修行中に仕事としてはさせてもらえなかった板金や塗装
コックの世界もひたすら皿洗いですよね。
早く経験を積んだ方がと言う考えもありますが
急がば回れと言う言葉がある通り、その皿洗いが大切なんです。
早く経験して身につけることも大切ですが
独立し、いろいろな難問やトラブルにぶつかります。
辛い時期を経て、色々な事に悩みもがく事が、そうした時に役立ちます。
家業を継ぐつもりで家の仕事に入った私に、
父は「給料を払えないから外で働け」と言うんです。
人を使ったらやって行けないのは誰よりも分かってる私は
4:00前から仕事をし14:00から自分の仕事。(寝る時間は1〜2時間程度)
家業での収入は0なので、やはり父の言う通りなのですが・・・
父が他界し家業を続ける話をすると、母親は「無理」の一言でした。
0から立ち上げ苦労してこなければ、何かあった時にたちなおすのは無理だと。
現実の話でした。
今回は塗装の話し
ペイントワークは、一番やりたかったジャンルの1つでもありましたが
板金としての業務をあまり経てきてませんでしたので板金も外注でした。
年数を経て外注した補修個所に納得がいかない事や
オールドカーの補修個所が痛んでくる・・・
ぼかし塗装した個所や補修塗装の劣化にも疑問を生じ
1つ1つ模索し、繰り返しながら進むべき道を踏みしめてきました。
外注板金したパネルを剥がすと思いっきりうねります・・・
四方が抑えられた状態で補修されてるのである程度のゆがみや引っ張りがあっても
落ち着いてしまいます。
スポットを揉み1枚のパネルに成ると歪む板金
多くの車はモノコックなので、そうした補修では剛性が出ませんよね。
かなり肉厚の板を叩いて制作していきます。
LOWRIDERはホッピングをしてフレームを歪ませてしまうケースが多く
そうした車両で、特に2ドアクーペのクオーターパネルはべっこりと歪みます。
4ドアはピラーが多いので、そうした歪みでも抑えられてしまいますね。
悪条件の車ばかりと対話してると、車にとって最善の補修方法を模索するんです。
外見をきれいに直すではなく、車として正しい補修を済ませる事です!
補修した個所の塗装も同じで
指定色を用意して塗ってみても、同じ色に成りません。
紫外線にさらされ焼けてしまってたり、製造ロットでもまちまちです。
補修が思うように出来なかった頃は、
板金屋さんは凄いと思いました。
どんなに調色しても納得が行かない時もあります。
壁にぶつかると、普段考えない事や方向性を考えるものですね。
指定色を作り塗ってみると、まったく色が合いません・・・・
周辺もぼかして塗れば早いですが、そんなごまかしは嫌ですし
ぼかし塗装の耐久性を知ってるので。
色合わせしては塗り、色確認を繰り返しでした。
こういう時に大切なのは
「直感力」 
一瞬見ただけで赤みが強い!
青みが強い!
こうした直感が、一番答えに近いんです。
納車やお客様と話をして気が付くことが多いのですが
「どうして直してるのが分かるんですか?」と聞かれると
「あの辺の肌がゆず肌に成ってませんか?」
「少し黒っぽいでしょ?」
「少しメタリックが白っぽいでしょ?」
という風に話をすると、たいてい「本当だ!」っていう風に
素人でも指摘を受けると違いが判ったりします。
人間の感覚は凄くて
ちょっとでもカレンダーが曲がってれば違和感を感じますし
色も例外ではありません。
ハイエースは、追突されリヤ周辺を補修された車両で
スムージングバンパーだけ私に頼まれました。
色がムラだなと直ぐに判りましたが
指定色の配合票を見てしまったのが落とし穴と成ります。
配合票が無いと、無い成りに直感を最優先して調色して行きますが
見てしまうと、やっぱり頼ってしまいますね・・・
その結果が、まったく合わない色になってしまうんです。
既に誰かの手で補修された塗装ですから効率よくこんなもんだろうで進めるでしょう
改めて、日が傾き屈折した光を当ててみると
パールの方が赤みを出して輝いてるのか
ベースの白が濃いのかが意外と分かるものです。
ダイヤモンドクリヤーと鏡面仕上げ、
コーティングまで終えて車両に取り付けました。
車両に取付を終えると、ドアの方がパールが強く明るいんです
マスキングも、これだけ大きな車両なので1日掛かり・・・
とにかく雨ばかりで日照不足もあり(言い訳)
調色した色が車体より明るかった事。
データーが全くなかったとしたらどうなったでしょか。

むしろ、調色に時間を掛けたぶん導き出すのが優れたはずです。
納得いくまで塗り直す事に成りましたが
こうした作業でも直感力が何よりも大切です。
言い方を変えるとセンスの良さが出る訳です。
色々な作業でも直感力を最優先出来るかデーター頼りに仕事として片づけるか
この差は大きいです。
ただし大量生産は別の話しなので無駄な助言は控えてね。
ダイヤモンドクリヤーQのポリッシュ仕上げでは
ネオチェビオットバフNo.2を愛用してます。
ウールバフを使いません。
使いまわしするのと、コンパウンドを押し付けるには効率的かもしれませんが
特にダイヤモンドクリヤーの性質は、
石が当たっても塗料が押しつぶされ戻ろうとする原理の応用です。
強く削りこもうとして仕上げて時間がたつと傷が薄く見えます。
またやり直しと言うジレンマ。
優しく磨き、いったん休憩をはさみ一気に仕上げようとしてはダメ。
仕上がりを見定め決め直す事が大切です。
こうした作業も急がば回れですかね。