九谷焼百話

吉田屋、宮本屋、松山、明治の名人たち……そして、扱いが難しいですが古九谷。多彩で奥が深い、九谷の魅力を見つめたいと思います。

全体表示

[ リスト ]

松ヶ谷だけでなく五彩手や青手の古九谷も、遅くとも
1650年代前半には存在していたと思われます。
それを示すのは、承応二歳(1653年)という裏銘のある
作品の存在です。中皿、小皿、小碗などがあります。

イメージ 1
図録「柿右衛門−その様式の全容−」九州陶磁文化館 より

承応二歳作品については、昔から「製作年代は
もっと後ではないか」という説があります。
こんなに早い時期に完成度の高い五彩手、青手が
できることが信じられないという気持ちは、
私にもあります。

しかし承応二歳銘の陶片が
有田の楠木谷窯から発見されていることを考えると、
後年の作の可能性は低いと考えざるを得ません。
楠木谷窯は1660年代初頭には廃窯になったと
されているからです。

銘はやはり素地の製作年を示しているのでしょう。
そして、絵付けもほどなく行われたと見るのが
自然だと思います。

つまり、こうなります。
「“奇跡の五色”は1650年代前半には開発されていた」
「それを使った古九谷もその時期に作られ始めていた」
 (同じ絵具で松ヶ谷も作られていた)

ではその色はどこで開発され、使われたのか。

この記事に

閉じる コメント(4)

顔アイコン

承応二歳は有名ですね。しかもこれで古九谷の制作年代の
手掛かりとなりますので貴重な資料ですね。
現存数も少なそうなのでよほど出来が良かったのでしょうか。
しかも漢字を理解している絵師の書いたものかな。
想像が膨らみますね。
ナイスです。

2017/4/24(月) 午後 9:58 [ ことじ ] 返信する

顔アイコン

たしかに承応二歳の文字は、
しっかりとした書体で書かれていますよね。
やっぱり特別な作なんでしょう。
ナイスをありがとうございます。

2017/4/24(月) 午後 11:48 [ ナインバレーズ ] 返信する

顔アイコン

お久しぶりです。早速ですが、県立九谷焼美術館の学芸員中越康介氏個人が、3月末に「八郎墨譜」の分析・再興九谷宮本屋窯における作品像の特定と飯田屋八郎右衛門の画業に関する考察 なる書籍を発刊されました。図録、「古九谷再興物語 青手九谷 吉田屋窯の魅力展」とほぼ大きさや厚さが同サイズの書籍です。ご存知のように八郎墨譜は福井県敦賀気比神宮所蔵の方氏墨譜を、飯田屋八郎右衛門が写した写本です。現在も末裔の方が所蔵され、その方のご協力により公開された次第です。以九谷焼跡窯跡展示館の企画展で数ページのみ展示されました。当時、拝見すると所蔵の赤絵作品に画や幾何学文が全く同じ物が数点ありありとても感動した憶えがあります。その八郎墨譜の全ての画像と伝世品を詳細に比較対照し、分析考察されています。中越氏から拝見した際には、恋人にでも出逢ったように胸が高鳴りました。又巻末第6章に「古九谷余談」なる項目で30ページに亘って詳細に解説されています。少部数の発刊で残念ながら市販されていません。全て中越氏が私宅で膨大な時間を費やし、石川県博物館協議会からの助成を受け自費出版されたと聞いております。

2017/4/26(水) 午前 6:51 [ kib*kib*ki*a33* ] 返信する

顔アイコン

ご無沙汰しております。
中越康介さんは地道に足を使いながら、素晴らしい研究や企画を出しつづけていらっしゃいますね。その書籍は宮本屋がお好きなkibakibakiba333さんには、たまらないことでしょう。
私も「古九谷余談」が気になります。機会があれば、ぜひ拝読してみたいです。

2017/4/26(水) 午後 7:32 [ ナインバレーズ ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

開く トラックバック(0)


.


みんなの更新記事