☆野鳥☆

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災難のカイツブリ。

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静かな山あいの溜池で、けたたましい鳴き声がこだました。
「クエークエークエー!」
カイツブリの悲痛な叫び。
見ると、浮巣のそばにハシブトガラスが降り立っていた。
カイツブリは水中に潜っては激しく水滴を飛ばして、カラスを追い払おうと足掻いている。

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そんな攻撃など蚊が止まったくらいにしか感じていない様子のカラス。
おもむろに巣の中から卵を咥え捕ると、悠然と飛び去っていった。

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あとに残されたカイツブリの夫婦は、しばらく呆然とした様子で巣の中を覗き込んでいた。
そして巣の中に残った一卵を無視して抱卵を放棄し、池の中央に泳ぎだしていったのだった。
しかし、あんなにたやすく卵を持っていかれるとは、カイツブリの繁殖成功率も極めて低いだろうと思う。
何かの論文で、鳥避けのテグスが張ってある池では繁殖成功率が高いと読んだ気がする。
もしそれが本当ならば、カイツブリの天敵はほとんどがカラスなのだろう。

岸壁のシロカモメ。

3月の日本海。
海岸線を車で走る。
強風が吹くテトラの上に、北帰を待つカモメの大群。

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ウミネコとセグロカモメの大群に紛れて、1個体だけ真っ白なカモメが。
車を運転していてもすぐに分かった。
シロカモメの成鳥。
数年前、9月の釧路港で散々探した挙句にようやく見つけて喜んだシロカモメだ。

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夕闇迫る岸壁で、ゆっくりと羽繕い。
こうやってみると、本当に白い。
大群の駄物カモメに紛れて1羽だけで佇んでいると、それだけで高貴に見えた。

クロジ。

巨大なシイカシが生い茂る神社の境内で、数個体の小鳥が跳ね回っている。
クロジ。
冬の小鳥の中で、ボクが特に好きな鳥である。
関西では一部の高標高地で繁殖するが、低地では冬鳥として渡来する。
神社など薄暗い照葉樹林の林床で見かけることが多く、近年個体数が増えた印象。
「チッ。チッ。」とエンベリザ特有の声で鳴くが、音質がもっとも澄んでいるので、馴れると聞き分けられる。

イメージ 1

クロジのオス。
全身深いグレーの羽衣に、淡いピンク色の嘴。
この色の取り合わせが実に絶妙で、ボクがこの小鳥を好きな所以である。
また、普段薄暗いところにばかり潜んでいるため、なかなか満足な写真が撮れないのも、追いたくなる理由だ。

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クロジのメス。
こちらは全身茶色で、地味な色をしている。
警戒心が強く、開けた場所にはまず出てこない。
低木の影に隠れて餌を探しているところを無理やり撮影。
ブレブレ連発の中で、かろうじて残った一枚。

せっかくの撮影チャンスだったが、あいにくの曇天で、あの微妙な色合いが再現できずに苦労した。
次は晴れた日にめぐりあいたいものだ。

『夜鷹』の語源?

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まるでカッコウのようなプロポーションとシチュエーション。
この写真だけで、これがヨタカと言い当てる人はそうはいないだろう。
日当たりのよい林縁部の斜面を歩いていると、突然足下から2羽のヨタカが飛び立った。
どうやら、ヨタカの休息の邪魔をしてしまったらしい。
飛び立ったヨタカが一時的にとまったのが、枯れ木のてっぺんだったというわけだ。

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ヨタカが潜んでいた林床には、大きな糞がいくつも転がっていた。
ヨタカは林床に直接産卵する習性があるが、この場所が巣であったのかどうかは不明である。
しかし、この糞の量を見ると、少なくとも同じ場所を選択的に使っていたことは確実だろう。
見れば見るほど何の変哲もない林床なのであった。

江戸時代、辻で客引きをする娼婦のことを「夜鷹」と呼んだ。
無論、夜行性であるヨタカに引っかけた語源である。
しかし、なぜ、「ヨタカ」なのだろうか。
ただ単純に夜行性の鳥ならば、「トラツグミ」でもいいし「コノハズク」でもいい。
・・・ヨタカが潜んでいた林床を見て、初めてその語源に合点がいった。
何の変哲もない場所をしとねにするという習性を併せ持つから、「夜鷹」なのだ。
昔の人はきっとヨタカの習性を理解した上で、そう呼んだに違いない。
そう考えると、先人の洞察力と語彙センスに、今更ながら舌を巻くのだった。

コジュケイ家族群。

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薄暗いスギ植林の林床から、「ピヨ、ピヨ、ピヨ・・・。」とひよこのような声が聞こえる。
車を停めて運転席から眼を凝らすと、林床の急斜面を転がるように走る茶色い塊がいくつも見えた。
あっちに3つ、こちらに3つ・・・合計10個体ほどいるだろうか。
そっと近づくと、生まれたばかりのコジュケイの雛が右往左往。
しかし、すぐに姿が見えなくなった。声はすれども姿は見えず。
ヒナはウラジロの茂みの中を巧みに移動していると見えて、声だけが四散していく。
歩を進めると、すぐ近くから親鳥サイズのコジュケイがいくつも飛び立っていく。
・・・いくつも??これには少し面食らった。
コジュケイは集団で子育てをするのだろうか?
帰って図鑑で調べると、コジュケイは年2回繁殖するため、大きな雛と小さな雛が混ざった家族群が見られることがあるのだという。
なるほど、ヒナが孵化直後から歩き出し自らで餌を採る「早成性」ならではの現象なのだろう。

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