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彼岸山の山小屋の周りに咲き乱れる、ゲンペイギク。 この紅白の花の上を、エメラルドグリーンの閃光が横切った。 すぐに分かった、アオバセセリだ。 サイズが大きく高速で羽ばたくため、近くを飛翔するとブーンと羽音が聞こえる。 本州に産するセセリチョウ科の中では最大級、しかも地味な種が多いこのグループの中では特異に際立つ美しい色彩を持っている。 小学校3年生から本格的にチョウを追い始めたボクの目標の種の一つだったが、小学校時代の標本箱にこの種が並ぶことは、残念ながらなかった。 この種に初めて出会ったのは、中学校に入ってからだった。 渓流沿いの林道で息を切らして自転車を押すボクは、紛れもないこのエメラルドグリーンを目に止めたのである。 水しぶきがかかるような林道沿いの花に、2頭のアオバセセリが入れ替わり立ち代わり訪れ、一心不乱に吸蜜していた。 慌てて長竿を伸ばして掬い取ったときの、あの感覚。 初めて捕虫網にいれたその擦れた個体の重厚感と美しい色彩に、しばし見とれたものだった。 後年、それほど珍しい種ではないと知ったものの、やはりそう簡単に出会える種ではない。
しかし、社会人になってから、東北地方のダム湖岸の法面植栽で吸蜜する夥しいアオバセセリの姿を見たときは、ちょっと引いた。 ・・・いるところには、いるんだなぁと。 |
☆昆虫☆
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近所の小学生に、校庭に連れて行かれる。 |
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7月。 渓流沿いの草本上に、弱々しいサナエトンボのとまりを見つけた。 止まっている草に触れないように注意しながら、写真撮影。 ボクの動きに全く動じることなく、止まり続けていた。 ヒメサナエ。 胸の側面中央下部にある黒い模様が気門付近で途切れること、尾部上付属器が白いことで識別する。 日本特産種で、分布はやや局地的なようだ。 本種のように小型のサナエトンボは10種ほどいるが、いずれも渓流域にひっそりと暮らしている。 |
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夕刻、山歩きでボロボロに疲れた体を引きずって、尾根に近い林道を歩く。
林道上低い位置を、一頭のヤンマが行ったり来たり。 ボクの目の前に飛んできたので、右腕を一閃、見事に手のひらにヤブヤンマが収まった。 俺ってスゴい♪なんて独り言を言いながら、写真撮影。 この手のヤンマは、夕刻や早朝の薄暮時に活発に活動し、林道上や樹冠上の飛翔性昆虫類を捕食する。 普段は頭上高くを飛び回っていることも多いため、なかなか手中に収めることが難しい。 こんなところで自己満足。 ちょっと疲れが和らいだ。 |
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田植え後間もない水田。 のどかにホウネンエビが泳ぎ回る水中に、エイリアンを彷彿とさせる奇妙な幼虫を見つけた。 水中の枯れ草に捕まって静止しているが、捕まえようとすると器用に泳いで逃げ回る。 ガムシの仲間の幼虫だ。 動きは緩慢そうにみえて、意外と敏捷。 泳ぎ回るホウネンエビを大きな顎で捉えたかと思うと、水中でぐるぐると回転し、時には水面に浮上して、見る間にホウネンエビの肉団子を作ってしまった。 この水面に獲物を突き出す動作は、肉団子に混ぜ合わせる消化液が水中に拡散しないようにしているとの説があり、単純に暴れているわけではないことを知った。 |



