がんばれ!!小さき生命(いのち)たちよ

9年間ありがとうございました。2019/8/31に https://nicu25.blog.fc2.com/ に移行しました。

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の続き、PLASE夏合宿の報告(その2)です。
プロジェクトの仲間への伝達講習自分の復習
かねて書き残します。

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から、仲間であり、トロントに留学して新生児医療の
臨床しつつ、生物統計を学んで、世界的な論文を発表している
成育医療研究センターの諌山先生。

PLASE研究の研究デザインもトロント留学中の
諌山先生が計画してくれて、結果を増谷先生と
論文化に目指してくれています。

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「多変量解析のいろは」というテーマで
講義してくれました。

講義の内容を下記に列記すると、

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・多変量解析の目的は「2つの因子の因果関係を明らかにしたい」、
「予測モデルを作成したい」の2つである。

・知りたいことは<暴露・介入>が<病気や結果>と因果関係があるかだが、
そこには<第3の因子>が邪魔をする。この第3の因子はランダム化比較試験では
影響少ないけど、観察研究では大きな問題となる。

<第3の因子>の影響を除いて因果関係を明らかにするためには多変量解析が必要。

・因果の推定をする場合に3つの<第3の因子>の理解が大切。
その3つの第3の因子とは交絡因子・中間因子・効果修飾因子がある。

交絡因子は「結果に影響を与え、暴露因子と関連があり、暴露因子と結果の中間因子でない」。
「コーヒーをよく飲む人が心筋梗塞になりやすい」という因果関係を
考えるときにコーヒー飲む人は<喫煙者>でもあるという交絡因子が関与している
可能性がある。
・「未熟児動脈管開存症は脳出血を起こしやすい」という因果関係を
推定するには<在胎週数が少ない>という交絡因子を多変量解析で
調整する必要がある。

中間因子とは<因果の中間にあること>で
「超早産児に発達障害が多い」という因果関係を推定するとこに
超早産児と発達障害の中間に<脳室内出血>などの中間因子が
ある可能性がある。
「超早産児は脳室内出血を起こしやすく、起こすと発達障害になる」
という因果関係があるかもしれない。この中間因子を多変量解析で
調整するとむしろ因果関係が隠れてしまうことがあるので
多変量解析で調整すべきでない

効果修飾因子「交互作用ともいえ、暴露の影響の大きさを変えうる因子」
ステロイド投与と脳障害の因果関係を考えるときに<慢性肺疾患>
があるお子さんとないお子さんで因果関係は違う可能性がある。
効果修飾因子については層別化するか、交互作用を入れての調整が
必要となる。

「新生児科医のエコーが早産児の合併症を減らすか』という
因果関係を考える上で<未熟児動脈管開存症状があるかないか>
という効果修飾因子で因果関係は変わりうる。未熟児動脈管
開存症があるグループとないグループに層別化して因果関係の
推定が必要になる。この部分を諌山先生の論文を例に
解説してくれました。

・交絡の調整は多変量解析やランダム化だけでなく、
制限:対象患者を交絡因子が一定条件の患者に絞る
マッチング:交絡因子がグループ間で均等になるように対象を選ぶ
(症例対象研究)がある。

・解析による交絡の調整には、層別化が有効であるが交絡因子が多かったり、連続変数では
層別化しづらい。その時は多変量解析が有効だが、十分なサンプルサイズが必要

多変量解析の種類は結果変数によって変わる。
結果変数が血圧や入院期間といった連続変数のテーマでは線形回帰分析(重回帰分析)
結果変数が死亡や合併症の有無といった2値変数ではロジスティック回帰分析
結果変数が死亡時間、敗血症の発症時間といった生存時間ではCox回帰分析となる。
ロジスティック回帰分析はアウトカムが起こる確率がPとして
出る。オッズ比が出る。

回帰分析するときは3値以上のカテゴリー変数ならダミー数変化が必要。
・在胎週数と出生体重のような
相関が強い2変数をモデルに同時に入れるとモデルが不安定になる。
回帰分析は交絡因子を調整し、中間因子で調整しないのが大切
・経験則として解析モデルに入れる変数の10倍はアウトカム数が必要
(調整する変数はアウトカム数の1/10くらいにしたほうがいい。)

予後予測が目的の場合にはPLASE研究のようにアウトカムの起こる
確率(p)の閾値を変化させたROCカーブを描いて、そのエリアアンダーザカーブ(AUC)
評価する方法がある。
予後予測は因果関係を問わないのでどんなにたくさん変数を入れてもよいので
変数の選択はそれほど重要でもない
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以上です。ご自身のトロントでの研究論文やPLASE研究のこれまでの結果を
踏まえて統計を教えてくれた気がして感謝でした。

諌山先生、留学直前の多忙なときに、1年間で
極低出生体重児の診療ガイドラインを作った上で
質向上プロジェクトを行えるか?という厚労省からの
戦略研究の「INTACTプロジェクト」のガイドライン作りに
力を貸してくれました。

の土台作りに協力してくれた
NTACTプロジェクトの序盤の中心の1人
でした。





で3ヶ月で作り上げたINTACTガイドラインの総意形成会議(デルフィー会議)に参加してくれた上で、留学に旅立つときに、諌山先生が帰ってくるまで
新生児医療を続けられているか心身ともに自信がないころで、今生の別れの
ように別れた日を思い出して、諌山先生のトロントで艱難辛苦を乗り越えて
学んできたことを日本で伝達講習してもらえていることに感動していました。



諌山先生の講義の途中、生物統計家としてPLASEの柱に
なってくださっている三上先生が
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補足解説もしてくれました。三上先生、PLASEの中で出会い、
自分、統計の初歩本などを推薦してもらっていて、自分にとって
師に思える存在です。PLASE夏合宿も2日間、自分の側にいていただき、
質問を全てわかりやすく答えてくださり、師匠に思える存在です。



小林・朴・諌山・三上先生には
高校時代、文系だった自分にも腑に落ちる、
統計力を向上してくださっている気がしてそれぞれとの出会いに感謝でした。
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夏合宿報告(その3)を後日書き残したいと思います。




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