切で、とりあえずデータ集めて
相談するというのでは、研究のダメな部分を指摘できても、研究を
生き返せるわけではない。。。


2つ目の講義は成育の生物統計室から
新たなに仲間に加わってくれることになった
生物統計家の朴先生の
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「なぜ統計解析計画書(SAP)を作る?」
 のレクチャーでした。

・探索的研究だと<結論>ではないので、検証的研究を計画するための
準備と言えるかもしれない。
・臨床研究は、多重性の罠欠損データの罠交絡因子の罠
あるのでそれらを乗り越えていく統計解析が必要。
・臨床研究の統計解析には、誰が解析しても同じ結果になる
ような<再現性>が求められる。そのための事前計画が大切である。
・臨床研究のプロトコールガイドライン:SPIRIT
統計解析計画書(SAP)としては
背景・目的、試験デザイン、統計的原則(信頼区間と有意水準、解析集団の定義)、解析対象集団、統計解析手法(評価項目の定義、観測データ・欠損データの取り扱い)を記載する。

・解析手法には、PI(E)CO・データの型(連続、離散)の適した解析手法の詳細、交絡因子の調整、主解析、副次解析、感度分析、サブグループ解析を明確に区別して記載。

統計解析書(SAP)はPI(E)COが根拠となり、主張できる結論を練りながら作成する。

・探索的研究の結果次第で、次の検証的研究の「PI(E)CO・計画・データ・解析・結果・結論」が見えてくる。

・検証的研究につながるような探求的研究の丁寧な計画が必要。
などをわかりやすく伝授してくださいました。


臨床研究の手段としてどう使うかを悩んできた<生物統計>
をを理論的、体系的にみっちり講義を受けられて目が冴える、
  目が覚める、というか新たな能力を授けてもらっている気がした
  講義が続きました。

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   自分の復習がてらに
 合宿報告の<その2>を明日以降、
改めて書かせていただきます。

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