山中御殿

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吉川元長

吉川元長(1548-1587)

吉川元春の嫡男。母は熊谷信直の娘。鶴寿丸・少輔次郎・元資。治部少輔・伊予守。宍戸隆家の娘を妻とした。父の隠居により吉川氏当主を譲られる。父に劣らぬ知勇兼備の将で、各地を転戦して毛利氏発展の為活躍したが、九州征伐中日向において40歳で病死した。

 吉川元長は、元春の嫡男として生まれます。

 永禄4年(1561)、元服した元長は、最初は元資と名乗り、天正元年(1573)に元長と改名しています。
 父同様に文武両道に優れた武将で、永禄6年(1563)に16歳にして出雲尼子氏攻めに初陣を果たし、以後、父・元春とともに幾多の合戦に参加していきます。
 主に山陰方面で活躍した元長は、いったん尼子氏が滅亡したあとも、尼子勝久・山中幸盛ら残党との
戦いを通じて山陰方面に武名をあげました。

 天正10年(1582)、羽柴秀吉と毛利氏が和睦すると、父・元春は秀吉に臣従することを良しとせず、家督を元長に譲って隠居しました。
 こうして元長は、同年代の主君・毛利輝元を補佐して毛利家を支えていく立場に立ちます。

 武名絶倫でありながら、元長は武人としての生業に心苦しんでいたようです。
 「人を殺さなければならない」という武人としての宿命は、単に彼一人の悩みではなく、当時の心ある武将たちなら誰でも受け止めていた問題でもあったのでしょう。

 武士に茶の湯が流行したのも殺伐とした日常に心の平安を求めたためで、『鬼吉川』と呼ばれた父・元春が陣中で太平記などを写本したり和歌に親しんだりしたのも、同じ理由でしょう。
 元長も父同様に書に興味を示す教養人であったようで、同僚知己に対する文も多く残しています。

 しかし元長には、父・元春とは明らかに違う精神があったようです。
 いわゆる「無常観」と言われるもので、生前、元長が僧と交わしていたさまざまな問答からもうかがい知ることが出来ます。明らかに彼は、一人の人間として殺生へのやり切れなさを感じていたようです。

 その結果として、元長は『万徳院』を建立します。
 これは、元長がすべての宗教、宗派を超えて、魂の安らぐ場所として創建した寺院であったのです。

 しかし、やはり武人である以上、戦は避けられません。

 天正14年(1586)、豊臣秀吉は島津征伐の軍をおこし、元長もこれに参加しました。
 これには隠居の父・元春も加わっていましたが、元春は病のために小倉城で病没してしまいます。

 そしてその半年後、元長も日向の西都陣中で、父のあとを追うように病没してしまいました。享年40歳。墓所は、広島県山県郡豊平海応寺の「吉川氏居館跡」にあります。
 元長亡き後は、三男・広家が吉川家を継ぎ、吉川家は雲伯を領して豊臣大名となっていきました。

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武人として優れていたことと、自分の生き方や理想といったものとが相容れなかったという所にこの人の悲劇があったように思います。父の死からわずか半年で亡くなったというのも、精神的な悩みやストレスが影響していたのだろうかと思ってしまいます。

2005/10/9(日) 午後 6:09 [ mannennetaro2005 ]

>寝太郎さん 戦国武将として生まれなければ、幸せだったのかも、ですね。この人が生きていれば、その後の関ヶ原での毛利家の振る舞いはどうなっていたでしょうか? ちょっと興味がありますよね。

2005/10/9(日) 午後 6:32 佐々木斉久


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