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前編に続けます。
医学的な経験・予測・常識(決めつけ)が当たるとは限りません。
人間の生命力や御寿命は科学を越えたところにあるかもしれません。
はるくんです。心拍数と表情に大きな違いを感じる穏やかに
元気そうなはるくんです。
声をかけると目をあけ,そちらを見るようになりました。
手を振るように手を動かすようにもなりました。予定日から考えても
まだ29週くらい,浮腫がなければ500gの体格のはるくんですが,
成長を感じました。
集中治療だけでなく,多くのご家族や医療スタッフ達との時間,応援,
ふれ合いがはるくんの成長・ふんばりを促しているようにも思えます。
木曜日の午前中までは穏やかに目を開け,応援に応えているはるくんでした。
そんなはるくんも48日目,木曜日の午後から眠るように心拍数が20回/分を
きるようになりました。涙が止まらないようにみえたパパさんと
ママさんと双方のご家族の中でファミリルームで時間を過ごしていました。
私と岸上先生は1時間1時間が大切な状況に感じると話しました。
「何をしてあげたいか? お2人で考えてね」と問いかけた木曜日の夜でした。
パパとママは心配してきてくれた双方のご家族達に一旦,外に
出てもらって3名だけで過ごしたいとおっしゃいました。
自分たちの生まれ育った家族に感謝しつつも
<パパとママとはるくんの家族>の時間を持ちたいと有終のときに
大切にしたいと思ったのかなと傍で感じていました。
その時間を送り,心拍数がいよいよ遅くなってきたとき,パパは
「人工呼吸器や点滴の管を抜いてあげて欲しい」とご希望されました。
理由を問いかけた私達に
「100%母乳風呂に入れてあげたい。
温かい母乳のお風呂にチューブなどの気兼ねない状態で入れてあげたい。」
と<泣き笑い>の優しい表情のパパとママがまっすぐに目を向けて伝えてくださいました。
消化管穿孔を起こし,母乳をお腹に入れてあげられなかったはるくん。それでも
母乳を絞って,母乳で日々,体を拭いていたパパとママだからこそ自らで考えつく,
お風呂に入れてあげたいという願いをもったのだと思いました。
その気持ちに感動した私達でした。
担当看護師さんと岸上先生と私で48日間の役目を果たしたと思える
点滴や人工呼吸器のチューブをはずしてあげたいと思いました。集中治療を
差し控えるからこそ,得られる<赤ちゃんの有終の時間の過ごし方>も
あると思います。
限らないと気づかせてくれたはるくんの心臓です。
苦しそうでない,穏やかに笑っているように思えたはるくんの表情
でした。
<有終が近づくはるくんとの時間>を遺しておこうと
しているパパとママだと思いました。最後の最後まで
自分たちで出来ることをしようと自分たちで考えて行動している
パパとママに感じました。
はるくんのお腹の中に入れられないまでも日々絞って保存していた母乳を
看護師さんが温かくしてくれて,もってきてくれました。
ボールのお風呂の中で優しく
お湯をかけたり,さするように体を綺麗にしてあげているパパと
ママです。
それまではお互いの名前を呼び合うことが多いご夫婦
だったのがお互いにパパ,ママと自然に呼び合うようになっている
ように感じて,はるくんがこの2人をパパとママにしてくれたのだねと
想いながら写真を撮らせていただきました。
パパとママ,担当看護師さんでした。はるくんの有終を大切にしている
ことを感じました。お風呂で一旦温かくなったお体が段々冷たくなって
きたという言葉に岸上先生が診察をしてくれて,はるくんが天に還られた
ことを一緒に確かめました。
早産,様々な合併症の人生だったけど,その中で御寿命を
力強くご家族と一緒に生き抜いたはるくんだと想い,讃えたいと思いました。
NICUの外で待って居るご家族を順番にファミリルームに
お呼びしたパパとママでした。お風呂で綺麗になった
チューブなどが入っていないはるくんの可愛い,頑張ったことを
労ってあげたい姿をおみせつつ,家族写真を遺そうということになりました。
頑張ってきたご家族それぞれだと思います。パパ側の祖父様が残念ながら
間に合わなかったことを気にしてくださっているママ側の祖父・祖母様の
言葉にはるくんが双方のご家族の絆を深めてくれたのかなと想いながら
写真を撮らせていただきました。
もう一晩,ファミリールームではるくんの
お体と一緒に宿泊して翌日,NICUご卒業となりました。
自然な姿のはるくんと親子で並んで眠ったそうです。
パパは寝返りではるくんをつぶしそうな気がして気をつけた!
とアサ話してくれました。
病院の出口に見送りに来た
関わってくれていた看護師さん達や相談室の皆様です。
流している看護師さん達も多いです。仕事を越えて,人間として
やはり出会いを大切にしていたのかなと思いました。優しい看護師さんや
病院スタッフだなと仲間ながら労いたい気がしました。
「豊島先生,新関先生,野口先生,岸上先生,看護師さん達,
病院の多くの人達に出会えて,この病院ではるきと過ごせて
自分たちは良かったと想えています。今までありがとうございました。」
と配慮と礼儀と優しさのこもった挨拶を爽やかにしてくれました。
はるくんの人生を見守り,ご家族として経験した日々は,
はるくんが生まれる前のパパとママとは違った人間として生きていかれる
のではないかと思いました。将来,再度,パパやママになったとしても
そのありがたさや大切,病気のこども達やご家族の気持ちが察することが
できる強くて優しいご夫婦になってくれるかもしれないかなと
想いながら,そういう姿にまた,いつか再会したいなあと思ったりもしました。
本日のお爺さまのリクエストにお答えして,
<ハルボー特集>を書かせていただきました。
本日,お2人とお話し出来たことは大変心に残る時間に
感じました。今後,NICUで出会うご家族とのおつきあいに
活かしていけたらと思える気がした,お言葉の数々でした。
ありがとうございました。双方の祖父・祖母様共にお体ご自愛くだされば
と願っております。
はる君ご家族と会えなくなって淋しく感じていた自分自身の
気持ちのケアにもなった気がします。ご提案有り難うございます。
昨晩は双方のパパとママがそれぞれ生まれ育ったお家をみせて
あげようと両家を回り,はるくんの妊娠を過ごした3名のご自宅に
戻られて夜を過ごされたと祖父様と祖母様にお聞きしました。
そのお話をお聞きしながら,はるくんは
<家族でお家に帰れた><NICUをご卒業した>かなと想いながら
お聞きしました。ご葬儀などで気が張る日々がもう少し続くと
思いますが,はるくんのご家族の皆様,それぞれご自愛くださればと
思います。皆様の今後の人生がよりよいものとなることをNICUから
願っております。
皆様,ご意見ご感想いかがでしょうか? |
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土曜日の横浜にあるこども医療センターの新生児集中治療室(NICU)です。
本日もNICUでは早産や生まれつきのご病気と向き合っている
赤ちゃんやご家族と医療者がそれぞれの時間を過ごしています。
天に還られたハル君の祖父様と祖母様がお礼を伝えたいということでした。
このブログのことをはる君のママさんから3,4日前に伝えてもらい,
見返したそうです。インターネットが不慣れだけれども,このブログに
気持ちを書き込みたかったけど,うまくいかない気がして直接伝えたいと
言ってくれました。
この1ヶ月,毎晩,
はるくんのパパとママに
「明日もまた,会えることを信じて,先に帰るね」と伝えていた私にも
3名が去られたNICUは喪失感を感じて淋しい晩でした。祖父様と祖母様が
この48日間で感じていたこと,はるくんとパパとママに感じていたことなどを
お聞かせ願って,私も共感して心癒される時間でした。ありがとうございました。
はるくんとご家族の時間を残してあげて欲しい,言葉をかけてあげて
欲しい,特集してほしいとはるくんの祖父様と祖母様に
言っていただく言葉に,自分なりにやって
みようと思いました。前編です。
で鳥越さんが病棟に来てくれたとき,その向かい側のベットでは
生まれたばかりのはる君の診療がされていました。
はるくん。医師や看護師,様々な機械技術・治療などで新生児集中治療を
展開していました。自分たちが出来ることは尽くそうと思った生後1週間
だったと思います。パパは村田選手のNICU応援本を読んで,自分も頑張ろう
と思うといっていましたね。一方,ママさんは想像もしなかった出産に戸惑い,
「ネガティブにしか考えられない」と涙涙で嘆き続けていた日々だと思います。
パパに励まされ,はるくんの姿をみながら,前を向き,「自分も頑張ろうと
思えるようになった」という矢先に様々な起きて欲しくない合併症が次々に
生じて,<どこの病院でもやるような治療はやり尽くし,後はいいことが
おきるか,悪いことがおきるかわからないような治療しかない。どんどん,
集中治療を続けて救命だけを目指していく状況ではなくなってきた」と
伝えることになった私達でした。パパさんやママさんのハシゴを外すような,
期待させて置いて振り回すような話をしている自分たちではないかと感じた
この頃です。
何日も毎日話しあうような日々が続き,
「命を延ばす治療だけでなく,限りあるかもしれない時間を
苦しいことや痛いことだけで終わらず,楽しいことや嬉しいと
思ってくれることをみんなでしていこう。
医療者の中で人生の時間を使うのでなく,ご家族の中での時間を
大切にしていこう。」と戸惑いながらも決めたご家族と医療スタッフでした。
やらないようなカンガルーケアもパパとママと医療者で協力して
日々,していました。看護師さん達がよく考えて,やってくれました。
カンガルーケアをすると,血圧が上がる,
利尿よくなるということをはる君からおそえてもらった私達でした。
NICUの中で1日1日,
パパとママでした。真面目に考えつつ,楽しく過ごすことの大切さを
教えてくれたパパとママに思えました。最初は泣いて嘆いてばかり
だったママさんが,<泣き笑い>の表情が多くなり,そして,どんどん
ママさんらしくなっていかれるのを感じていました。
そして,4月に入ってからはNICUとNICU併設のファミリルームを
行ったり来たりする時間になっていました。いけるときは病院から
仕事にいくパパさんでしたが,はるくんが淋しがるのか?
容態が不安定になり,呼び戻すことも多く,はるくんのパパさんの
職場の応援もあってのご家族の時間だったと思います。
にもお載せした写真です。
パパとママの祖母様も途中からははるくんに寄り添って,
どんどんNICUで大家族になっていて,多くのご家族に見守られて
過ごしていたはるくんだと思いました。
<後編に続けます>
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