がんばれ!!小さき生命(いのち)たちよ

9年間ありがとうございました。2019/8/31に https://nicu25.blog.fc2.com/ に移行しました。

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神奈川県立こども医療センターでNICUにきてくれた若手医師の皆様にはこのブログに感想文を書いて下さることを条件に下記の本をプレゼントしています。
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本日は、4月に北海道から1年間の予定で神奈川県立こども医療センターでの研修を始めてくださっている小籏菜穂先生のご感想を掲載させて頂きます。
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 NICUで働く新生児科医としてがんばっていこうという若手医師の気持ちなどを多くの方々に知って頂き、NICUでがんばる赤ちゃん、御家族と共に応援してくださればと思います。

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がんばれ!!小さき生命たちよ 感想文
 
この春から、豊島先生の勤める神奈川県立こども医療センター新生児科に研修に来て、この本を読むチャンスを得た。
 
 突然早産で赤ちゃんを迎えることになり、気持が着いていく間もなく赤ちゃんがNICUに入院することになる御両親の立場からの手記。そして、長年新生児医療にかかわってきた豊島先生の言葉。

 新生児医療に関わり始めて数年経つが、この本を読みながら、私が関わった赤ちゃんや御両親のことが頭に浮かんだり、赤ちゃんの御家族にまで思いを馳せることができていなかった自分自身を反省したり、だった。
 
 私は医学の勉強を本格的に始める前から、将来を担う存在であるこどもの医療に携わりたいと思っていた。が、実は新生児医療には関わる気はあまりなかった。それが、研修でNICUを廻り赤ちゃん達の担当医となって、私の思いは変わっていった。
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NICUに入院している赤ちゃん達は、決して特別な存在ではない。つい昨日までお母さんのおなかの中にいて「予定日になったら元気に生まれてくること」を夢見られて大事にされていて、でも予定日より早く外の世界に出ることになってしまった命。もう少しで元気に生まれてくるはずだったのに途中で具合の悪くなってしまった命。誰も悪いわけではないのに、具合の悪い個所を抱えて生まれてくることになってしまった命。

どれも、私自身や家族、友達にも起こり得ることだったし、実際、こどもができてNICUに入院することになった友達もいた。たとえ、医療関係者であっても、NICU医療は当事者になるまで「自分には関係ない領域」だったのだな、と感じていた。
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今回この本を読んで、御家族にとって「同じ体験をした先輩の存在が大きいこと」をあらためて知った。
最近の「プライバシー保護」の観点もあって、入院中の赤ちゃんの御家族同士の接点を医療者である私たちが作ることにためらいを感じていた。まして、退院して外来に通う「先輩達」を入院している赤ちゃんの御家族に御紹介することなど、考えてもみなかった。

私が個人的に退院した赤ちゃん御家族と連絡を取ることもためらわれ、外来で会ったときに言葉を交わし、成長を見せていただき、ひそかに一喜一憂するにとどめていた。

だけど、もしかしたらお母さんたちは、先輩家族や、同じような経験をしている人を知りたいと思っていたのかもしれない。早産予防のために産科で長期間入院していたお母さん方は、赤ちゃんがNICUに入院した後もお互いに声を掛け合ったりしていた。しかし、他院から搬送されて急にお産になったお母さんや、地方で生まれて赤ちゃんだけ遠い地の病院に入院することになったお母さんは、当然一人だった。面会に来ても表情が冴えずにずっと小さな赤ちゃんを見つめて黙って帰られるお母さんにかける言葉がなかったことが何度もあった。そんなとき、寄り添って心の声を聞けるのは、赤ちゃんの担当医や担当看護師よりも、同じ経験をした先輩ママなのかもしれない。
実際、似たような境遇の赤ちゃんの御家族との接触を求めてこられる御家族もあった。しかし、私は積極的には応じなかった。優しくなかったと思う。
 
早産のこどもたちが退院した後にぶつかる壁は、大きなハンディキャップを抱えたこども達の壁とはまた少し違ったものなのかもしれないと思う。早期から療育(治療的教育)や養護教育が必要なこども達やその家族は、コミュニティができやすいように感じる。一方で、通常の幼稚園や学校に通い始める早産児達や御家族は、他の子と違う問題を抱えることが多いにも関わらず、孤独である印象を受けることもある。

実際、幼稚園教員から聞いた話では幼稚園の入園時点において明らかに月齢より幼く見える児もいる、早産児であれば見方も変わるが、書類上では誕生日しか分からないから、言ってもらわないと分からないとのこと。

早産で生まれたことを隠さなくてもいいような社会、それを認めあい、みんなが対応できるような社会にできればいいと思った。
もしも、早い時期から同じような境遇の友達や家族と出会うことができていたら、その子や家族の日常はもう少し違うものになるのではなかろうか、と感じた。そのために、NICUの医療者としてできることを考えてみたい、と思った。
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そしてもう一つ印象的だったのは、NICUの医療は社会の中の医療資源を使って行われていることであり、それには限りがあること、限りあるものを皆で分け合っていく必要性を御家族にもお知らせしている豊島先生の姿勢だった。
医療資源には限りがある、だからこそ未来を担う子供たちにこそ役立ててほしい。」と思って成人ではなく小児科医療を目指していたはずなのに、実際仕事を始めると、それは私の頭からは消えていった。 実際社会が担うことになるNICU医療費を患者家族に知らせるのは、患者家族に精神的負担を負わせるようで御法度のような気すらしていた。

 しかし、「モンスターペイシェント」に陰で文句を言うのは簡単だけど、医療事情を社会に知らせない我々医療者にも責任はある、お知らせすれば患者さん御家族も考えてくれる方が多い、というのも改めて知った。
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 医療者として、困っている赤ちゃんや御家族に向き合う姿勢を考えさせられることの多い本だった。そして同時に、やはり社会の多くの人に、知ってもらう必要があると感じた。

経験談を公開し、その後NICUサポーターとして本当に活躍してくださっている村田選手御家族にも感謝いたします。

(神奈川県立こども医療センター 新生児科 小籏菜穂)
 

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(TBSサービスから出版。本の収益は新生児・小児医療に寄付予定)
 

閉じる コメント(3)

早産。私は約四ヶ月早く息子を出産しました。
自分が早産するまでは早産って言っても数週間。未熟児と言っても2000グラムくらい。
としか想像してませんでした。
自分が経験してみてわかった事がたくさんあります。
世の中のみんなが超未熟児ちゃんに対してあまりにも知識がなくて理解してもらえない。
何気ない一言に傷つき泣いた事もあります。
やっぱり同じ境遇のママ達と話しをしていたほうが安心だし心強い。

村田選手の本やこのブログ。もっと色んな人に読んでもらって欲しいですね。

2011/4/22(金) 午後 11:26 [ kairi ]

確かに、同じ境遇のママや赤ちゃんの話を聞ける環境はありがたいと思います。

うちは、NICUで同室だったママさんたちと連絡先を交換して、
三歳になった今では月一で遊んでいます。

早産児特有の悩みや、療育のことはもちろん、
一緒に頑張ってきた姿を見ているからこその、成長の喜びを分かち合っています。

難しいかもしれませんが、NICU退院間近の頃に、同じ境遇の相談相手を作れる場(退院後のことについての相談会をするとか。。)があれば、
ママさんたちも心強いんじゃないかなと思います。

2011/4/25(月) 午後 3:33 [ mini-mameko ]

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うちも 26週で息子を産み 4ケ月入院しました。当時は真っ暗闇の中にいました。 何も見えなかったです いろいろ見えるようにしてくれたのは 頑張ってくれた息子 フォローして下さった先生と看護士さんのおかげです 初めての集団幼稚園 入園では心配しました
学校入学の時も…でも今は みんなと一緒に足並みそろえてやってますよ あれから もうすぐ 10年 小学校4年生になりました
当時はやっぱり 私も未熟児の子が大きくなった姿を見たいと よく主人にも 言ってました。

2011/9/2(金) 午前 11:58 はるぼん


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